The Royal Crescent Hotel & Spa
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古代ローマ浴場跡、美しいゴシック建築のバース寺院、18世紀ジョージ王朝時代の建築が多く残り、市街全体がユネスコ世界文化遺産に登録されているバース。
「高慢と偏見」で知られる作家ジェーン・オースティンも一時期を過ごした街に華を添える観光名所、ロイヤル・クレッセントにあるホテルでアフタヌーンティーを嗜んでみるのも素敵ですね。
バースの街並みは、バース・ストーンと呼ばれる蜂蜜色の石造り建築に特徴づけられています。
古代ローマ浴場跡を18世紀に再建した施設(現在はミュージアム)、バース寺院、ギルドホール、美術館ヴィクトリア・アートギャラリーなど、やや黄色味を帯びたバース・ストーンの建物が並びます。
なかでも有名なのは、三日月のような曲線を描く家並みロイヤル・クレッセント。バース中心地から少し坂道を上って向かう途中にあるザ・サーカスとともに、建築家ジョン・ウッド父子が2代で築いた優美な佇まいはバース観光名所のひとつです。
5つ星ホテル「ロイヤルクレッセント・ホテル&スパ」は、その名が示すとおりロイヤル・クレッセントの一部にあります。
30棟のテラスハウス様式が並ぶなか、16番地がゲストハウスとなったのは1950年のこと。続いて15番地も合併し、今あるホテルとなりました。
クレッセント全体の美観を損なわないよう配慮されたホテル外観は、遠目にはホテルを分からないくらい。通常のホテルで掲げられるイギリス国旗や紋章旗もなく、近くに行って控えめな看板を見てようやくここがホテルなのだと確認できます。
だから仰々しい5つ星ホテルというより、ちょっと隠れ家的なプライベート感が魅力。
ホテルのフロントでアフタヌーンティーの予約をした旨を伝えると、中庭を通り抜けて反対側にあるレストランへ行くよう案内されます。
季節によっては外のテーブルが賑わいそうな中庭を眺めながら歩いていくと、スパ&プールとレストランが見えてきます。レストランの名前は「モンタギューズ・ミューズ」。
宿泊者の朝食ルームにもなる広さながら、いくつかの部屋に分かれているため落ち着ける雰囲気。朝食のほかランチやディナーにカクテルタイム、そしてアフタヌーンティーもここで供されます。
アフタヌーンティーは基本2種類あり、「クラシック」か「ベジタリアン」から選びます。お茶やコーヒーは色々な種類があるので、まず最初に飲みたいものを注文。もしそれが好みの味でなければ、遠慮なく別のものに替えてもらいましょう。
ちなみにお茶はブライトンを拠点とする「Hoogly Tea(フーグリーティー)」のもの。筆者と連れはアールグレイ、ダージリン、イングリッシュブレックファースト、ラプサンスーチョンを注文し、どれも美味しくいただきました。
また終盤では「最後にコーヒーもいかがですか?」と給仕の方が勧めてくれたり、親切で気持ちいいサービス。
三段トレーで運ばれるフードは、最近ビジュアル重視のアフタヌーンティーが多いなか、一見とても普通に見えます。しかし丁寧に作られておりクォリティ高め。
フィンガーサンドウィッチも定番フィリングのスモークサーモン&クリームチーズ、ハム&マスタード、卵マヨ、コロネーションチキンなのですが、しっとり感のある薄切りパンとのバランスが絶妙。またサンドウィッチは1回、お代わりも出来ます。
スコーンは小ぶりなプレーンタイプ。さく・ふわ食感の優しいスコーンは、やや黄色味がかったバース近郊アイビーハウス農場(Ivy House Farm)と苺のプレザーブとの相性抜群。
甘さ控えめで素材の味が引き立つ季節のケーキもプチフールと呼べるサイズで、2口か3口で食べれます。大抵のアフタヌーンティーではケーキを完食できない筆者が完食できたほど、美味しく適量です。
そしてスコーンと一緒に供された、ちょっと見慣れない菓子パンのようなものはバースのご当地スイーツ、バースバン。
18世紀から継承されるレシピでブリオッシュに似た小型パンに砂糖がまぶしてあったり、中に小さな氷砂糖のようなものが入っていたり。小説家ジェーン・オースティンもバース滞在中に食べたと書簡に記されています。
以上すっかり食べきれず持ち帰りたい場合は、もちろん給仕さんが快く専用ケーキボックスに入れてくれます。宿泊先や自宅に帰ってから、2度目のティータイムも良いですね!