キーワードで検索
皆さんは「死者の日」をご存じですか?
最近では有名な映画の影響もあり、日本でもメキシコのカラフルで素敵な「死者の日」を知っている方が多いのではないでしょうか。
死者の日は、日本で言うお盆のような行事で、亡くなった愛する人たちを想い、家族や友人と集まったり、お墓参りをしたりする、ラテンアメリカ全体に根づいた文化です。
実はエクアドルにも、ここならではの「死者の日」があるんです!
エクアドルの死者の日は、毎年11月2日とされています。今年(2025年)は、祝日が11月4日に移動し、さらに11月3日はクエンカ独立記念日の祝日のため、なんと4連休になります!キト市内の通りや美術館・博物館などでもイベントが開催される予定です。
この日は祝日であり、先祖や亡くなった人々に敬意を表す日です。伝統的には、家族や友人が花や食べ物などを持って墓地を訪れ、通夜やお参りを行います。故人を偲ぶと同時に、みんなで集まり、あたたかい時間を過ごす日でもあります。中でも、この季節を象徴するのが「グアグア・デ・パン(guagua de pan)」と「コラダ・モラーダ(colada morada)」。この2つはエクアドルの死者の日には欠かせない存在です!
グアグア・デ・パンとは、赤ちゃんの形をした甘いパンで、「グアグア(guagua)」はエクアドルのキチュア語で「赤ちゃん」という意味。死者の日に食べられるこのパンは、「生命と再生」を象徴しており、亡くなった人を偲ぶだけでなく、命のつながりや家族の絆を感じる行事でもあります。
一方、コラダ・モラーダは、紫トウモロコシの粉にフルーツやスパイスを加えて作られる、甘くてとろりとした温かいドリンク。フルーティーでスパイスが香る、少し酸味のある優しい甘さが特徴です。
この飲み物の歴史はスペイン人が入植するよりも前、インカ以前の時代にまで遡ります。アンデスの先住民たちは、亡くなった人々の霊が戻ってくると信じ、紫や赤い飲み物を「生命」や「血」の象徴として捧げていたそうです。そのため、コラダ・モラーダの深い紫色は「血」を意味し、生命のめぐりの象徴ともされています。
特別な意味を持つグアグアとコラダ・モラーダですが、この時期になるとパン屋さんやカフェにずらりと並びます。最近ではチョコレートでコーティングされたものや、ジャムやクリーム入りのもの、自分で飾り付けできるタイプなど、バリエーションも豊富!コラダ・モラーダもセットで販売されていることが多く、カップやボトルでも購入できます。お店や家庭によってレシピが少しずつ違うので、いろいろなお店を巡って食べ比べをしてみるのも楽しいです。8月末ごろから販売が始まるため、街にグアグアが並び始めると「もうそんな季節か〜」と感じる、エクアドルの風物詩です。
この時期、多くの人は職場や学校、友人や家族と集まってグアグアとコラダ・モラーダを食べるのを楽しみにしています。ぜひエクアドルを訪れた際には、この時期ならではの伝統の味を体験してみてくださいね!