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バレンシアはスペイン料理を代表するパエリアの発祥地。だからと言って、バレンシアのどこでもおいしいパエリアが食べられるではありません。少し前にアルブフェラ湖畔にある、パエリアレストランが立ち並ぶエル・パルマル村でパエリアを食べたのですが、正直「おいしい♪」とは思えませんでした。今回はバレンシア市内中心部で本物のパエリアが食べられるレストランをご紹介します。
本場で『パエリア』と言えば、ウサギ肉と鶏肉、インゲンと白インゲン豆のパエリアのこと。Paella Valenciana(パエーヤ・バレンシアーナ)、日本語で言うとバレンシア風パエリアになります。魚介類ではないのです。もちろん、魚介類のパエリアもありおいしいのですが、バレンシア人のソウルフードはあくまでもバレンシア風パエリアなのです。
スペインの物価も上がりに上がり、今やパエリアの値段も私がバレンシアに住み始めた23年前の倍に!! 加えて最近の円安ユーロ高で、なかなか高価な食べ物になってしまいました。でも、だからこそおいしいパエリアを食べたいものですよね。
私は普段パエリアを食べに行く機会はあまりないのですが(ありがたいことに友人知人に作ってもらうことはあります)、先日バレンシアの中心部でパエリアを食べることになり、昔たまに行っていたRestaurante de Anaに行きました。ここのお米が薄くパリッと仕上がった魚介パエリアがおいしかったのですが、今回の目的はバレンシア風パエリア。数年前に鉄道駅の近くに移転し(徒歩5分弱)、新しい店舗に行くのは今回が初めてでした。
前菜にはマグロとアボカド、マンゴのタルタル、そして生ハムのコロッケを注文。タルタルは、生の紫玉ねぎが少々入っていて、その食感がますますおいしさを引き立てていました。コロッケはちょっと生ハム感が薄かったかな。
パエリアは正真正銘のバレンシア風パエリアで、アーティチョークとカタツムリ入りでした(「カタツムリ入れる?」と聞かれました)。バレンシア風パエリアでは基本のウサギ肉、鶏肉、インゲン、白インゲン豆以外に、使っていい具材が決まっています。それがアーティチョークとカタツムリで、ほかには飾りの赤ピーマン、豚肉団子ならOK。風味付けに使うローズマリーの茎が乗っていることもありますが、それ以外の具材を使うともうバレンシア風パエリアではなくなってしまうのです。
白いんげん豆がちょっと硬かったものの、お米の炊き具合も良く、また鶏肉はよく焼けているのにとてもジューシー(場所によっては火が通り過ぎてパサパサしていることもあるんです)。同行のスペイン人は「ちょっと味が薄くない?」と言っていましたが、日本人の私には塩加減、そして油加減もちょうど良かったです。
日本人の場合、食べ盛りでない限り3人でパエリア2人前がちょうどいい量かと思います。4人でも2人前で、前菜をいろいろ頼むのもいいかな、と。私たちは2人だったのでお腹パンパンになり、その日は夕食を食べられませんでした。
お会計は、ほかに飲み物、デザート、食後のコーヒーで100ユーロ弱でした。決してお安くはないレストランですが、市内中心部で評判のいいところだとこのくらいはする昨今です(バレンシア風パエリア1人前が20ユーロはします)。味、サービスがよく、WCもきれい(←これは大事!)。観光客向けのお店でないこともポイントです。パエリアが生まれたバレンシアで、正真正銘のパエリアを食べたい方はぜひ行ってみてくださいね。
Restaurante de Ana
住所:Calle Cirilo Amorós 4, Valencia
WEB:https://www.restaurantedeana.com/
電話:+34 96-350-9109
営業時間:日月火水 13:00~16:00、木金土 13:00~16:00、20:00~23:00