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イギリスで過ごすクリスマス。楽しみ方や注意点など!

小野 雅子

小野 雅子

イギリス特派員

更新日
2025年12月5日
公開日
2025年12月10日

年々、季節行事を先取りする傾向が強まってきた昨今。イギリスでも11月になると町にはクリスマスツリーが出現し、お店にはクリスマス関連グッズや食品が並び始めます。

でも本番は、やっぱり12月!

町角にイルミネーションがきらめき、各地でクリスマスマーケットを開催、また劇場やホールではクリスマス定番のバレエ「くるみ割り人形」や音楽コンサートなど・・・とイベントも多く、人々の高揚感を盛り上げます。

そんなイギリスで過ごすクリスマスの様子を紹介します!

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町はクリスマスムード最高潮!

リージェン通りのイルミネーション

クリスマス風景に欠かせないのは、なんといっても美しいイルミネーションとツリーですよね。

イギリスも早い所では11月中旬から町のあちこちでクリスマスのデコレーションが始まり、12月に入ると最高潮! 公共&商業施設には高さ10m以上ある大きなツリーが立てられることも多く、それぞれ趣向やデザインを競います。

またクリスマスはキリスト教に根差した行事につき、チャリティ団体らによる慈善運動も盛んに行われています。恵まれない境遇の人々への寄付を募るため、駅や公道で聖歌隊が寄付金用のバケツを持って唄っている光景も見かけるようになります。もし主旨に賛同したらバケツに小銭を入れて、ささやかなクリスマス精神を共有するのも素敵。

デパートなど小売店はプレゼント用の玩具やファッションアイテムがウィンドウを飾り、食料品店にはクリスマスのご馳走に合う食材やスイーツやお酒・・・と購買欲を煽ります。

店頭には楽しいクリスマスジャンパー♪

さらに、どこかちょっとダサさがクセになるクリスマスジャンパー(別名アグリーセーター)も、この季節ならではの人気商品。

1980年代のテレビ番組でタレントらが着て流行の先駆けとなったといわれており、クリスマスを家族や親しい友人と祝うのが一般的なイギリスでは、ユーモア満点のセーターがピッタリ!

特に大勢の買物客でごった返すクリスマスシーズンの繁華街では、くれぐれもスリやスマホ強奪に気を付けてくださいね!

クリスマスマーケットなどのイベントも多数!

  • 屋台がかわいいクリスマスマーケット
  • 大規模な移動遊園地「ウィンターワンダーランド」
  • クリスマスマーケット散策で冷えた体には温かいマルドワイン

クリスマス関連イベントはイギリス国内各地で開催されるので、例としてロンドン市内の代表的なものを挙げてみましょう。

まずロンドンのクリスマスを語るうえで外せないのは、トラファルガー広場です。

ここに立てられる高さ20m以上のツリーは、毎年ノルウェーから贈られる本物のモミの木。第二次世界大戦でイギリスがノルウェイを援護したことへの感謝として、1947年から続く習慣となっています。

2025年も12月5日~翌年1月5日まで、このツリーがトラファルガー広場にそびえ立ちます。また12月24日までは毎日16時以降、各団体からの聖歌隊が美しい歌声を聴かせてくれますよ! 時間などの詳細は、公式サイトをご参照ください。

またクリスマスマーケットも、この季節にイギリスを訪れる方におすすめ。ロンドン市内で代表的なものを紹介します。

■レスタースクエア
開催日程:2025年11月1日~2026年1月4日
場所: Shakespeare Water Fountain, 4 Leicester Square, London WC2H 7DE
最寄り地下鉄駅:レスタースクエア駅

■コヴェントガーデン
開催日程:2025年11月12日~2026年1月4日
場所:The Piazza, London WC2E 8RF
最寄り地下鉄駅:コヴェントガーデン駅

■サウスバンクセンター
開催日程:2025年11月3日~2026年1月4日
場所:The Queen’s Walk, London SE1 8XX
最寄り地下鉄駅:ウォータールー駅

■ウィンター・ワンダーランド
開催期間:2025年11月14日~2026年1月1日
場所:Hyde Park, London SW7 1NR
最寄り地下鉄駅:ハイドパークコーナー駅、グリーンパーク駅、ナイツブリッジ駅 ただし混雑ピーク時は安全のためこの3駅は閉鎖する場合があるため、ロンドン地下鉄ウエブサイト等で事前チェックを!

最後に、王立公園ハイドパークで行われる移動遊園地「ウィンターワンダーランド」内でもクリスマス・マーケットが開催され、100軒以上もの屋台が立ちます。
入場はウェブからの予約制、かつほとんどの時間帯で入場料がかかります。入場料金は3段階に分かれ、平日午前中などオフピークは無料(12月12日まで)ですが、スタンダードは5ポンド、ピークタイムは7.50ポンドかかります。

クリスマス当日の典型的な過ごし方は?

景気のいい破裂音!クリスマスクラッカー

イギリスではクリスマス当日、家族や親戚などごく親しい間柄の内輪で過ごすのが一般的です。朝のうちに教会でクリスマス礼拝に参列する人もおり、初詣してから家族でおせち料理を囲む日本の元旦に少し似ていますね。

そのため職場や学校でのクリスマスパーティーのほとんどは、12月中旬までに開催。なぜなら同僚やクラスメイトらは、イギリス各地の実家に帰省してしまうから。

また12月25日は公共交通機関が運休し、ほとんどの商業施設も休業となります。どうしても移動したい場合は徒歩、マイカー、自転車など自力で、または民間タクシーもこの日は特別料金に跳ね上がるのが珍しくないためご注意を。

ロースト料理が主役のクリスマスディナー

家族や親戚たちと過ごすクリスマス当日は、もちろんご馳走が主役! “クリスマスディナー”とよばれるもののディナーとは「その日の主餐」という意味なので、昼間のうちに始める場合が多いです。

料理はターキー(七面鳥)が知られていますがほかのお肉や魚、またはべジタリアン用などさまざまな食材もメインディッシュとなり、総じてオーブンで焼き上げるロースト料理が好まれます。

 

ローストした肉、野菜、ヨークシャープディング

付け合わせにはローストした野菜(じゃが芋、人参、パースニップほか)、ブロッコリーやインゲンなどの茹で野菜、ヨークシャープディングなど。食べる際には肉汁たっぷりのグレイビーソースをかけたり、お料理によってクランベリーソースやホースラディッシュを薬味として添えます。

お腹一杯になった頃合いで、15時から国王のクリスマスのスピーチを視聴するのも一般的。テレビならBBC、ITV、Sky Newsで、ラジオはBBC Radio 4でそれぞれ視聴できます。

このスピーチでは今年イギリス内外で起こった出来事を振り返りつつ、環境問題や社会問題などに言及し、国民に平和で幸多い新年をと締めくくる流れです。前後の吹奏楽団演奏をふくめ、イギリス版「ゆく年くる年」に近い雰囲気もあります。

別腹ラスボス登場!クリスマスプディング

手作りはもちろん、スーパーでも気軽に買うことができるクリスマスプディング!

昼間からシャンパンやワインを飲みながら、普段は食べないような量のご馳走料理を平らげて「もうお腹一杯!」と思っても・・・食後のお喋りやゲームに興じたり、国王のスピーチを視聴しているうちに、なぜか別腹スペースができてしまうもの。

そこで満を持して登場するデザートの代表選手が、クリスマスプディング! 日本では馴染みのないお菓子ですが、イギリスでは伝統的なクリスマスのデザートです。

ザックリ説明するとドライフルーツやナッツたっぷりで、スパイスやブランデーを効かせて1ヵ月ほど寝かせた蒸しケーキ。しかし蒸しケーキといっても蒸しパンのようにふわふわ食感とは真逆で、ねっちり&どっしり重厚そのもの。

  • 初めて見る人には、衝撃的なビジュアル
  • 濃厚クリームとのマリアージュ♪

テーブルにどどん! と登場する、真っ黒に近い色合いのドーム型のフォルムは、初めて見る人にはかなり強烈なインパクトです。お味も見た目にたがわずまったり濃厚ですが、少量を取り分けて生クリームやブランデークリームをたっぷり添えて食べると、なかなかおいしく感じます。

クリスマスが近づくにつれて、この味を思い出すようになったら・・・貴方もすっかりイギリス通になった証拠?

それでは皆様、MERRY CHRISTMAS!

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