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【パリ】ロワシーバスが運行終了へ、新空港バスは地下鉄14号線サン・ドニ・プレイエルから

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2025年12月12日
公開日
2025年12月12日
©︎Yukinobu Shuzui サン・ドニ・プレイエル駅

長年、パリとシャルル・ド・ゴール空港を結ぶアクセスバスとして親しまれてきたロワシーバスが、2026年にサービスを終了します。その代わりとして、同年3月以降はパリ北郊外のサンドニ・プレイエル駅からの新たな空港バス路線が開設される予定です。今後のシャルル・ド・ゴール空港のアクセスについて、まとめました。

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空港新バス路線はどこを繋ぐ?

©︎Yukinobu Shuzui ロワシーバス

パリ周辺の公共交通機関を運営しているイル・ド・フランス・モビリテが今月11日に発表したプレスリリースによると、パリ北郊外のアルジャントゥイユ駅から同サン・ドニ・プレイエル駅を経由して、シャルル・ド・ゴール空港を繋ぐ9517番のバス路線が、現在のパリ市内オペラ地区からシャルル・ド・ゴール空港を結ぶロワシーバスに変わり、2026年3月から新しく運行を開始します。

ロワシーバスの営業終了と新路線開設の理由は、パリ市境付近の慢性的な渋滞と市内中心部の混雑です。新路線により移動時間の短縮が可能になります。具体的には、従来のロワシーバスの場合だとパリ市内からシャルル・ド・ゴール空港まで1時間10分〜1時間50分の時間がかかっていましたが、2026年3月から営業を開始する新路線およびサンドニ・プレイエルから地下鉄14号線に乗り換えて市内まで行く場合は、1時間〜1時間20分となるそうです。

昨年のパリ・パリオリンピックを前に開業したサン・ドニ・プレイエル駅は14号線の終点。現在は14号線の他に地下鉄13号やRER D線が通りますが、将来的にはさらなる地下鉄新路線も開業を予定しています。アルジャントゥイユ駅は、将来的にはRER E線の駅でもあるナンテール・ラ・フォリ(Nanterre La Folie)からアルジャントゥイユ駅を経由してシャルル・ド・ゴール空港を結ぶ地下鉄19号線が通る予定です。

■サン・ドニ・プレイエル駅(Saint-Denis Pleyel)
住所:Parvis de la Gare Saint-Denis-Pleyel, 93200

バス以外の空港アクセス方法は?

©︎Yukinobu Shuzui

ロワシーバスが無くなる2026年3月以降の、パリ市内からシャルル・ド・ゴール空港へのアクセスは、サン・ドニ・プレイエル発着の9517番バス以外では「RER B線」「タクシー(またはUberなどのハイヤー)」が主な手段になります。

RER B線は、通常運行していればロワシーバスよりも時間は読めましたが、走る多くの列車はパリ市内と空港を各駅停車で進みます。北郊外に住む人々の路線でもあるため、旅行客と地元の人々の動線が被っていました。またスリや置き引きなどの被害も起きていました。

タクシーは、シャルル・ド・ゴール空港とパリ市内(郵便番号が75で始まる住所以外は定額ではない)を定額で乗車できるため複数で使う際には便利ではあるものの、一人では割高です。一部ですが、定額料金以外の割増料金を請求してくる運転手などもおり、毎回の料金確認作業もストレスですし、またバスと同じく渋滞に悩まされることも、しばしばあります。

これら現状から考えると、発着場所がオペラ地区というパリ市内中心部からサン・ドニ・プレイエルの郊外に移動しても、バスは依然使いやすいと思われます。

今後期待される空港新アクセス手段

©︎Yukinobu Shuzui

今回のサン・ドニ・プレイエル発着の9517番バスの新設は、シャルル・ド・ゴール空港とオルリー結ぶ利便性の向上にも期待できます。

現在この2空港間は、バスおよびRER B線が繋いでいますが、RER B線は必ずしも運行状況が安定しているとはいえず(工事による運休や電気系統のトラブルの遅延も多い)、RERよりは運行が安定している地下鉄14号線とサン・ドニ・プレイエルからのバスが組み合わさることで、代替路線としてより有用になります。

そして2027年3月以降は、シャルル・ド・ゴール空港からパリ東駅を15分間隔20分で結ぶ直通列車「CDGエクスプレス」の開業が予定されています。2026年3月から始まる9517番バスの使いやすさと、2027年3月からのCDGエクスプレスによる利便性の向上に期待したいです。

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