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成田空港第1ターミナルには、カフェやレストラン、専門店が並ぶショッピングエリアがあります。定番のお土産や旅行用品の店をイメージするかもしれませんが、商業的な空間とは一線を画す、異国情緒あふれる雑貨店が存在します。それが、JETRO(日本貿易振興機構)が運営する「一村一品マーケット(One Village, One Product Market)」です。
世界への玄関口である成田空港の第1ターミナルのショッピングモールに、他のお土産屋とは一線を画した店構え。
ここではアジア、アフリカ、中南米など、世界各国の開発途上国から集められた特産品が販売されています。しかし単なるお土産屋さんではありません。「Trade, not Aid(援助ではなく貿易を)」をコンセプトに、現地の生産者が経済的に自立することを目的として設置されたアンテナショップなのです。
利益を追求することよりも、まずは「知ってもらう」ことに重きを置いているため、日本ではなかなか手に入らない希少なアイテムが、驚くほど手頃な価格で並んでいます。
世界の民芸品は、日本にはないセンスの配色や、伝統的な文様やパターンを取り入れたものばかりで、思わず近づいてじっくり見てしまいます。
店内の陳列は地域で分かれているわけではないので、「なんだろうこれ」と近づいてみると、「この国でこんなものを作っているんだ!」という発見の連続です。アフリカの国々は動物をモチーフにしたり、伝統的な文様が特徴的ですが、バナナの木の樹皮を使った貼り絵カード(ルワンダ)や、ブリキの自動車(マダガスカル)、目が眩んでしまいそうなカラフルな布(ベナンやマリ)など、独創性豊かです。
アジア地域に目を向けると、実用性の高そうな羊毛のニット帽(モンゴル)や、世界の国旗を模したコットンポーチ(ネパール)、伝統衣装を着た人形(ウズベキスタン)など、こちらも個性的な品々がありました。ミャンマー、カンボジア、インドと木材を活かした品も多く見られます。
「関西・大阪万博のコモンズ館を見ている気分になりました」と言うと、「万博で買えなかったものをここで買っていくお客様もいましたよ」と店長さん。たしかに、さまざまな国の品をこれだけ安く買えるのであれば、見ているだけではなく購入欲も湧いてきます。筆者もベトナムの布製名刺入れと、アルジェリア産のデーツを購入しました。
このお店がオープンしたのは2006年のこと。そしてこの2026年3月、ついに設立20周年という大きな節目を迎えます。
「一村一品運動」は1979年に当時の大分県知事・平松守彦氏が提唱し、地域活性のために興したものでした。それが地域ブランディングの手法モデルとして拡大し、JICAが「Project OVOP」として世界中に広めていきました。世界中の発展途上国の名産品をブランド化し、「ローカルにしてグローバル」「自主自立・創意工夫」「人づくり」というスローガンのもと、途上国の発展を援助しています。
ここで買い物をすることは、遠く離れた国の生産者への直接的なエールになります。20年もの間、成田空港という日本の玄関口で、途上国の「一品」を発信し続けてきたこのマーケット。
ありきたりな土産を買う前に、まずはこの場所に立ち寄ってみてください。筆者も次は、SNSで話題のキルギス産「白いはちみつ」を手に入れる予定です。搭乗前の数分間が、あなたの旅をさらに豊かなものにしてくれるはずです。
■一村一品マーケット
オンラインでの購入も可能です。スペシャル定期便で人気商品が届けられるサービスも。