【福岡県・岡垣町】九州最古級鉄道遺跡が伝える赤レンガアーチの美しさ
2026.3.6
キーワードで検索
山登りをしてみたいけど、本格的な登山は装備をそろえる必要があるし、頂上まで登りきる体力が持つかどうか分からない。でも山登りはやってみたいという方におすすめの山があります。それが、福岡県古賀市にある「鹿部山公園」(ししぶやまこうえん)です。標高は約60m、頂上までわずか10分ほどということで、私もスマホのみをお供に登ってみました。
JR鹿児島本線「ししぶ駅」から住宅街を抜けていくと徒歩15分ほどで到着します。車の場合は、無料の駐車スペースがあるのでどちらでもアクセスしやすいのが高ポイント。また、麓にはトイレや休憩スペースもあるので、頂上までの準備ができます。小さな滑り台や遊具があるので、お子さま連れにもうれしいポイント。
階段を登ってすぐに東屋があり、ここからの風景が押さえておきたいポイントです。国道3号線が見えますが、車道の喧騒が幾分か軽減されるおかげでリフレッシュした気分になれ、街並みが目の前に広がるので、開放的な気分にもなります。
斜面に段々がついているようで、もしかしたら古墳や遺跡なのか?とも思えました。上に進むにつれて舗装された道から、自然道へと足を踏み入れます。草木が両側に並び立ちますが、そんなに急な山道ではないので、やや息が切れる程度で登れます。
途中で大きなクスノキがそびえたっており、両手広げても抱えきれないほどの太さでした。ここで何十年、いや、もしかしたらそれ以上の年月、登る人や街を見守ってくれているのかもしれません。
景色を見ながらもサクッと頂上へ到着しました。そんなに時間は経っていないものの、頂上まで登り切った! という満足感が得られました。
頂上にはさらに上へと続く物見台のような展望台もありました。ここから見渡すと「花鶴丘団地」や「シーサイドパレスフェニックス古賀」を目印に、市内の街並みが広がっていました。沖の方に目を向けると、玄界灘に浮かぶ船のような相島が見えます。
展望台の奥には石碑と掲示板がありました。石碑は「鹿部山経筒の碑」と明記されていました。説明版はこのあたりの歴史やここから出土したものが書いてありました。
かつて鹿部山は三つの峰を持つ山で、街の造成でふたつ削られましたが、この山だけは残り憩いの場所となったようです。また、頂上付近の経塚から石の容器に入った経筒と青磁の合子やお皿などが見つかりました。
経筒の年号は永久元年(西暦1113年)とあり、平安時代後期のものです。当時は筑前国席内院(ムシロウチイン)に属し、峯が「父々夫(ちちぶ)」とよばれていたことが明らかになったそうです。やがて江戸期の文書に「志々夫」「鹿府」となって「鹿部(ししぶ)」と変化していきました。
発掘された経筒などは、発見者の協力で文化財に指定され、歴史資料館に保存されているそうです。頂上で景色を満喫した後は、登ってきた道を降りていくだけです。
鹿部山公園から歩いて行けるところに、「皇石神社 沖の井戸」「皇石宮」「荒波神社」があり、イチョウやクロガネモチの巨木もすぐそばで観察できます。また、「皇石神社 沖の井戸」には、神功皇后が水を飲んだと伝わる井戸もありました。
ほかにも、「鹿部田渕遺跡」もおすすめ。現在は「みあけ史跡公園」として整備されていますが、6世紀中頃から後半に造られた、大規模な掘立柱(ほったてばしら)建物群を復元しており、「日本書紀」に記述された、「糟屋屯倉(かすやのみやけ)」の候補地のひとつともいわれています。
糟屋屯倉というと、「筑紫野君磐井の乱」(西暦527年)で命を落とした磐井の子ども「筑紫葛子」が、大和政権に許しと命乞いをする際献上したとも。
こんな歴史スポットが間近にあると、古代に思いを馳せながら、鹿部山の頂上から歴史ロマンを感じるのもまた面白いですね。
■鹿部山公園
住所:福岡県古賀市美明1丁目19番1
アクセス:JR九州鹿児島本線「ししぶ駅」より徒歩約15分
URL:https://www.city.koga.fukuoka.jp/cityhall/facilities/010.php