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大型客船で豪華な船旅は夢のまた夢だけど…とため息付く前に、日本国内各地で航行している長距離フェリーはいかがですか?近年設備がより洗練され、夜行フェリー旅がさらに快適になり、ファミリーやグループ旅にも、そして女子ひとり旅にもおすすめです。今回は東京九州フェリーの横須賀〜新門司航路の乗船体験記をご紹介します。
横須賀港から新門司港へ向かう東京九州フェリーの夜行フェリーは、2021年7月に開設された比較的新しい航路です。(一社)日本長距離フェリー協会によりますと、2025年現在、日本国内(北海道〜九州間の各地)で定期運行されている長距離フェリーは15航路あるそうです。これ以外にも小笠原航路や沖縄の離島航路など短距離・長距離航路がたくさんありますので、日本は意外にもフェリー大国なのかもしれません。
最寄り駅の京急横須賀中央駅で下車し徒歩10分程度でフェリーターミナルへ。出港時間が夜の23時45分なので、ターミナルへ行く時間も夜9時を過ぎていますが、駅前広場から道案内の看板があちこちにがあり迷わず行けます。事前予約はインターネット、電話、窓口(予約センター、フェリーターミナル)から選べますが、今回は電話で出港当日の朝予約し、フェリーターミナルで支払いをしました。
2026年3月時点での運行は、「それいゆ」と「はまゆう」の二隻が横須賀港、新門司港それぞれからほぼ同じ時間に出港して途中海上で交差します。(運行日はいずれも月〜土は毎日、日曜・祝日は運休)
約21時間の船旅は、夜の間に移動するだけでなく、日中の船旅も存分に楽しめるのが魅力です。
今回は一番リーズナブルなツーリストAの船室を利用しました。大部屋に雑魚寝、という従来のタイプではなく、ロールカーテンで仕切ったベッドが上下段あり、出入り口が交差することで大部屋感はほとんど感じられません。ツーリストS以上のクラスは自分の部屋を施錠することができますが、ツーリストAは部屋の鍵がないので、4階エントランスホールにあるコインロッカーを利用すれば貴重品も安心です。大きな荷物はベッド横に物置スペースがあります。
船内では長時間快適に過ごすために様々な椅子やベンチが用意されていて、船内探検したくなるほどです。フォワードサロンからは船の進行方向を室内から眺められる大きな窓があります。また、撮影はできませんでしたが、一番のおすすめは大浴場で、船の中でゆったりと湯船につかれるのは最高の癒やしです。船の揺れが大きい時はお風呂の利用が一時中止になってしまうこともありますが、その場合はシャワールームもあるので、特に不便は感じられません。
共用トイレにはランドリーコーナーもあり、洗濯・乾燥機が3台設置されていて、長期旅行の途中に乗船しても便利そうです。
船内設備は21時間過ごすには十分な内容です。エントランスホールには4階から6階までをエレベーターでも昇降することができます。売店ではフェリー関連グッズから横須賀・新門司双方の周辺エリアにちなんだ名産品なども販売しています。
船旅での最大の楽しみはやはり船上での食事です。東京九州フェリーのレストランでは、乗船直後の夜食タイムから朝食、昼食、下船直前の夕食まで4回の食事サービスが設定されています。メニューの中にも海軍カレー、豚骨ラーメンなどといった横須賀名物や九州名物が取り入れられています。朝食で提供されるクロワッサンなどのパン類は朝食営業後に売店でも限定販売されることがあります。
天候が良い時は船上デッキからの景色も楽しめます。風が強かったり波の揺れが大きい時は安全のため出入り口が一時閉鎖になってしまうこともありますが、日中の航行ではずっと本州や四国の海岸線を見ながら西へ向かうので、完全に周囲が海洋だけというわけではなく、航行の位置がわかりやすいのも嬉しいところです。四国を超えて豊後水道に入る頃には日が暮れてきていよいよ目的地の新門司港まであと少しです。
新門司フェリーターミナルには定刻の午後21時に到着しました。車両ごと乗船された方から下船の案内が始まり、徒歩乗船者は最後に案内されました。ターミナルには門司駅経由JR小倉駅までの無料シャトルバスが待っていて、約30〜40分で小倉駅北口の新幹線口に到着しました。天候に恵まれ快適な船旅を堪能できました。翌日小倉から東京まで新幹線で帰京しましたが、こちらはわずか5時間。船旅は時間をかけられるからこそ旅をしている味わいを長く楽しめるものだと改めて感じました。
■東京九州フェリー「はまゆう/それいゆ」の予約・運行情報はこちらから
東京九州フェリー公式ページ