• Facebook でシェア
  • X でシェア
  • LINE でシェア

【コモド島】コモドドラゴンの赤ちゃんの話

SARA HASHIMOTO

SARA HASHIMOTO

インドネシア・コモド島特派員

更新日
2026年5月2日
公開日
2026年5月2日
© サラトラベルコモド

コモドドラゴンの赤ちゃんは、成体による共食いを避けるため数年間を樹上で過ごします。リンチャ島の歩道や民家の2階を避難所にして懸命に生きる姿は、「最強の爬虫類」のイメージとは異なり非常に愛らしいものです。地上に下りてからも先輩との距離を保ち、空からの天敵にも注意しながら暮らす様子は、生存競争の厳しさを感じさせます。赤ちゃんにだけ見られる鮮やかな模様にも注目。

AD

樹の上で生活するコモドドラゴンの幼生期

コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)は、“恐竜の生き残り”と言われるだけあって、非常に珍しい生態を持っています。
そのひとつに、「幼生の間は樹上で生活する」というものがあります。

コモドドラゴンは、6月~8月の間繁殖シーズンを迎え、その後メスはこんもりとした巣の中で出産に備え、12月頃卵を産み、翌年の3月頃孵化します。

余談になりますが、コモドドラゴンは一般的に一夫一妻制だと考えられていますが、ヒトをも喰らう無敵の爬虫類でありながら、なかなかかわいい面を持つと言えるかもしれません。

遊歩道の設置でコモドドラゴンの赤ちゃんも下りてくるように

さて、孵化するとすぐ、コモドドラゴンの赤ちゃんは樹の上で生活します。そして、昆虫などを食べて過ごします。
コモドドラゴンは共食いをする習性があるため、陸上にいると成体に食べられてしまいますので、2~3年の間は樹上で暮らします。

こちらの写真は、リンチャ島でたまたま樹から下りてきた赤ちゃんを発見した時に撮ったものですが、非常に珍しい写真でしょう。
そして、注目すべきは、成体のドラゴンには見られない美しい鮮やかな模様を持つことです。トカゲというよりニシキヘビのような綺麗な身体をしていてユニークですよね。

リンチャ島は、観光客用の歩道が整備されて、コモドドラゴンを観察しやすくなったのですが、これができたために、コモドドラゴンの赤ちゃんにとっても、成体から捕食されるリスクを回避して樹から下りられるようになったようです。
じっと見ていると、とても可愛くて、将来“世界最恐の爬虫類”になるとはとても思えません。

若いコモドドラゴンの生活もなかなか大変

こちらの画像は、以前コモド村を訪問した時に偶然見つけたコモドドラゴンの赤ちゃんです。民家の2階で階下を見下ろしていました。
これなども、やはり地上にいると成体に食べられてしまうので、2階にいるわけですが、コモド村の人々も気が気じゃないでしょうね。

なんせ、自分の家の2階にコモドドラゴンが棲みついているんですから。

そして、3歳ぐらいになると、地上に下りて、大人として生活するのですが、やはり大きな個体には危なくて近づけず、ある程度の距離を保って暮らします。
つまり、コモドドラゴンに対し、あまり近づかないようにするのは人間だけではなく、若いドラゴンにとっても同じで、常に警戒しながら暮らしています。

同じ種族でありながら、先輩に食べられないようにびくびくしながら生きるというのはなかなか大変な人生と言えるかもしれません。

コモドドラゴンの赤ちゃんもお腹が重そう…

ところで、一番最初にご紹介したコモドドラゴンの赤ちゃんの画像を見ますと、腹ばいになっています。コモドドラゴンは自分よりも身体の大きな動物をまる飲みしたりしますが、お腹が重いのでよく腹ばいになって寝ています。

赤ちゃんの写真を見てみますと、これは何も成体だけでなく、子どもでも同じなんだということが分かります。尻尾がとても長くて、胴が短い。これは、言ってしまえば、身体のバランスが悪いのではないかと思ってしまいます。
生後2ヶ月の赤ちゃんですら、少し大きな昆虫を食べたら、お腹が重くて動けなくなりそうですよね。

実際この写真を撮ったときも、この赤ちゃんはしばらくこの体勢でじっとしていましたから。
何か太古の昔から受け継いだ遺伝子の中に、優性遺伝ではなかったものが混じっていそうな、少し不便そうで、愛らしい体型と言えるかもしれません。

それも関係があるのかどうか、成体のコモドドラゴンは無敵の頂点捕食者ですが、幼体に限ってはトンビや鷹という天敵がいて、少し目立つ大きさまで成長すると、時々さらわれたりします。
リンチャ島のこのベビードラゴンも、幾多の苦難を乗り越えて、無事に大きくなってほしいものですね。

トップへ戻る

TOP