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国産靴下の6割以上が、奈良県で製造されていることをご存知ですか?
なかでも、奈良県・広陵町は「日本一の靴下のまち」と呼ばれています。住宅街のなかに靴下工場が点在し、靴下博物館をはじめ、靴下関連施設が多くあります。
そんな広陵町に、自転車をこいでオリジナルの靴下を作ることできるユニークな体験スポットがあります。
広陵町が靴下の町となったのは、明治時代のこと。手回し型の靴下編み機がもたらされました。もともとこの地域は、江戸時代から大和木綿の産地として知られていましたが、近代化によって織物業が変化するなか、それに代わる農家の副業として靴下づくりが普及していきました。その後、大正時代には自動編み機も導入され、広陵町の靴下産業は大きく発展しました。 昭和に入ると、化学繊維を使った靴下づくりがさらに発展し、広陵町は一大産地へと成長しました。
しかし近年では、海外で安価な靴下が作られるようになり、国内メーカーからの注文数が減少。さらに後継者不足の問題もあり、廃業を選ぶ工場が増えているといいます。
そんな状況をなんとかしたい、広陵町の靴下文化を残したい、という思いから、1927年創業の靴下工場「創喜」の現社長が作りあげたのが、靴下づくり体験「チャリックス」でした。
「創喜」は、代々家族で経営し、大手メーカーの依頼を受けて靴下を製造してきた会社です。
靴下が目の前で出来上がっていく過程を見ながら体験できれば、靴下づくりに興味を持ってもらえるのではないか。そう考えた現社長が着目したのが、靴下の編み機のチェーンと自転車のチェーンの構造でした。編み機にチェーンを取り付け、さらにそのチェーンを自転車のチェーンとつなぐことで、ペダルをこぐ力で編む仕組み、「チャリンコ」×「ソックス」=「チャリックス」を考案しました。
「チャリックス」を体験できるのは、広陵町にある創喜の靴下工場のガレージを改装した「S.Labo」。身長130cm以上の子どもから大人まで、靴下づくりを体験できます。
まず、作りたい靴下のサイズと長さ、好きな糸の配色を選びます。36色の糸のなかから3色を選び、そこに生成りのシルクと和紙の糸を加えて、計5本の糸で編んでいきます。複数の糸が重なり合うことで、偶然の模様が生まれ、ひとつとして同じものがない風合いに仕上がります。
選んだ糸を編み機にセットしてもらったら、いよいよスタート。自転車をこぐ手順でペダルをこぐと編み機が動き出し、少しずつ糸が繰り出されていきます。編み機をよくみると円形になっていていて、靴下が筒状に編み進んでいく様子を、ペダルをこぎながら間近に見ることができます。途中、ペダルに負荷がかかったり、ガチャンという大きな音がしますが、気にせずに一定のスピードでこぐのがきれいに仕上げるコツ。
実際にかかる時間は片足5〜6分ほど。ずっと一定のペースでこぎ続けるとなると、なかなか脚力がいり、身体が汗ばんできます。
こぎ進むうちに、編み機の下から少しずつ靴下らしきものが見えてきます。つま先部分まで編み上げると、最後に編み機から編み上がった靴下が落ちてきます。
出来上がった靴下は、筒状でつま先が空いている状態。ここからはスタッフの方にバトンタッチ。つま先とはき口を整えたり、熱を加えて形成したりと、最後の仕上げをしてもらいます。
5本の糸がランダムに入ることで模様のようになり、世界にたったひとつだけの一足が完成。足でペダルをこいで作った靴下は、完成した瞬間から特別な愛着が湧いてきます。 履けば履くほど肌になじみ、心地よいフィット感も楽しめます。
ほかにも、くつ下の端材を使ったぬいぐるみづくり、くつ下を楽しく繕いながら永く愛用するためのダーニングなど、靴下工場ならではのワークショップも実施されています。
この「S.Labo」は、靴下づくりの工程を目で見ながら、その魅力を楽しく体験できる場所でした。
施設内には自社製品が並ぶコーナーもあり、さまざまな素材やデザインの色とりどりの靴下は、お土産にも最適です。
このチャリックスはオンラインで体験することも可能。サイズと糸を選んで、スタッフが代わりにチャリックスをこぎ、完了した靴下を配送してくれます。
奈良を訪れた際は、靴下のまちであなただけのオリジナル靴下を作ってみませんか。きっと忘れられない思い出になるはずです。
■S.Labo / 株式会社創喜
住所:奈良県北葛城郡広陵町疋相6-5
TEL:0745-51-0366
営業時間:9:30-17:00
※年末年始、祝祭日は営業時間が異なる場合があります。詳しくはSNSをご確認ください
アクセス:近鉄大和高田駅より奈良交通バス「竹取公園東行」乗車後「疋相(ひきそ)」下車、徒歩1分。駐輪場と駐車場あり
HP:https://slabo.souki-knit.jp/(予約はHPから)