タイの乗り物まとめ!電車、トゥクトゥク、ソンテオの乗り方を紹介

公開日 : 2023年01月25日
最終更新 :
筆者 : Taeko

タイ旅行時、移動手段をどうしようか迷っている方や、現地の乗り物に乗ってみたいと思っている方もいるでしょう。タイにも日本と同じように、移動には電車やバス、タクシーなどを利用することができます。そのほか、日本ではなかなかみかけないような乗り合いバス(ソンテオ)やトゥクトゥク、バイクタクシーなどもあります。また、今現在も発展し続けているタイ・バンコクでは、どんどん新しい乗り物が誕生しています。今回は、バンコクでよく目にする乗り物と利用方法を紹介します。

電車(BTS、MRT、ARL、SRT)

近代的な高架鉄道(BTS)
近代的な高架鉄道(BTS)

タイの移動手段の中でも、日本人にとってなじみがあり使いやすいのは電車でしょう。タイの電車にはいくつか種類がありますが、旅行者が特によく使うのは高架鉄道(BTS)と地下鉄(MRT)、そしてスワンナプーム空港からバンコク市内へつながっているエアポートレールリンク(ARL)です。どの電車も、乗り方や乗り心地は日本の電車と大きく変わらないので、利用にあたってのハードルは低いと思います。チケットの買い方、利用方法は後ほどご説明します。

SRTの風情ある車両
SRTの風情ある車両

ほかにも、タイ国鉄(SRT)という路線もあります。こちらは長距離旅行が格安でできるため、バンコク市外に出てローカルな路線旅を楽しみたい場合は活躍します。ただ、まれに1時間以上の遅延が起こることがありますので、時間に余裕をもって利用するのがよいでしょう。また、選ぶ列車や座席の等級などによっては、車内にエアコンがなかったり、座席が硬かったりしますので、利便性重視ではなくローカル感を味わいたい方に向いているかもしれません。そのようにやや不便な一方で、昔ながらの風情があるので、一度は乗りたい電車ともいえるでしょう。

SRTレッドラインの車両
SRTレッドラインの車両

2021年には、タイ国鉄の新しい路線SRTレッドラインが開通しました。バンコク都市部へのハブ駅となるバンスー中央駅基点として、ドーン・ムアン空港などがある北方面と北西部を結ぶ路線です。SRTレッドラインにはライトレッドラインとダークレッドラインの2つがありますが、中でもダークレッドラインは本数も多く現代的な車両で、これまで公共交通機関では行きづらかった方面へアクセスしやすくなりました。レッドラインの乗車券の購入方法や乗車方法は、BTSやMRTとほぼ同じです。

ドーン・ムアン空港からバンコク都心部への移動方法は、こちらの記事も参考にしてみてください。

乗車券の購入方法

乗車券の購入方法について、今回は地下鉄(MRT)を例に説明します。乗車券は、どの路線でも券売機か駅窓口で購入します。高架鉄道(BTS)ではカード形式の乗車券、MRTやARLでは黒いコインのような乗車券(トークン)になります。

MRTの券売機
MRTの券売機

乗車券の購入方法は日本と少し異なります。券売機では硬貨しか使えない場合がありますので、紙幣しか持っていない場合は窓口で乗車券を購入するか、窓口で紙幣を硬貨に両替してもらってから券売機で乗車券を購入することになります。

最近では券売機が新しくなってきており、タッチパネルで操作することが多くなっています。最初画面にタッチするとタイ語が表示されますが、画面右上にあるボタンで英語に切り替えられます。

バンコク市内の電車は、路線が増え、複雑になってきていますので、路線をきちんと確認してから乗車券を買うようにしましょう。ちなみに、BTSでは1日乗り放題券が販売されていますので、BTSで移動する日は1日にまとめるとお得に移動できます。

MRTの改札機 トークンを黄色い枠に押し当てる
MRTの改札機 トークンを黄色い枠に押し当てる

乗車券を購入したら、日本と同じように乗車券で改札機を通ってホームへ向かい、電車に乗ります。以降の流れも日本と同様です。

MRT改札近くにある荷物検査所。ドリアンは持ち込めない
MRT改札近くにある荷物検査所。ドリアンは持ち込めない

日本と違う点として、簡易な荷物検査がある点でしょうか。BTSでは改札を通過したあと、MRTでは改札を通る前に、写真のような検査のためのゲートやスタッフが立っている場所があります。ただし、実際に荷物検査をされるケースは少なく、呼び止められた場合でもかばんの中身を見せれば問題なく通れます。臭いの強いドリアンや、蓋のついていないカップの飲み物などは持ち込むことができませんので注意しましょう。

バスの高速交通システム(BRT)

BRTサートーン駅と黄色い車体が特徴のBRT
BRTサートーン駅と黄色い車体が特徴のBRT

バンコク在住者の間でもあまり知られていない乗り物のひとつにバンコクBRT(BRTはBus Rapid Transit Systemの略記)というバス・ラピッド・トランジット(バスの高速交通輸送システム)があります。このバスはBTSチョンノンシー駅とBTSタラート・プルー駅のエリアを結んでおり、黄色と黄緑色が入った外装が特徴です。BTSチョンノンシー駅(5番出口)でBRTサートーン駅に、BTSタラート・プルー駅でBRTラーチャプルック駅に乗り換えることができるようになっています。バス専用レーンを走行するため、渋滞知らずで遅延もほぼなく、とても便利なバスです。

タイでは珍しく事前に乗車券を購入してから乗車するタイプのバスで(タイのバスは、乗車後に係員がまわって集金するスタイルが一般的)、電車が通っていないエリアへのアクセスも抜群です。

タクシー

空車のタクシー
空車のタクシー

黄色やピンク色など、カラフルなタイのタクシー。初乗り価格は35バーツ(約130円)と、日本に比べると気軽に利用できます。車内は涼しいので、年中暑いタイでは大変便利な乗り物です。空車のタクシーは、上の写真の白い矢印部分のように「ว่าง(利用可能)」という文字が点灯しているかで見分けます(日本のタクシーと一緒ですね)。空車タクシーが走ってきたら、手を斜め下(がタイ流です)に出すと停車してくれます。

乗車後、行き先を伝える
乗車後、行き先を伝える

乗車後は運転手がメーターを押して出発します。混雑する夕方の時間帯を除けば、バンコク市内であればほとんどのところへ200バーツ(約760円)以内で行けるでしょう。

英語で行き先が通じにくい場合は、タイ語で書かれた目的地名や近くにある施設名を見せるとわかってもらいやすいです。また、行き先の電話番号を見せると、親切な運転手の場合、電話で確認してくれる場合があります。地図は見せても理解してもらえないことが多いので避けたほうがよいでしょう。支払いの際、20バーツ以下の端数はチップとして渡すことがありますが、電話をしてくれるなど親切な対応を受けた場合はチップを多めに渡すとよいでしょう。

バンコク以外の他県へ移動する際には、事前に運転手と交渉して金額を決めることもあります。筆者の場合、パタヤーからバンコクまで片道1100~1500バーツ(約4200~5700円)で移動したことが何度かありますが、メーターをつけて走るのとほぼ同じくらいの料金です。

タイの紙幣
タイの紙幣

タクシー乗車時には20、50、100バーツの細かい紙幣を用意しておくようにしましょう。たとえば1000バーツ紙幣しかないと、運転手がお釣りを持っていない場合に別途コンビニなどの店によって両替する……ということにもなりかねません。タクシーに乗る際は、前もって100バーツ以下の紙幣も用意しておきましょう。

バイクタクシー

バイクタクシー
バイクタクシー

オレンジ色のベストがトレードマークのバイクタクシー。日本では見慣れませんが、タイでは一般的な乗り物のひとつです。基本的には大通りは走らず、大通りから入った道を中心に走る乗り物です。接触事故などが起こることもあると聞きますが、筆者は急いでいる時や靴擦れをしてしまったときなど、時々利用しています。

駅や交差点近くには、よくバイクタクシーがたくさん集まっているエリアがあり、料金表が貼られています。料金表で値段がわかっても、必ず行き先を伝え値段を聞いてから乗車するようにしましょう。流しのバイクタクシーを捕まえる時は、タクシー同様、斜め下に手を出すと、停車してもらえます。乗り方は、通常のバイクと同じように運転手の後ろにある座席スペースにまたがります。タイ人女性はよく横座りして乗っていますが、筆者はまたがって乗っています。乗車後は、バイクの後ろについているグラブバーを握ると、発進、停止、カーブ時も安心です。

トゥクトゥク

トゥクトゥク
トゥクトゥク

3輪のトゥクトゥクは、スピードがあまり出ないので、短距離の移動に適した乗り物です。タイならではの乗り物で、夜になるとライトアップされた車体がピカピカと輝くので、タイ旅行の記念に一度は乗りたくなる人もいるでしょう。

ライトアップされたトゥクトゥク
ライトアップされたトゥクトゥク

トゥクトゥクにはエアコンがついておらず、スピードもそこまで出ないにも関わらず、タクシーと同じくらいの料金がかかります。トゥクトゥクも流しのタクシーやバイクタクシーのように最初に値段交渉してから乗車しますので、交渉結果によってはお得な場合があります。ただし、観光地などで客引きをしているトゥクトゥクは、基本的にタクシーより高い乗り物と思っておいたほうがよいでしょう。

最近はMuvMi(ムーブミー)というトゥクトゥクの配車アプリができましたが、現金払いができなかったり相乗りになったりするようで、あまり浸透していないのか、筆者は実際にはアプリで配車されたトゥクトゥクを目にしたことがありません。聞いた情報によると、アプリで呼んだトゥクトゥクが到着するまでに、流しのタクシーやトゥクトゥクが走ってくるほうが早いようですが、ぼったくりなどは起こりづらいかと思いますので興味のある方は利用を検討してみてください。

ソンテオ

ソンテオ(ソンテウ)は、オープンエアの小型の4輪トラックです。バンコク郊外の限られたエリアを走行する乗り合いのソンテオと、スーパー前や駅近くに停車していてほぼ貸し切りで乗るソンテオの2種類があります。

乗り合いのソンテオ
乗り合いのソンテオ

走行エリアが決まっているソンテオはだいたい10バーツ(約40円)以下の運賃で乗車できる、大変お得な乗り物です。停留所が決まっていますので、目的地が近づいてきたら天井などにあるブザーを押せば停車してくれます。どこで降りたらよいか分からない場合は、事前に運転手に伝えておくか、乗客の方に相談すると教えてもらえることが多いですが、運転手も乗客もタイ人の方が多いので、多少タイ語が理解できる方向けの乗り物かもしれません。

駅やスーパー前に停まっているソンテオ
駅やスーパー前に停まっているソンテオ

一方、プロムポン駅近く~トンロー駅近くや、日系フジスーパー前に停車しているソンテオは、ほぼ貸し切りでの乗車になります。乗車前に降りたい場所を告げてから乗車します。近場のソイ(通り)のみの走行で、乗車賃は30~80バーツ(約110~300円)ほどです。が、日本人在住者にはなじみのある乗り物になっています。

ちなみにバンコクでは、通りに数字がついており、「スクムウィット ソイ23(スクムウィット 23通り)」や「スクムウィット ソイ49(スクムウィット 49通り)」と呼びます。駅やスーパーで待機しているソンテオは、基本的には奇数側の通りのみを走行するため、行き先によってはソンテオでアクセスできない場合があります。事前に運転手に確認を取りましょう。

支払方法はどちらのソンテオも同じで、下車してから運転手の助手席側の窓越しに代金を渡します。

路線バス

バンコクを走る路線バス
バンコクを走る路線バス

路線バスは、古くローカル感満載な印象を受けるものもありますが、使いこなせば便利な乗り物です。このような古いバスもまだ多いですが、最近ではきれいなエアコンバスや車内で行き先が表示されるパネルつきのバスも増えてきました。

パネルつきのバス車内
パネルつきのバス車内

路線を調べる方法はいくつかありますが、一番簡単なのはGoogle mapで調べる方法です。Google mapを起動して目的地を入力すると、ルートによって路線バスでの行き方が表示されます。筆者もいくつかのルートで路線バスを利用しますが、時々運行ルートに変更がある場合があります。短い距離ではなく、長距離で乗車する場合は、乗車時に目的地まで行くのかを運転手に確認したほうがよいので、多少タイ語ができたほうがスムーズな乗り物です。また、「ViaBus」(ヴィアバス)いうアプリで路線バスの経路や運行状況などを確認することもできます。 

バス停
バス停

タクシー同様、路線バスが来たら手を斜め下に伸ばすと停車しますので、扉が開いたら乗り込みましょう。バス停の少し手前で停車することが多いので、少し手前で待っていたほうがよいでしょう。乗車後にスタッフが代金を回収しに来ますので、行き先を告げて言われる料金を支払います。エアコンなしの場合は10バーツ(約40円)前後、エアコンありの場合は15~20バーツ(約60~80円)くらいの運賃です。タイ語で10バーツは「シップ」、15は「シップ ハー」、20は「イーシップ」です。タイ語で乗車料金を伝えられた際の参考にしてみてください。

日本と同じように、乗車する人がいないバスの停留所では停車しません。自分が降りたい停留所が近づいてきたら、事前に車内のブザーを押しましょう。

ロットゥー

ロットゥーという中距離~長距離走行用の乗り合いバンもあります。少し遠出するときなど、比較的安く移動するのにぴったりな乗り物ですが、ワゴン車やミニバンのような大きさで、車内スペースがそれほど広くないので、荷物が多い方や体が大きい方には不向きかもしれません。

ロットゥー
ロットゥー

ロットゥーは、出発時間が決まっていることもありますが、基本的に人が集まれば発車するというスタイルです。観光客の方にも有名なパタヤー、ラヨーン方面へは、BTSエカマイ駅から徒歩4分のバンコク東バスターミナル(エカマイ・バスターミナル)から行くことができます。料金の面でも、タクシーの10分の1ぐらいの料金で行くことができるのでお得な乗り物といえます。ロットゥーは、運転手に相談すれば追加料金なくホテル前で降ろしてもらえることもあるなど、ほかの乗り物に比べて柔軟な対応をしてくれる乗り物でもあります。

運河ボート

運河ボートの案内版
運河ボートの案内版

多くの方にとって新鮮なのが運河ボートです。バンコクには運河が多くありますので、エリアによっては運河ボートで移動したほうがよい場合があります。中でも、セーンセープ運河の水上ボートでの移動は、滞在場所にもよりますが慣れれば大変便利です。

アソーク船着場の様子
アソーク船着場の様子

たとえば、繁華街のアソークエリアからファッションビルとして有名なプラティナム・ファッションモールへ行きたい場合、電車やタクシーを使うと時間帯によってはバンコクの有名な渋滞に巻き込まれてしまいます。しかし、BTSアソーク駅から徒歩19分、MRTペッチャブリー駅から徒歩1分の所にあるアソーク船着場からセーンセープ運河のボートで向かえば、渋滞なしで移動することができるのです。

センセーブ運河とボート
センセーブ運河とボート

また、プラトゥーナーム船着場で乗り換えが必要になりますが、寺院のワット・サケットやワット・ラーチャナッダーラーム・ウォラウィハーン、最近話題のマムアンカフェのあるパーンファー・リーラート船着場まで13バーツ(約50円)でアクセスできます。バンコクの定番以外の観光スポットへ足を延ばしてみたい方にはとても便利です。

ボートに乗り込む人々
ボートに乗り込む人々

船着場では、方向を間違えないように、短い停泊時間にささっと乗船することが大切です。東方向か西方向かは、太陽の位置を見て乗れば問題ありませんが、太陽が見えない時など、乗車時に近くにいる人に聞けば大抵教えてもらえます。

センセーブ運河ボートの乗車券
センセーブ運河ボートの乗車券

乗車すると、料金を回収するスタッフが来ますので、行き先を告げて乗車券を購入しましょう。乗り換えが必要な場合でも、目的地までの乗車券を一気に買うことができるので、次のボートでその乗車券を見せれば追加料金なしで行けます。

チャオプラヤー・エクスプレス・ボート

チャオプラヤー川を運行するボート
チャオプラヤー川を運行するボート

チャオプラヤー川を運行するチャオプラヤー・エクスプレス・ボートは、BTSサパーン・タークシン駅からワット・ポーやワット・アルンなど有名観光地へ行くのに便利な乗り物です。現在、MRTが延伸し、行き先によってはバンコク中心部から電車でアクセスしたほうが便利ですが、チャオプラヤー川沿いにはたくさんの寺院があり、ボートに乗って風をあびながら観光地巡りをするのも風情があって楽しいです。運賃は30バーツ(約110円)程度です。チャオプラヤー・エクスプレス・ボートは、船着き場近くにチケットを購入する場所があるので、事前に購入してから乗船します。

最後に

プロムポン駅近くを走るBTS
プロムポン駅近くを走るBTS

以上、バンコクで使われている乗り物を紹介しました。バンコクにはたくさんの移動手段がありますが、日本と同じような交通手段もあれば、タイならではのものもあります。ご自身が安心できる移動方法でスムーズに移動できるのが一番ですが、バンコク旅行の記念に、トゥクトゥクやチャオプラヤー川のボートなど、日本ではなかなか乗れない乗り物に挑戦してみてはいかがでしょうか。こちらの記事を参考に、ぜひバンコク観光をおおいに楽しんでください。

監修:地球の歩き方

※記事内の料金は、1バーツ:約3.8円を参考に計算しています。

筆者

タイ特派員

Taeko

2011年10月から、夫の転勤で、タイのバンコク在住。

【記載内容について】

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