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今年イギリスで開催されたラグビーのワールド・カップでは、日本チームの健闘ぶりが現地でも話題となりました。特に初戦で破った南アは優勝経験もある強豪ですから大金星。今後の日本ラグビー・チームは益々の活躍を期待されていると思います。
そんなラグビーというスポーツが誕生したのは、今から200年近く昔のこと。パブリック・スクールの名門ラグビー・スクールの一生徒ウィリアム・ウエブ・エリスが、フットボールの試合中にルール違反をしてボールを持ったまま走り出したのが始まりです。
この学校では年間を通して見学ツアーを催しているので、ラグビーの歴史に興味のある人にはお勧めです。
場所はウォリック州ラグビー。ロンドンから急行列車で一時間、快速でも一時間半でラグビー駅に到着します。そこからは徒歩で約20分、または駅前に並ぶタクシーならば数分という距離。
スクール・ショップが見学ツアーの受付も兼ねていて、案内ガイドさんや他の参加者と合流します。ツアー所要時間は大体1時間半くらい。ではガイドさんの説明を聞きながら、まずはラグビー・スクール博物館に入りましょう。
同校の創設は1567年にまで遡り、輩出した歴代の政治家や文化人も沢山。「不思議の国のアリス」で有名な作家・数学者のルイス・キャロル(本名チャールズ・ドジソン)も、ここを卒業してからオックスフォード大学へ進みました。
これは当時の生徒たちが協議しつつ、手書きで完成させたラグビー試合のルールブック。そのルールの大枠は、今も引き継がれているんだそうです。
天井に展示されていた荷車のような物は、担架として使われていました。プレイヤーの負傷が大いにあり得る激しいスポーツというのは、発祥当時からの特徴なのですね。
もともと校内に幾つもあるハウス(宿舎)別にチーム編成されていたのですが、その頃はチームを識別するユニフォームなどありませんでした。でも1839年に学校を訪問したアデレード王妃の前で試合をする際に、陛下にも2チームが識別できるよう、チーム・カラー別の帽子という物が考案されたのです。
今ではすっきり整備された美しいコンディションのフィールド。でも当初は羊たちの放牧地も兼ねていたためその糞なども地面にあり、泥だけでなくドロンコになって匂いも凄かったと云います。ちょっとした群衆のような大人数でボールを追っていた19世紀の絵画といい、かなりワイルドな光景だった事でしょう。
ラグビー校は基本的にイギリス国教会に属していますが、現代のニーズに合わせて他の宗教をもつ生徒も入学できます。
現存する校舎の中で最も古い建物は、19世紀の弁護士かつ作家トーマス・ヒューズが著した自叙伝小説「トム・ブラウンの学校生活」で克明に描写されています。
ツアー終了後はスクール・ショップでお土産を買う事が出来ますし、同じショップ内にあるお手洗いを使えたのも便利でした。
正真正銘のラグビー校章つきラガー・シャツなんて、ラグビー・ファンでなくとも記念に欲しくなっちゃうかもしれませんね!
【データ】
ラグビー・スクール(Rugby School)
住所:Barby Road, Rugby, Warwickshire CV22 5DP
URL:https://www.rugbyschool.co.uk/commercial/school-shop-and-tours/tours/
一般見学ツアー料金:£6.95(2019年9月現在)