キーワードで検索
備中の小京都と呼ばれる岡山県・高梁。美しい山々に囲まれた盆地の中央部を、清流高梁川がゆっくりと流れています。かつて、備中の中心地として栄え、藩政時代の名残をとどめた市内には、日本一高い所に現存する山城・備中松山城をはじめ、頼久寺、武家屋敷など数多くの文化遺産が点在します。また、少し足を延ばせば、赤銅色の石州瓦とベンガラ色の外観で統一された町並の吹屋ふるさと村もレトロな町として親しまれています。
「現存天守12城」の一つに数えられるのが、備中松山城です。たった12城しか残っていない、昔のままの姿を持つ天守です。12城の中では唯一の山城で、国の重要文化財に指定されており、日本三大山城にも数えられています。
ふいご峠(8合目)からは、20分のハイキングコースがあります。天然の岩盤を利用して築かれた大手門櫓跡からの石垣の景観は圧巻です。新緑や紅葉など折々の自然の魅力を感じながら登城できます。この景観は、NHK大河ドラマ『真田丸』のオープニングで使用され話題になりました。
備中松山城が雲海に浮かぶ姿を見学するには、「備中松山城展望台」からがおすすめです。駅から車で約20分で、展望台に到着します。9月~4月の晴れた日、早朝6時~8時ごろが見ごろです。10月、11月は雲海が発生しやすく、特に見学に適しています。
■備中松山城
・住所: 〒716-0004 岡山県高梁市内山下1
・URL: http://takahasikanko.or.jp/modules/spot/index.php?content_id=1
標高550mの山間に忽然と現れる町並は、銅とベンガラの製造で繁栄した吹屋ふるさと村です。全国でも8番目に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。旧片山家住宅(国重文)や旧吹屋小学校を見学すると当時の繁栄が偲ばれます。
広兼邸は銅山経営とローハ(ベンガラの原料)製造を営み巨大な富を得て、江戸時代に築かれた屋敷です。その石垣は城郭と見まがうはかりで、映画『八つ墓村』のロケ地としても知られています。
歴史とアートの入口、江戸時代に高品質なローハベンガラによって財を成した豪農商西江家の邸宅です。310年経た歴史的建造物では郷蔵、簡易白洲、駅馬舎、手習い場という天領地における自主的行政機構を残します。活きた文化財(Living Heritage)として、現代作家によるベンガラアート作品(陶磁器・硝子・染色・漆器・現代アート)を特別展示しています。稲荷坂を上ると緑の要塞を背に、晴れの国岡山の青い空、赤い石州瓦の甍が目に飛び込みます。
■吹屋ふるさと村
・住所: 〒719-2341 岡山県高梁市成羽町吹屋838-2
・URL: https://sites.google.com/site/fukiyakankou/home
■西江邸
・住所: 〒719-2343 岡山県高梁市 成羽町坂本1604
・URL: http://www.nishie-residence.com/union/
プロが選ぶ旅館100選、2016「日本の小宿・選考審査委員特別賞」を受賞した【WaRa倶楽無】。ダイニングはシアトルで買い付けたキッチンストーブがあり、穀物と季節の野菜と、重ね煮料理、ココロも身体も温まる夕食を堪能できます。
磁気活性水の柔らかな水、マイナスイオンを出す十和田石の壁、焼き締め種子島焼の陶板タイル、温泉以上の効果がありそうな自慢のお風呂です。
健康と環境が調和したジャパニーズオーガニックライフを表現する建物です。純・琉球畳を敷き詰めた和室、栗の一枚板を使った洋室では、天井には麻をふんだんに縫い込んだ天然素材の壁紙を使用しています。
■WaRa倶楽無
・住所: 〒716-0212 岡山県高梁市川上町下大竹2083
・URL: http://wara.jp/waraclub/index/
雲海に浮かぶ姿が話題を呼ぶ天空の山城「備中松山城」、ベンガラの赤銅色に彩られたノスタルジックな町並「吹屋ふるさと村」のほか、頼久寺庭園や石火矢町ふるさと村など見どころが沢山ある高梁市。ふるさとの香りがするこの町へ、出かけてみませんか。
※本記事は、「日本の歩き方」内、「おでかけガイド」に2016年2月8日に掲載されたものです。