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小江戸「川越」の風情を楽しみ、地酒、地ビールに酔いしれ、名物さつまいも料理に舌鼓。埼玉県は、関東随一の酒処でもあることをご存知でしょうか。利根川と荒川の二つの河川が横断し、豊かな土壌が美味しい酒と作物を育てます。名水にふれるゆったり癒しの旅は、女性同士にもおススメです。
名水のふるさとでは、二つの河川の伏流水を仕込み水に使用することで、まろやかで口当たりのよい酒ができます。いま、埼玉県内に35の造り酒屋がありますが、どこも特徴を生かした酒作りを行っています。特に、川越観光に来たら味わいたいのが、「小江戸鏡山酒造(こえどかがみやましゅぞう)」の地酒です。
大吟醸は、平成25年全国新酒鑑評会で金賞受賞というお墨付き。蔵の生産稼働期間は、8月の一か月を除く9月~7月とほぼ1年中なのも小規模経営だからこそ。徹底したきめ細やかな管理が行き届いています。
かつて、城下町で栄えた川越は「蔵の町」でもあり、年間600万人の観光客が訪れます。しかし、時代の流れで酒蔵が2000年に途絶え、そこから有志が立ち上がり「小江戸鏡山酒造」を再建したのが7年後。若い杜氏は、エネルギーに満ちた感覚と技がひかります。これからも時代に求められる様々な食事にあう日本酒を造り続けたいと、夢を語ります。
各鑑評会などに出品される蔵の至宝「大吟譲」は、ごく限られた製造と販売で貴重ですが、川越のいまを感じることのできる味わい。川越唯一の造り酒屋の心意気が感じられます。
■小江戸鏡山酒造株式会社(こえど かがみやましゅぞう かぶしきがいしゃ)
・住所:〒350-0065 埼玉県川越市仲町10-13
・URL: http://www.kagamiyama.jp/
地産地消が叫ばれる中、30年以上前から郷土の食材を愛し、その良さを店で提供してきた「小江戸川越 いも膳(こえどかわごえ いもぜん)」の亭主。故郷の食材、さつまいもの料理を追求し伝承する、川越を代表する店の一つです。趣のある空間が観光の疲れを癒してくれます。
いも懐石の「花」では、一人に使用されるイモの量が2キロというから驚きです。蒸し料理から椀物、いもを練り込んだそば、デザートとさつまいもが姿形をかえて登場する料理はどれも絶品で食べごたえ十分。お店は、四季の変化を感じることのできる日本庭園に囲まれ、趣向のこらした料理をゆったりと堪能できます。さつまいも料理の奥深さにときめき、ときの流れに身を任せ、豊かな気持ちで過ごせるお腹も心も満たされるお店です。 ※いも懐石 花(要予約)は、コース5000円(税抜)
■小江戸川越 いも膳 (こえどかわごえ いもぜん)
・住所:〒350-1106 埼玉県川越市小室15-1
・URL: http://www.kawagoe.com/imozen/
明治27年創業の老舗「酒蔵 文楽(ぶんらく)」、秩父の名水を使用し、地元でも長く愛され続けている造り酒屋です。
現在、女性社員が多いのも時代の流れをキャッチし、進化と変化を続けたいという精神のあらわれ。純米吟譲スパークリングPUPPYは、チャーミングな犬のラベルが女性のこころを掴み人気も上々。その他、日本酒仕込みのリキュール、お風呂で使用するお風呂酒などの新たなチャレンジを続け、伝統と革新を併せ持つ酒蔵です。
日本酒を気軽に楽しんで欲しいと、女性目線の商品開発を行い、味だけでなくスタイリッシュなデザイン、日本酒とのコラボ商品など、時代に求められる日本酒文化を発信するのも、老舗だからこそです。
併設する「文楽 東蔵」はモダンな空間で、蔵元ならではの限定日本酒と蕎麦など一品料理が味わえます。中でも、丹精込めて造られた「大吟譲」は、ここで味わうことで蔵人の思いを感じることができるかもしれません。四角形のブルーボトルデザインが目を引く商品など、スタイリッシュなデザインは女性へのお土産にも喜ばれそう。創業120年の老舗が発信する、新スタイルの日本酒の楽しみ方にも注目です。
■酒蔵 文楽
・住所:〒362-0037 埼玉県上尾市上町2-5-5
<埼玉県は関東随一の酒処>
清らかな水が育む酒と食事が癒しの時間を届けてくれる旅はいかがでしょうか。街の風情を楽しみながら地元の人との触れ合いも楽しみたい場所です。都会の喧騒から離れ、和やかなひと時が贅沢な気分にさせてくれるはず。
記事:岡本由季
※本記事は、「日本の歩き方」内、「おでかけガイド」に2015年2月1日に掲載されたものです。