キーワードで検索
目を見張るような広大な景色、歴史や美しい文化など、世界でも数少ない世界複合遺産に登録されているトルコ・カッパドキアには、観光客の心をつかんで離さない見どころがたくさんあります。限られた滞在日数で、どこを優先して訪れたらよいか悩む人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、初めてカッパドキアを訪れる人におすすめの絶景&観光スポットを5つに絞って紹介します。
1984年に世界複合遺産に登録されたカッパドキアを訪れたら、ぜひとも見学してほしい場所のひとつが「ギョレメ野外博物館(Goreme Acik Hava Muzesi)」です。ここは、かつて修道僧の教育施設があったことから、多くの教会や礼拝所が今なお残っています。岩を掘って造られた教会や聖堂、修道院など独特な施設が見受けられます。
カッパドキアには、4世紀頃から多くのキリスト教徒が住むようになりました。しかし、9世紀頃から強まったイスラム教徒の圧迫から逃れるために、岩を削った洞窟に教会や聖堂、修道院を造り、ひっそりと信仰を深めていたといわれています。
その中心となった場所がこの「ギョレメ野外博物館」があるギョレメで、一時は約400ほどの教会が密集していた時代もあったそうです。今では、その一部の教会が野外博物館として公開されており、自由に見学することができます。
洞窟の中にある教会では、かつてキリスト教徒たちが眺めてきた色彩やかなフレスコ画を見ることができます。それは、どれもこれもとても素晴らしいものばかりです。特にフレスコ画が有名な教会として、リンゴの教会、バルバラ教会、ヘビの教会、暗闇の教会、サンダルの教会などが挙げられます。
教会のフレスコ画は、その美しい保存状態を維持するため、写真撮影は禁止されています。そのため、ここではどれほど美しいフレスコ画なのか紹介できませんが、ぜひ実際に教会の中に入って、その目で確かめてみてください。
「ギョレメ野外博物館」を観光する時のポイントは時間帯です。夏は炎天下での観光になりますので、早朝に訪れるのがおすすめです。冬は暖かい昼間がよいでしょう。「ギョレメ野外博物館」は、ギョレメの中心地から徒歩約20分の所にあります。入場料は30トルコリラです。
カッパドキアにある地下都市も、ぜひ観に行って欲しい場所のひとつです。現在、カッパドキアでは、37ヵ所の地下都市が発見されています。しかし、実際には50ヵ所あるのではないかともいわれています。
人目につかない地下都市の住居は、初期キリスト教の時代には迫害から逃れるための避難所となっていました。また、キリスト教が認められてからも、俗世間を避けて信仰を深めたい熱心な信者たちにとって最適な場所となっていたようです。さらにその後は、イス ラム教徒であったアラブ人たちの攻撃から身を守るための隠れ家としても役立ったといわれています。
地下都市の中には、学校や教会、キッチンやワイン庫、寝室、家畜小屋などが造られていました。まさに、そのまま人々の暮らしが地下だけで成り立ってしまうくらいに、さまざまな空間が複雑に入り組んで並んでいます。
カッパドキアの地下都市は、すべてエルジェス山とハサン山のふたつの火山の噴火によってできた火山灰地に造られているため、その岩は柔らかく、人の手で掘るのも難しくなかったと考えられています。だからこそ、アリの巣のような地下都市を造ることができたのでしょう。
数ある地下都市のなかでも、一番大きな地下都市として知られているのが、「デリンクユ地下都市(Derinkuyu Yeralti Sehri)」です。発見されている地下都市のなかではもっとも深い85メートルまで広がっており、地下8階の構造になっています。現在、すべての発掘は終了しておらず、実際には地下18階から20階くらいまで造られているのではないかと考えられています。
かつて地下都市には10,000人もの人々が暮らしていたと推測されています。その規模を考えると、昔の人の知恵とエネルギ ーに驚かされます。いまだに多くの謎を残すカッパドキアの地下都市。ぜひみなさんの想像力をはたらかせながら、秘密の世界を探検してみてください。入場料は30トルコリラです。
ギョレメとアヴァノスを結ぶ道をゼルべ方面に曲がると「パシャバー地区(Pasabag)」があります。「パシャバー地区」は、世界的には妖精の煙突やきのこ岩とも呼ばれていますが、地元では修道士の谷(Monks Valley)と呼ばれています。
「パシャバー地区」が修道士の谷と呼ばれている理由は、かつてここが修道士である聖シメオンが隠れ住んでいた場所だったからです。彼が世間から離れ、ひっそりと孤独に暮らしていた修道院が今も残されています。ぜひ岩の中に入って、彼が眺めていたのと同じ景色を観てみてください。
聖シメオンは、はじめ高さ2メートルの場所に住処を掘ったそうですが、その後さらに上の15メートルの高さの場所に移り住んだそうです。それからは、弟子たちが持ってきた食べ物を食べるときだけしか降りてこなかったようです。
そこまでして世間から離れて暮らしていた彼の気持ちを思うと複雑です。不思議な奇岩群の景色と共に、当時の彼の気持にも思いを馳せてみてください。「パシャバー地区」へ行くには、ギョレメからアヴァノス行きのバスに乗るか、または現地発着ツアーに参加するとよいです。
カッパドキアを訪れたら、奇岩群に沈んでいくとても美しい夕陽を観ることができます。カッパドキアには、サンセットポイントとして有名な場所がいくつもありますが、そのなかでもおすすめなのが、こちらのクズルチュクル渓谷(Kizilcukur)です。
クズルチュクル渓谷では、燃えるように沈んでいく真っ赤な夕陽とその夕陽によって奇岩群がどんどん赤く染まっていく様子を観ることができます。まるで真っ赤なバラが咲き乱れていような光景から、ローズバレー(Rose Valley)とも呼ばれています。
たとえ画像加工をしたとしても再現できないほど、肉眼ではもっと真っ赤な夕陽に映ります。この画像では、その色を全く表現しきれていませんが、ぜひ実際にその目で観てみてください。クズルチュクル渓谷にはカフェなどもありますので、ワインやチャイを片手に夕陽を観賞するのもおすすめです。
クズルチュクル渓谷は、ギョレメの中心地からとても離れていますので、自動車で行くことをおすすめします。タクシーをチャーターするか、またはジープサファリツアーのようなクズルチュクル渓谷観光付きのオプショナルツアーに参加するのもよいでしょう。ぜひ大切な人と訪れてみてください。クズルチュクル渓谷への入場料は、2トルコリラです。
「ギョレメ・サンセットポイント(Goreme sunset Point)」は、地球の自然と現代の文明が生み出した世界屈指の夜景スポットです。せっかくカッパドキアを訪れたのに、この景色を観ないで帰るのはとてももったいないです。
「ギョレメ・サンセットポイント」は、その名のとおり、観光の中心地ギョレメにあります。誰もが簡単にアクセスできる絶景スポットですから、この記事を読んだからにはぜひととも訪れてみてください。
サンセットポイントという名前が付いているだけあって、サンセットももちろん観ることができます。しかし、「ギョレメ・サンセットポイント」では、ぜひ夜景を観てほしいのです。自然が造った奇岩群とホテルやレストラン、おみやげ屋のイルミネーションとのコラボレーションは、まるで映画の世界に迷い込んだかのようです。
ここにもカフェが林立していますので、チャイを片手に夜景観賞なんていかがでしょうか。ディナーの後、散歩がてらに来るとちょうどよいかもしれません。入場無料です。
いかがでしたか。見どころの多いトルコ・カッパドキアで、観光スポットを5つに絞るのはかなり難しい作業でした。少なくともここで紹介した観光スポットさえ押さえておけば、きっと大満足な旅になることでしょう。ぜひ旅のプランの参考にしてみてください。