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昔ながらの情緒が残る下町の谷中・根津・千駄木。谷根千(やねせん)として親しまれ、今ではぶらぶら散策する人気スポットになっています。不忍通りから1本中に入ると、雑貨屋さん、お花屋さんなどが軒を連ね、どこか懐かしい昭和の雰囲気が伝わってきます。今回は、根津の観音通り商店街から谷中の三浦坂をのぼりながら、地元で人気のスポット、シンボル、外国人も関心の高い場所などを紹介します。
三浦坂を上り切ると、目の前に大きな木が見えてきます。谷中のシンボルであり、地元で愛され続けている「ヒマラヤスギ」。谷中1丁目にある三叉路の一角にあり、映画やドラマのロケ地としても知られています。戦前、現在のみかどパンの店主の祖父が植木鉢で育てていたものが、今では幹回り約3m、高さ約20mまで成長しました。樹齢は80~90年ほど。
最近では、海外のガイドブックでこの一帯が紹介されたこともあり、外国人観光客の姿もよく目にします。
■ヒマラヤスギ
・住所:〒110-0001 東京都台東区谷中1丁目6-15
ヒマラヤスギの隣には、お寺のような門構えのユニークな建物があります。アメリカのワシントン出身の日本画家アラン・ウエストさんのアトリエ&ギャラリー。
屏風絵などの作品が展示され、ガラス張りのアトリエでは、日本画の技法や絵を製作する様子を気軽に楽しむことができます。日本の伝統的な絵画表現を守りながらも、自然の力強さを感じる独創性に富んだ作品が印象的です。
■繪処アラン・ウエスト
・住所:〒110-0001 東京都台東区谷中1丁目6-17
・URL: http://www.allanwest.jp/index.html
三浦坂を上がっていくと、大名時計博物館があります。陶芸家だった上口愚朗(かみぐち・ぐろう)さんが収集した大名時計が展示されています。江戸時代に大名お抱えの時計師たちが製作したものがずらり。
掛時計、櫓(やぐら)時計をはじめ、台時計、枕時計、印籠時計、御籠時計、置時計などさまざま時計が展示されていて、江戸時代にタイムスリップしたような空間が広がっています。
■大名時計博物館
・住所:〒110-0001 東京都台東区谷中2丁目1-27
・URL: https://t-navi.city.taito.lg.jp/spot/tabid90.html?pdid1=335
地元で人気の仕出し屋さん「一二三(ひふみ)」。日替わり弁当は開店してまもなく売り切れるほどの人気です。
3種類のお弁当か、定番のおかずに加えて10品のおかずから2品を選ぶことができるお弁当があります。たくさんのおかずが楽しめてボリュームもたっぷり。近くの公園でおいしくいただくのも散策の楽しいところです。
■一二三(ひふみ)
・住所:〒113-0031 東京都文京区根津2丁目25-6
かわいらしいカフェもいくつかあります。観音通り商店街の一角には、本屋とギャラリーを兼ねた「りんごや」があります。一番人気は手づくりのホットケーキ。
店内には、週替わりで個展などの作品展が開かれています。作家さんの作品を眺めながら、芸術や文化にも触れることができます。散策途中でちょっとひと休みというのもいいですね。
■りんごや
・住所:〒113-0031 東京都文京区根津2丁目22-7
・URL: http://ringoya-galerie.com/
秋田県出身の初代が開いた「秋田屋」は、都内では珍しい味噌専門店。店内は昔ながらの土間のある空間が広がっています。みその種類も豊富。みちのく味噌、赤こし味噌、赤だし味噌、白みその甘口、辛口があり、しょうゆ、塩こうじなどもあります。
■味噌商 秋田屋
・住所:〒113-0031 東京都文京区根津2丁目23-7
<マップ片手に探検気分で散策>
「ちょっとお天気の良い日にぶらっとしてみたい」という時に、マップを片手に探検気分で楽しめる谷根千(やねせん)。生活感あふれる下町が垣間見れるだけでなく、作家の作品を楽しめるギャラリーカフェがあったり、世界で活躍する作家のアトリエがあったり、地元で愛される大きな木があったりと、自然や文化、芸術を存分に楽しめるスポットです。
記事:コウイチロー
※本記事は、「日本の歩き方」内、「おでかけガイド」に2015年7月3日に掲載されたものです。