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いよいよ紅葉のシーズンの始まりです。今回は、京都の紅葉のおすすめスポット「嵐山」を紹介します。さて、嵐山とは何処をさして嵐山なのかと問われることがあります。嵐山とは、一般に渡月橋を中心としたエリアを指します。厳密な地名で言えば、渡月橋の南岸が嵐山地区、北岸は嵯峨地区となります。また、渡月橋の後方には、正式名を嵐山という山自体も存在します。今回はそんな嵐山の紅葉の楽しみ方を紹介します。
嵐山の名の由来は、諸説あります。「日本書紀」に記載された言葉がもとになっているという説や、愛宕山から吹き下ろす「愛宕おろし」によって桜や紅葉が嵐のように散っていくから嵐山と呼ばれる説などさまざまです。
そんな嵐山の2018年の紅葉の見ごろですが、報道によると次のように予想されています。11月半ばまでの気温は、ほぼ平年並の見込みだそうで、紅葉の見ごろは、ほぼ平年並で、色づき具合も並となるそうです。
ちなみに、延暦寺や神護寺の紅葉の見ごろは、11月初旬ぐらいから。嵐山、東山は11月20日前後に見ごろを迎えるといわれています。ただ、どの報道でも、その時の気候や地理的条件で多少前後することがあると伝えていますので、必ず最新情報を確認してから出かけましょう。
嵐山の春は桜。5月は新緑。6月は雨に煙る渓谷。夏は鵜飼い。秋は紅葉。そして、年の瀬は嵐山花灯路と、嵐山は一年を通して楽しめます。
なかでも、晩秋にかけて色づく、渓谷と紅葉の美しい景観は必見です。嵐山には、嵐山公園 臨川寺地区をはじめ、嵐山公園 中之島地区(中之島公園)、嵐山公園 亀山地区(亀山公園)、嵐山東公園と4つの公園がありますが、とりわけ亀山公園の紅葉には、観る者を一瞬にして虜にしてしまう美しさがあります。
亀山公園の入り口は、渡月橋から川沿いの道を上がって、屋形船の船着き場を越えた先にあります。船着き場を少し進むと、右手に亀山公園へ続く石段が現れます。
石段から亀山公園の始まりです。亀山公園は、小さな山全体が公園となっていて、遊歩道やベンチ、記念碑などが整備されています。また、一番高い所には、展望台があります(無料)。展望台からは、眼下に保津川が望め、タイミングが合うと保津川下りの船やトロッコ列車を見ることができます。
紅葉を眺めながら亀山公園を歩くと、石に彫られた百人一首の歌碑をいくつも見かけます。亀山公園は、藤原定家が百人一首を撰集した小倉山荘の「時雨亭跡」にも近い所。亀山公園には、百人一首の歌碑が49基もあります。
紅葉狩りをしながら、石に刻まれた百人一首の歌巡りをするのも楽しいです。歌碑の横には白いプレートがあり、和歌と現代語訳が記載されています。
「月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ
わが身一つの 秋にはあらねど」
現代語訳
「月を見ると、あれこれきりもなく物事が悲しく思われる。
私一人だけに訪れた秋ではないのだけれど。」
「ひさかたの 光のどけき 春の日に
静心なく 花の散るらむ」
現代語訳
「こんなに日の光がのどかに射している春の日に、なぜ桜の花は
散って行くのだろうか。」
「人はいさ 心も知らず ふるさとは
花ぞ昔の 香に にほひける」
現代語訳
「あなたの心はどうでしょうか。人の心はわからないけれど、
慣れ親しんだ土地の梅の花だけは昔とかわらない香がしています。」
百人一首の歌碑を巡りながら山頂に来ました。こちら(上の写真)が展望台からの眺めです。展望台は、嵐山観光では穴場ともいえる場所です。渓谷の中腹に見える寺院(写真中央の少し左)は、大悲閣 千光寺(だいひかく せんこうじ)です。また、保津峡を開削した角倉了以(すみのくら りょうい)が、工事中に亡くなった人々の菩提を弔うために建立した寺院も見えます。
亀山公園までの道のりは次のとおりです。
・阪急嵐山駅より徒歩約20分(1.5キロメートル)
・京福嵐山駅より徒歩約14分(1.0キロメートル)
・嵯峨嵐山駅より徒歩約20分(1.5キロメートル)
・トロッコ嵐山駅より徒歩約5分(400メートル)
なお、亀山公園の入り口(麓)より展望台までは、徒歩約30分の道のりです。
いかがでしたか。嵐山の紅葉。これから朝晩の冷え込みで、木々は日一日と色づき、晩秋には、すべての山が燃えるような紅葉景色となります。
なお、紅葉の見ごろは、今後の天候によって変動しますので、最新情報を確認して出かけましょう。