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立春が過ぎると春の気配がいたるところに立こめています。寒気を通して春の温もりが感じられる季節ですね。岡山県でもそろそろスプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれる早春の植物が咲き始めるころです。今回は、ひと足先にスプリングエフェメラルのスポットを紹介します。早春の花々の開花を愛でながら待ち遠しい春を楽しみませんか。
スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)を知っていますか。まだ、冷たい風が吹きすさぶ冬枯れの頃から花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花の総称です。直訳すると「春のはかないもの」「春の短い命」というような意味になり、「春の妖精」とも呼ばれています。
セツブンソウやカタクリが代表的な植物ですが、フクジュソウ、イチリンソウ、ニリンソウ、キクザキイチゲ、バイモ、ショウジョウバカマ、エゾエンゴサクなどもスプリング・エフェメラルの仲間になります。野山を歩くと何気なく見ている花も含まれていますね。
セツブンソウは、2月も中頃を過ぎると北の斜面に咲き始め、木々が芽吹く5月には枯れてしまい、地上から姿を消してしまいます。一年のうち地上で葉を広げているのは春先のたったの2ヵ月足らずです。
白い花のように見えるのがガクだそうです。高さ10センチメートルほどの小さな花で、セツブンソウの花言葉は「デリケート、純粋」。まさに可憐な姿は、花言葉どおりですね。
岡山県内には、数々の自生地がありますが、比較的わかりやすく、駐車場もある「河会山野草群生地」を紹介します。セツブンソウのほかにも、いろいろな花が楽しめますが、アズマイチゲは県下唯一の群生地となっています。
「幕谷カタクリ群生地」では、例年、4月中旬から下旬、セツブンソウが終わりかけるころ、スプリング・エフェメラルのなかでももっとも代表的な花、うつ向き加減に咲く姿が愛らしいカタクリが咲き始めます。一輪一輪に存在感がある紫色の可憐な花ですが、咲き始めてから枯れるまでわずか2週間足らずですから本当にはかない姿です。
通常、スプリング・エフェメラルと呼ばれる植物は、山沿いなどを歩いていて偶然目にしたり、自生地と呼ばれる場所を訪れたりしなければ出合えませんが、自宅の裏山にカタクリ園を開設しているところがあります。約50アールのエリアに遊歩道などが設置されており、カタクリの群生を見学させてもらえます。それが「山野草の平松カタクリ園」です。
「山野草の平松カタクリ園」では、セツブンソウとカタクリの両方が見られ、ほかにもアマナ、水色のヤマエンゴサク、イチリンソウなども楽しめます。
スプリング・エフェメラルと呼ばれるこれらの花は、とっても小さな花々です。撮影に夢中になりすぎて、うっかり足元の花を誤って踏まないように注意してください。もちろん、「かわいい~。欲しい~。」といって、手折って持って帰るなんて論外ですよ。
いかがでしたか。岡山県下に広がる花の群生地を紹介しました。早春の花々の開花を愛でながら待ち遠しい春を楽しみませんか。