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日本で一番北にある城下町をご存知でしょうか。本州から北海道への南の玄関口、函館市から南西へ車で約2時間のところにある北海道唯一の城下町「松前町」です。この松前町にある「松前公園」は、全国的にもサクラの名所として知られています。「松前公園」のとっておきのお花見ポイントを紹介します。
北海道松前町にある「松前公園」は、1万本ものサクラがある桜の名所。
ここには北海道への桜前線到達とサクラの開花を告げるため、町独自で定めた標準木があります。松前町は、函館市より南に位置し、松前町のサクラは文字通り北海道最南端のサクラです。
ちなみに、北海道最南端スポットは、松前町の白神岬です。
サクラ名所の「松前公園」ですが、園内に咲くサクラの種類は約250種! 北海道の春は、いろいろな花が一斉に咲き始めますが、「松前公園」では「桜見本園」と呼ばれる観覧スポットをはじめ、サクラだけでも百花繚乱です。
品種が多いため、早咲き、中咲き、遅咲きと開花時期が異なり、サクラが1ヵ月以上の長期に渡って咲き続ける点がおすすめポイントのひとつ。旅行計画を早めに立てても、見ごろを外しにくいお花見スポットといえます。
多品種のため、「松前公園」のサクラの花の色は、白から淡紅、紅、濃紅、黄緑まで色とりどりです。函館・五稜郭公園などのソメイヨシノ一色のお花見とは、違う楽しみがあります。
なかでも、紅色が鮮やかな「八重紅枝垂」は、枝振りも美しく、写真スポットとして人気を集めています。
サクラには、手書きで品種名が書かれた木札が下がっています。お気に入りのサクラを見つけたら、ぜひ、名前も確認してみましょう。ていねいにかけられた木札からは、松前町でサクラが大切に守られていることが伝わってきます。
「松前公園」の天神坂門にある「夫婦桜」。2種類のサクラが寄り添うように咲いているところから命名された名木です。
サクラの品種のひとつである八重の南殿(ナデン)を台木のソメイヨシノに接木したところ、台木も一緒に成長し、一本のサクラから2種類が育ったそう。大きく枝を広げた2種類のサクラは、圧巻のひとことに尽きます。
歴史的名所でもある「松前公園」には、寺町があり、北海道遺産になっています。そのお寺のひとつ、光善寺に咲く南殿(ナデン)は、「血脈桜(ケチミャクザクラ)」ともいわれ、推定樹齢は300年以上もあるそうです。
その昔、吉野(奈良県)から持ち込まれたこの桜には、「血脈」(けちゃみく:仏教用語)にまつわる伝説があり、その名がつきました。「血脈桜」は、松前町を代表する南殿の親木でもあります。
「松前公園」の寺町にある龍雲院の蝦夷霞桜(エゾカスミザクラ)の見ごろは、例年、ゴールデンウィークの後で、この写真(2019年3月末ごろ)ではまだ蕾です。
蝦夷霞桜は、霞桜のグループのひとつ。北海道南部や本州、四国などに分布する野生の桜で、白や淡紅色などの花の色、花の大きさなど、バリエーションが豊富です。龍雲院の蝦夷霞桜は、蕾は淡紅色、開花すると淡紅色か白色になります。
こちら(上の写真)は、観覧スポットの「桜見本園」から「新桜見本園」へ向かう途中にある桜のトンネル。左右から枝が交差するようにトンネルを作り、辺りはピンク一色に染まります!
「松前公園」では、さまざまな花が一斉に咲き出す北海道の春を象徴するような光景が見られます。こちら(上の写真)は、サクラ、チューリップ、ヒナギクの競演です。
「松前公園」の歴史的史跡・寺町界隈のサクラは、光と陰影でさらに趣き深い雰囲気になります。小京都ともいわれる松前町ですが、サクラと若葉が同時に開いているところは、北方に位置する北海道らしい風景です。
こちら(上の写真)は、松前町の5月初旬ごろです。北限は青森とされ、北海道ではほとんど見られない椿も、「松前公園」では花を咲かせます。サクラと椿の競演は見事です。
松前町の象徴ともいえる松前城天守とサクラは、「松前公園」の定番ショット。水面に映る天守と異なる色のサクラのコントラストが印象的な春の光景です。
北海道松前町のサクラは、いかがでしたか。4月下旬からサクラが咲き始める「松前公園」では、毎年「松前さくらまつり」が開催されており、2019年は4月27日(土)から5月15日(水)まで。「松前公園」まで足を伸ばして、長く楽しめるサクラ色の春を満喫しませんか。
なお、サクラの見ごろは、今後の天候によって変動しますので、最新情報を確認して出かけましょう。