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東京都には、大都会だけではなく、魅力にあふれた島々もたくさんあります。多くの島が点在する太平洋の上の東京都の島々は、見落とされがちですが、実は魅力的な観光資源であふれているのをご存知でしょうか。特に人が暮らす11の島々には、多様な風土や歴史、文化、風景、産品など個性豊かな魅力が盛りだくさん。今、そんな魅力をさらに磨き、多くの人に知ってもらおうと島の人たちが積極的に活動しているのです。それが「東京宝島事業」です。その事業の一端を披露するイベント「東京宝島ミュージアム」が六本木ミッドタウンで開催されたので、取材に行ってきました。その模様を前編、後編の二回にわたって紹介します。その前編です。
イベントでまず行われたのは、島民によるプレゼンテーションです。今回は、神津島、三宅島、大島、八丈島の四島の住民が登場しました。さまざまな専門家のアドバイスも受けながら、何度も島民同士で会議を重ねてきたそうです。それだけに単なる観光紹介にとどまらない、熱のこもったプレゼンテーションでした。
トップバッターは、神津島。島の中央に標高574mの天上山がそびえたち、神々が集ったとの神話が残るだけあって、神秘的な風景が印象的な島です。特に清らかな湧き水などの水資源に恵まれています。
秘境として知られる「千両池」や若者に人気が高いハート形の不動池などが有名です。神津島では、水がもたらす魅力を活かそうと、さまざまな取り組みを行っているそうです。
例えば、漁村体験ツアー。きれいな海の景色を楽しみながら、特産品のキンメダイ漁を楽しみ、獲れたばかりのキンメダイを自分で料理して食べられるものです。まだ企画段階とのことですが、体験してみたいツアーになりそうです。
次にプレゼンテーションが行われたのは三宅島。火山島として有名です。
この火山を五感で存分に楽しもうというのが島民メンバーからの提案です。島内25ヶ所の「ジオスポット(火山景観)」巡り、海抜0mの火口跡や巨樹巨木林の探索や海中の溶岩アーチへのダイビングなど、三宅島ならではのアクティビティが紹介されました。
延喜式内社12社を訪れたり、郷土芸能を体験しながら島民と触れ合うことができます。多くの噴火を体験し、なお島に人々が暮らし続ける理由を紐解くことに興味も引かれるのではないでしょうか。
イベント会場では、島の景観を楽しめるVRや、ここで紹介した二島を始め、11島の魅力を知れるパネルが太平洋上と同じ島の配置で展示されていました。
イベントでは、それぞれのパネルに島の音を聞けるヘッドフォンが用意されており、静かな島だからこそ響く人や自然の音も楽しめました。音から知るそれぞれの島の特徴というのも新鮮で、ますます各島へ行ってみたくなりました。
後編は、大島と八丈島のプレゼンテーションを紹介します。