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山梨県北杜市白州町にある「日向山(ひなたやま)」は、何度も訪れる方が多い魅力的な山です。山頂までの道のりは、「日向山ハイキングコース」と呼ばれ、山道には登山客を励ます道標が整備され、駐車場から約1時間30分で登ることができます。頂上近くの「雁ヶ原(がんがはら)」と呼ばれる場所に出ると、誰もが歓声をあげるほど美しい別世界。山の上に白い砂浜が広がっているのです。そこからは、間近に南アルプス連峰の甲斐駒ケ岳や八ヶ岳連峰を望むことができます。子供からシニアの方まで誰もが楽しめる「日向山」登山を紹介します。
「日向山」は、登山初心者やファミリー向けのとても人気がある山です。矢立石登山口駐車場(約10台ほど)から、1時間30分ほどで登れるというのも人気の秘訣。まずは登山道を見ていきましょう。
頂上までを10に区切り、どのくらい登ったのかがわかるように道標が置かれています。これを目安に体調と相談しながら休憩をとる方も多いようです。道に迷う心配がないのも安心ですね。山道は丸太の階段などで整備され、急な登り坂はあっても危険な個所はありません。
こちらは、頂上付近の「雁ヶ原(がんがはら)」と呼ばれる砂浜です。花崗岩が風化してできたそうです。なんとも不思議な光景で、筆者もこの空間を目の当たりにしたときには思わず歓声をあげました。
足を踏み出すと、海辺の砂浜を歩いているような感触で、夢のなかの世界にいるような錯覚に陥りました。楽しそうに砂に絵を描く子供達の姿も見られました。
頂上は、1656.6メートル。澄んだ空気の雁ヶ原からは、周囲の山々と空の青さがより際立って目にまぶしく映ります。白い砂浜とのコントラストも美しく、まるで異世界にいるようなファンタジックな空間です。
雁ヶ原の砂地には傾斜があります。撮影する場所を工夫すれば、まるで八ヶ岳よりも高い山頂に立っているような写真を撮ることもできます。甲斐駒ケ岳に至っては、この場所から間近に望む姿のすばらしさに、工夫などせずともフォトジェニックな写真が撮れること間違いなしです。
「日向山」から車で30分ほどのところに、「道の駅はくしゅう」があります。山登りのあとに、ゆっくりと休憩するにはもってこいの場所です。おもちや巻き寿司などの加工品も豊富で、北杜市で採れた新鮮な産直野菜が安価で販売されているのも魅力です。
けれど、何といっても、この「道の駅はくしゅう」の人気は、天然水です。南アルプスの湧水を水くみ場で汲むことができます。まろやかな旨みを感じられる天然水。ポリタンクやペットボトルを持った人が行列になる様子もよく見られます。
初心者向けのハイキングコースと呼ばれる「日向山」ですが、標高1656.6メートルの山です。気温も気候も変化が大きく、安全に登山するためには、それなりの装備が必要です。
足を傷めないしっかりとした靴(山靴が理想)、速乾性のある生地でできた服装(寒くなったとき用に上着も必要)、雨具上下(登山用だとなおよし)、水分補給のための水やスポーツドリンクなど、エネルギーチャージ用の飴やチョコレート。楽しい山登りは、まず準備から。お天気や体調と相談することも大切です。
山頂に広がる真っ白いビーチで青くそびえる山々を眺めれば、心も身体も解放されていくようです。これから山登りを始めたいという方、お子さんと山歩きを楽しみたいというファミリー、ウォーミングの成果を試したいというシニアの方々、初夏から秋口にかけてが絶好の山日和。ぜひ「日向山」へお出かけください。