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世界遺産・タリン歴史地区(エストニア)の聖オラフ教会(Oleviste Kirik)を紹介します。タリン歴史地区は、エストニアの首都タリンの旧市街に残る歴史的遺産です。1997年、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。市内北部にある聖オラフ教会の塔からは、城壁で囲まれた旧市街を一望できます。
聖オラフ教会(Oleviste Kirik)は、ノルウェーの聖人王を祀った教会です。落雷が尖塔を繰り返し直撃し、建物自体は3度にわたり完全に焼け落ちた過去があります。15世紀に大幅な改修が行われ、1840年にほぼ現在の形となったといいます。
聖オラフ教会の塔は、高さ124メートルにおよび、タリン歴史地区ではもっとも高い建物となっています。大幅な改修が行われた1549年から1625年までは、一時159メートルもの高さがありました。当時は世界一高い建物として、寄港する船の道標の機能を果たしていたといわれています。
現在の聖オラフ教会の塔は、124メートルの高さになってしまいました。それでも旧市街でもっとも高い場所から見渡す景色は、格別です。タリン観光の重要な観光スポットのひとつですが、11〜3月の間は塔に登ることができません。
聖オレフ教会の塔に登れるチャンスは、4〜10月のみです。シーズン内にエストニアを旅する機会があるなら、ぜひ登ってみてください。旧市街方面の写真を撮影したい場合は、光の向きと加減がよくなる午後の時間帯がベストです。
聖オラフ教会の塔には、”巨人オラフ"伝説が残っています。その伝説とは、次のとおりです。
かつて、オラフという巨人がこの地に住んでいました。巨人は、「世界一高い塔を持つ教会を作りたい」という市民たちの要望を引き受けます。
巨人は、世界一高い塔を作る報酬として大金を市民に要求しました。市民が「あまりにも高くて払えない」と拒むと、巨人は「もし塔が完成する前に自分(巨人)の名前がわかったら、報酬は1ペニーでよい」という条件を出しました。
市民たちは力を合わせて巨人の名前を探りました。ついに、巨人の妻が歌う子守歌で巨人の名前を突き止めます。塔が完成する直前、巨人の名前が市民に知れわたってしまい、巨人はショックで塔の上から落ちてしまいました。
塔の外側には、落ちて石になったオラフが横たわっているそうです。そっと手を合わせてください。
聖オラフ教会の名前にまつわる巨人の伝説を紹介しましたが、この教会の歴史を紐解くと、実際には13世紀中頃、この地に移り住んできたスカンジナビア商人に遡るともいわれています。史実的には、「オラフ」の名前はノルウェー王オラフ2世に由来するとも考えられています。
あなたなら、伝説と歴史のどちらを信じますか。どうぞ聖オラフ教会の塔から、エストニアの遠い昔に思いを馳せてみてください。どちらにしてもドラマチックな物語です。
聖オラフ教会の塔の上へ行くには、狭い石の階段を自力で登らなければなりません。そんな聖オラフ教会の塔の階段は、258段です。
石積み技術に心を奪われて上を見たり、足を踏み外しそうになって下を見たり。あちらこちらを見ているうちになんとなく途中で目が回ってしまうのは、螺旋階段だからなのか、それとも疲れからくるものなのか……。相当の体力を要するスポットです。
とはいえ、登りきってから展望エリアに出れば、あっという間に疲れは吹き飛びます。足元にちょっと注意しながら歩いて、かわいいタリンの町並みを写真に収めてください。
※教会の1階は、敬虔な信者の方が祈りのために訪れる場所です。おしゃべりをしながら中を歩いている観光客には、外に出るよう注意しているようです。塔を登り終わった後だとつい気がゆるみがちになるので気をつけましょう。
いかがでしたか。世界遺産・タリン歴史地区(エストニア)の聖オラフ教会(Oleviste Kirik)を紹介しました。オラフの伝説を確かめに、エストニア・タリンへでかけてみませんか。