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『ロード・オブ・ザ・リング』、『ホビット』を世に送り出した、原作者J.R.R.トールキンの激動の前半生が描かれる映画『トールキン 旅のはじまり』が、2019年8月30日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。本作、『トールキン 旅のはじまり』において、トールキンが青年時代を過ごし、ロケ地でもある世界的名門大学オックスフォードをメインに、トールキンの足跡を辿るロケ地を特集しました。
そのたぐいまれな博識と想像力で「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」で知られる幻想的な世界観を自ら創り出し、ファンタジー文学のジャンルを新たに切り開いた、今なお多大な影響を与える文学界の巨匠“J.R.R.トールキン”。
本作では、世界中で愛されているあの作品群の原型となった、母親を介しての物語との出会い、大きな夢を追いかけた学生時代の”仲間”との固い友情、運命の女性エディス・ブラットとの生涯をかけた恋、そしてその全てを引き裂いた第一次世界大戦の過酷な体験…といったトールキンの激動の前半生が描かれていきます。
オックスフォード大学のJ.R.R.トールキンやC・S・ルイスなどの文豪が中心メンバーとして文芸について討論していたグループ、「インクリングズ」が常連だったとされるパブ。
火曜日か木曜日のお昼時によく集まり、ビールを片手にパイプをくゆらせ、お互いに自分の書いた作品を読んで聞かせ、批評しあったといわれています。トールキンは男同士で集う倶楽部が好きで、30年をかけて「指輪物語」を執筆していく過程で、くじけそうになることも多々あった彼にとって、このような集まりで激励されるというというのは貴重な体験であったとのこと。
“鷲と子”という意味の名称のパブで、メンバー間ではThe Bird & Baby(鳥と赤ん坊)と呼ばれていたこと等が黒板に書かれています。トールキン達が座っていたのは、入り口に近いラビットルームという10人も入ればいっぱいの小部屋。壁にはトールキンの写真も飾ってあります。
1314年に創立されたオックスフォード大学は、38あるカレッジの総称。トールキンが在籍したのは、そのうちのエクセター・カレッジ。1911年10月17日に入学し、当初は古典を専攻したものの、あまり勉学を楽しむことができず、学生生活を謳歌することに集中したといいます。
中世から400年にもわたって、血気盛んな学生が騒動「タウン(一般市民)とガウン(大学生)の争い」を起こし一般市民との間で紛争が絶えなかったが、トールキンは積極的に参加し、逮捕されたこともあると言われています。また、劇中にも出てくるように、バスを盗んで走らせたという逸話もあります。4年間のうち、最初の2年は古典を、その後、当時創立して間もない英語英文科に転向し、更に2年間、言語学を専攻。学部を変えてからというもの、水を得た魚のように学ぶことを楽しく感じ、勤勉な学生となりました。
トールキンの学生時代は、図書館、研究室などで学問に励んだ後、夕食時に食堂に集合して友人達と談笑していました。トールキンは上流階級の子弟が通うバーミンガムの名門キング・エドワード校から、オックスフォード大学に入学。キング・エドワード校の同級生4人組のうち、彼とジェフリーはオックスフォード大学へ、クリストファーとロバートはケンブリッジ大学に進学しました。映画の中で学生の一人が第一次世界大戦の始まりを知らせるシーンでは、学生たちが芝生の上を歩いていますが、通常芝生の上を歩くことは禁じられています。戦争という特別な事態だったため許されたのだとのこと。
創立は、1264年。オックスフォード大学にある38のカレッジのうち最も最古。トールキンは1945〜1959年まで英語英文学の教授を務めました。オックスフォードでは、各カレッジに独自の図書館がありますが、マートン・カレッジの図書館は創立以来現在までずっと使われ続けている最古の学術図書館として、今でも学生や研究者たちに愛用されています。通路の両脇に本棚が並び、古書の匂いのする、まるで中世にタイムワープしたかのような空間。このカレッジは今上天皇の留学先としても有名です。
庭にはC.S.ルイスのような友人と一緒によく座っていたという石のテーブルがあります。ここでトールキンが「指輪物語」の一部を書いたとされていますが、ガイドによれば、恐らく実際にそこで書いたわけではなく、友人達と一緒に座り、それについて語り合っていたのだろうとのこと。とても見晴らしの良い開放的な場所。
トールキンは定年退職した際、オックスフォード大学から言語学への貢献に対して名誉文学博士号を授与されることになりますが、女王から授与されたCBE(大英帝国勲章第3位)よりも彼にとって意味のあるものだったと語っています。1914年に第一次世界大戦が勃発した時、トールキンは3年生であと1年残っていました。友人達のほとんどはすぐに軍隊に入隊しましたが、トールキンは1年後に学位を取得した後、戦地に向かいました。
その理由についてはいくつか説が。ドイツ系の移民だったので、出身国の人を殺害したくないという思いがあったということ、また、のちに生涯を共にすることとなる、愛する人エディスとの生活を保証するため孤児だったトールキンには学位が必要だったこと、そして生来の学者だったため学問の道を進まなければならないと感じていたといったことからだと言われています。
■オックスフォード大学
住所:イギリス 〒OX1 2JD オックスフォード
URL:http://www.ox.ac.uk/
イギリスにおいて、大英図書館に次ぐ2番目の規模を誇る図書館が、ボドリアン図書館。14,000点の作品、900万冊の本が保管されています。イギリスで出版されたすべての初版本があるとのこと。2階のデュークハンフリー図書館と呼ばれる閲覧室はまるで魔法の世界。当時、本は鎖に繋がれており、閲覧するために本を移動させることができず、窓からの光を利用して読むことしか出来なかったとされています。火災防止のため一切火を使うことが出来ず暖房もなかったため、冬期は寒さが問題になり、少なくとも2名の生徒が低体温症で命を落としたとも。
1760年代に鎖は廃止となり、当時の様子を再現した一角があります。この図書館は『ハリー・ポッター』シリーズ、最近では『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』、『女王陛下のお気に入り』などのロケに使われました。
ラドクリフ・カメラはボドリアン図書館の閲覧室として利用され、その2つは地下通路で繋がっています。ラドクリフ・カメラは「指輪物語」に登場するヌーメノール時代のサウロンの寺院のモデルになったともいわれています。
魔法使い、ホビット、ドラゴン、神話上の生き物たちが行き交う胸躍る世界は、いったいどんな想像力から 創り出されたのか?トールキンの知られざる少年時代と、波乱と激動の青年時代に迫る、実話を基にした本作『トールキン 旅のはじまり』。トールキンの人物像に迫るとともに、この夏、イギリス旅行を計画している方は、トールキンを巡る旅などいかがでしょうか。
■『トールキン 旅のはじまり』
2019年8月30日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
URL:http://www.foxmovies-jp.com/tolkienmovie/
監督:ドメ・カルコスキ(『トム・オブ・フィンランド』)
キャスト:ニコラス・ホルト、リリー・コリンズ、デレク・ジャコビ、トム・グリン=カーニー
全米公開:5月10日(英公開:5月3日)
原題:TOLKIEN
配給:20世紀フォックス映画
©2019 Twentieth Century Fox
今回、『トールキン 旅のはじまり』2019年8月30日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショーを記念して、この記事をご覧いただいた方の中から抽選で5組10名様を試写会にご招待!この記事の「お気に入り」をクリック、タップしてからご応募ください!
▷ご応募はこちらから。
※応募期間:2019年8月5日(月)~2019年8月15日(木)
※ご当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせて頂きます。
■試写会概要
■日時:2019年8月21日(水) 18:00開場/18:30開映
■会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11階)