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冬こそ楽しめる! 沖縄学びの親子旅行おすすめスポット ~沖縄本島南部その他編~

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2020年1月27日
公開日
2020年1月27日
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シーズンオフの時期こそ、親子でゆったり学びスポットへ!

普段の旅行を一生モノの学びの旅に。
今年夏に発行された『えらべる! できる! ぼうけん図鑑 沖縄』の著者が、親子旅行を好奇心あふれる「まなべる!トラベル」に変える、考え方やコツをお伝えしていきます。

沖縄のシーズンオフといわれる時期に、どんな天候でも必ず体験できる「施設」型学びスポットを中心にご紹介。前回の「ガンガラーの谷」に続いて、そのほかの沖縄本島南部のおすすめスポットを3つ、ご紹介します。

【1】ハブ!エイサー!鍾乳洞!奥深い「おきなわワールド」

1日中遊んで学べて、「沖縄まみれ」になれる!

沖縄県民も旅行中の親子も存分に楽しめる、沖縄本島南部を代表する施設としておすすめしたいスポット「おきなわワールド」。半野外なので夏だと暑さ対策が大変ですが、この季節はお散歩しながら気持ちよく沖縄県の歴史や文化を総合的に体感できます。

こちらの施設のすごさは、一つひとつの展示の作り込みにまったく妥協がないところです。気軽に訪れたつもりが、子供ばかりか大人もついつい本気になってエキサイトしてしまいます!

例えば……

●長~い月日をかけてつくられた沖縄県最大級の鍾乳洞「玉泉洞」

全長5km、普段一般公開されているのは約890mの、巨大な天然の鍾乳洞です。一つひとつがつららのようになっている鍾乳石は、「槍天井」「仙人坊主」などいろいろなものに見立てられ、40分ほどの徒歩での見学も、意外にあっという間に感じてしまいます。

鍾乳石の成分は沖縄ならではの「琉球石灰岩」

一つひとつの鍾乳石の真ん中に、極細ストローのような水の通り道があるそうです! ここから少しずつ、地下水が石灰岩を溶かしたものが染み出し、徐々につららのような石ができあがってくるんですって。下に落ちたつらら石も少しずつ積み重なり、上に向かって伸びるように。これは「石筍(せきじゅん)」と呼ばれ、やがて天然の「柱」へと成長するそうですよ!

育つのは3年に1mm!これでも驚異的な速さ

30万年という気の遠くなるような長い年月をかけてつくられた鍾乳洞ですが、暖かい沖縄の気候で微生物の活動が活発化し、石灰石を溶かしやすくする二酸化炭素を多く排出するため、他県よりも石の成長は段違いに速いそうです。

地下水がたまっているところには生き物が!

時々「テナガエビ」や淡水魚がいたりします。生き物好きの子も楽しめると思います!

●ハブの実験をすぐ目の前で目撃! 「ハブ博物公園」

爬虫類好きキッズが泣いて喜ぶ(?)、ハブや珍しい爬虫類を展示している施設。なかでもおすすめなのが「ハブのショー」。ただのにぎやかしではまったくなく、ハブのセンサー「ピット器官」の存在がわかる風船割り実験や、コブラの意外な弱点、ウミヘビとマングースとの「水泳大会」でそれぞれの特性がわかるなど、へえ!と驚きながら生き物たちのことを学べます。それが「エンターテインメント」として成立しているので、お子さんと一緒に爆笑してしまうかも! おまけにショーの最後は、無料で巨大なアミメニシキヘビを首に巻いて記念撮影ができるというスペシャルサービスも。インパクトある思い出づくりにぜひ。

●沖縄のお祭りカルチャーのいいところ取り! 「スーパーエイサー」

鮮やかな衣装の「琉球舞踊」から始まり、沖縄の獅子舞、本州のひょっとこ「アンガマ」、迫力のある「エイサー」が、本格的なショー形式で見られます。最後、沖縄の宴やお祭りなどで踊られる「カチャーシー」という踊りは、誰でも参加可能。テンションが一気に上がり、沖縄の宴に参加した気分に。お子さんと参加してみてはいかがでしょうか。

●古民家の並ぶ城下町で世界のシーサーを発見!「王国歴史博物館」

築100年以上の古い民家を数棟移築し、昔の沖縄の町並みを再現! これだけでも十分見応えがあるのですが、ここの一角に、沖縄で必ず見かける「シーサー」のルーツがわかる「王国歴史博物館」があります。何を隠そうシーサーの起源とは、エジプトの「スフィンクス」だったとか! ライオンの石像が、どのようにシルクロードを渡って変化して、沖縄にやってきたのかがわかり、また、本州にたどりついたら「狛犬」になっていた!など、おもしろい発見がいっぱいです。

さらに、

●亜熱帯フルーツの「実り方」まで見られる「熱帯フルーツ園」

●ハブ酒が仕込まれている様子が観察できる「南都酒造所」

●古くから愛されてきた泡立つお茶を味わえる「ブクブクー茶屋」

などでも、それぞれ貴重な学び体験ができるはずです。

【おきなわワールドを訪れる際のコツ】
☆レストランやパーラーが園内に点在しています。沖縄そばのお店や、沖縄食材をいただけるビュッフェなどもあるので、時間を効率的に使いたい場合はランチもまとめて済ませてしまうのがおすすめです。
☆事前に公式Webサイトでチケットを購入しておくと便利で、入園料もお得になります。
https://www.asoview.com/channel/tickets/VDUnVnd1xz/

■ おきなわワールド 施設情報
・開園時間: 9:00~17:00(閉園18:00)
・休園日: 年中無休
・入園料:
フリーパス券(入園券&ハブ博物公園) 大人1,700円/小人850円
入園券(玉泉洞&王国村) 大人1,300円/小人650円
ハブ博物公園券 大人650円/小人330円
※小人は4~14歳、15歳以上は大人料金
・住所: 沖縄県南城市玉城字前川1336
・TEL: 098-949-7421
・URL: https://www.gyokusendo.co.jp/okinawaworld/

【2】いろいろな沖縄を発見!「沖縄県立博物館・美術館」

雨の日でも「沖縄ならでは」のものが楽しく学べる!

沖縄の自然から生き物、地形、民俗まで、ありとあらゆる「沖縄ならでは」が発見できる博物館。館内はとても洗練されていて見やすく、子供でも興味の持てる工夫がなされています。常設展の入り口には、沖縄の海中の様子が、歩いて渡れるアクリル板の下に表現されていて、お子さんと「ウミヘビがいる!」などと盛り上がれますよ。
ほかに「やんばるの森」が表現されているジオラマもあり、沖縄の土壌が何でできているか?などがわかりやすく解説されています。

ガンガラーの谷でもご紹介した「港川人」のレプリカも!
昔の人の生活がわかる古民家が、館内に建てられています

また、歩き疲れたら併設の「カメカメキッチン」というカフェでランチやお茶もできるので、企画展とあわせてこちらで1日過ごすこともできます。

■ 沖縄県立博物館・美術館 施設情報
・開館時間:
日・火・水・木曜9:00~18:00
金・土曜9:00~20:00(入館は閉館時刻の30分前まで)
・休館日:
月(祝日・振替休日・慰霊の日は開館、その翌平日が休館)
年末(12月29日~12月31日)
・利用料金:
常設展 一般310円/高校・大学生210円/小中学生100円
※企画展・特別展は展覧会ごとに異なる
・住所: 沖縄県那覇市おもろまち3丁目1番1号
・TEL: 098-941-8200
・URL: http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/index.jsp

【3】自然、民俗の展示がぎっしり「琉球大学博物館(風樹館)」

コンパクトでも内容は超濃密!

琉球大学の農学部と工学部に挟まれたエリアに、レンガ造りの博物館があります。これが「風樹館」です。入館無料で、誰でも見学することができます。こぢんまりとした建物ながら、入り口付近には生体の「セマルハコガメ」など天然記念物の展示が。中に入るとイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ、コウモリなどの希少な生物の剥製や沖縄ならではの昆虫の標本、鉱物や化石、伝統工芸や古民具まで、圧巻の展示数です。また、今となってはとても貴重な、首里城関連の考古資料もあります。好奇心旺盛なお子さんなら、きっとハマって長時間ディープに楽しめるはずです。

興味をひく見せ方。工夫されています!
オオコウモリの剥製に触れる機会なんてめったにない!
日本最大のドングリもぜひ観察してみてください

■ 琉球大学博物館(風樹館) 詳細情報
・開館時間: 10:00~16:00
・休館日: 土・日・祝、12月28日~1月4日
※その他、臨時休館あり
・入館料: 無料
・住所: 沖縄県中頭郡西原町字千原1 琉球大学内
・TEL: 098-895-8841
・URL: http://fujukan.lib.u-ryukyu.ac.jp

県立博物館や風樹館のよいところは、土砂降りのスコールでも、何ら影響なく楽しめるところ。旅行中、ちょっと天気がかんばしくないな、というときのとっておき施設としても、ぜひおすすめしたいです。

いかがでしたか?
限られた旅行日程でも、沖縄ならではの自然や文化を濃く学び・楽しめるスポットをご紹介しました。ぜひ親子旅行プランのひとつに加えてみてくださいね。
次回は沖縄本島北・中部を舞台に、親子で好奇心いっぱいに楽しめる学びスポットをご紹介したいと思います。
どうぞお楽しみに!

文 : mananico 菊池彩子(学びと親子旅行研究家)
地球の歩き方BOOKS『~きみだけの「ナンダコレ!」に会いに行こう~ えらべる!できる!ぼうけん図鑑 沖縄』著者。「学びをもっと楽しく、カッコよく! 」をモットーに教育事業コンサルティング、学びコンテンツ企画立案を行う企画制作ユニットmananico(マナニコ)に所属。

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