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まだ見ぬギリシアの桃源郷へ。北西部のイピロス地方を知る旅(後編)

地球の歩き方ウェブ運営チーム

地球の歩き方ウェブ運営チーム

更新日
2020年7月18日
公開日
2020年7月18日
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メツォヴォ村の中心エリア

ギリシアというと、エーゲ海の青い海に浮かぶ島々、白壁の家を思い浮かべる人が多いことでしょう。けれどもそれはギリシアの魅力のまだ半分。国の北西部に広がるイピロス地方は、春にはアーモンドの木々が花を開く緑豊かな山岳地帯に石灰岩の美しい家が建つ村々、多彩なハーブの産地、そして有名なフェタチーズや美食で名高い桃源郷として知られています。後編は、山脈の中腹に沿ってカラフルな家々が建つメツォヴォ村ほか、まだ見ぬギリシアの魅力をご紹介します。

ローカルチーズで有名なメツォヴォ村

チーズの専門店チェリガス

イオアニナから、ザゴリ地区とは反対方面の東方向へ行くと、ピンドス山脈の中腹に沿ってカラフルな家々が建つメツォヴォ村に到着します。標高約1100mの高地にある観光地として人気で、ザゴリ地区とはまた違う建築物が特徴です。

修道院のあるメインスクエアを中心に通りを歩くと、目につくのは丸い大きなチーズが店頭に並ぶ店チェリガス Tseligas。
メツォヴォはメツォヴェーラという白いチーズで有名で、イオアニナの町からこの店にわざわざ買いに来る人もいるほどです。スモークされたチーズも美味。試食をさせてもらいながら、じっくりと品定めしてお気に入りを見つけましょう。

店内にはさまざまな種類のチーズが並ぶ

■チェリガス Tseligas
・住所: Central Sq. of Metsovo

栄養価の高いロバのミルクを求めて

のびのびした環境で育つファーマ・メツォヴォのロバたち

ロバのミルクは人間の母乳に成分が似ているとされ、ギリシアでは昔から栄養価の高いものとされてきました。
メツォヴォ郊外のFarma Metsovouは、ロバを300頭飼って、ミルクからさまざまな製品を作っています。ロバにストレスを与えないように自然のままに放牧する方針とのこと。目がクリンと可愛いたくさんのロバが迎えてくれます。

ファーマ・メツォヴォのオーナー、タナシス・ブイヤス氏
栄養価が非常に高いと珍重されているロバのミルク

ロバのミルクからはソープ、美容効果が高いとされるローションなどのコスメ製品、そしてパスタを作り、そこで販売もしています。連絡してからの訪問をおすすめします。

■ファーマ・メツォヴォ Farma Metsovou
・住所: Chrysovitsa 44220, Metsovo Ioannina
・URL: http://www.farmametsovou.com

ロバのミルクから作られた石鹸製品

フェタチーズの本場!

発酵に1ヵ月かけてじっくり作られるポリキスのチーズ

ギリシアといえば、神話にも登場し、世界最古のチーズと言われるフェタチーズ。イピロス地方は、羊とヤギのミルクから作られるフェタチーズの名産地でもあります。ギリシア内で最も有名なドドニ Dodoni社があるほか、大小のチーズ会社が点在します。

コクのあるフェタチーズが自慢のポリキス・ブランド

品質の高さで人気なのはポリキスPorikisブランドのチーズです。フェタチーズのほかに、塩分が絶妙なケフェログラヴィエラという固めのチーズも大変に美味! オーガニックのチーズもあり、アリスタ・マウンテン・リゾートのレストラン、「サルビア」のシェフもポリキスを絶賛。工房で直接買い求めることができるので、時間があれば足を延ばしてみてくださいね。

■ポリキス Porikis
住所: Kato Meropi, N. Ioannina, 44006

地元ではフェタチーズが食卓のお供

ポリキスチーズ工房にミルクを提供する羊とヤギたちは、良質なミルクを出すことができるようにと、オーガニックの特別な豆などの餌が与えられ、とても丁寧に扱われています。

ポリキスにミルクを提供する羊ファーム

ガストロノミークラブで伝統の美食を知る

4000年以上の歴史を持つというタヌールと呼ばれる伝統的な調理法を屋外で体験

ガストロノミーという言葉は、ギリシア語のガストロ(胃袋)とノミー(法則)という言葉が起源だとされています。イオアニナを中心とする地元の美食家たちが運営する「イピロス・ガストロノミークラブ」では、イピロス地方の郷土料理を楽しみ、守ろうという主旨で、観光客向けにもさまざまなプログラムを提供しています。
古くから伝わる伝統的な調理道具を用いて屋外料理パーティーを開いたりなど、さまざまな活動があるので、料理好きの人にはおすすめの体験です。

■イピロス・ガストロノミークラブ Epirus Gastoronomy Club
・URL: https://theodorealexiou.wixsite.com/legi
epirus.gastronomy@gmail.com

ポークと地元野菜を煮るというシンプルな料理でも、肉汁がじわっとしみて美味

まとめ

前編で紹介したザゴリ地区のコニツァ橋

ギリシャ・イピロス地方は、大変に魅力あふれる土地ながら、欧米以外にはまだそれほど知られていない、秘密の桃源郷のような場所です。そこで近年、イピロス地方や国境を接する国アルバニアそしてEUが協力して、このエリアの豊かな自然やエコロジーを意識したツーリズム、文化を発信する目的の「THEMA プロジェクト」が始まりました。

四季折々の魅力にあふれる大自然、ガストロノミーを体現する美食、そして美しい村々に一度足を踏み入れたら、きっと再訪したくなるはず。アテネからイピロスの玄関口イオアニナまでは飛行機で約1時間、または車で約4時間半。次のギリシアへの旅は、イピロスをプランに入れてみてください。

≫≫≫前編はこちら

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TEXT: Mayumi Ishii (石井真弓)
PHOTO: Androniki Christdoulou(アンドロニキ・クリストドゥロウ)

※当記事の観光関連情報は、2020年5月31日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html

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