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夏真っ盛りのウィーン市内では、地元オーストリア人よりも観光客の姿が目立つようになってきました。現在までに、オーストリアでは少なくとも一度のワクチン接種率が国民の67.35%、そして59.77%が既に必要回数のワクチン接種を完了しています。7月1日から、ウィーンでは指定の場(飲食店、身体接触のあるサービス施設、宿泊施設、レジャー施設等)にて3-Gルール「geimpft接種済み」「getestetテスト済み」「genesen回復済み」が適用されています。飲食店や上記施設の利用時には、3-Gを証明する「陰性証明書」、「接種証明書」、「抗体証明書」のいずれかを提示する義務が6歳以上に課せられています。現在は、病院等の医療施設を除いては、立体型のFFP2マスクの着用は絶対ではなくなり、以前のように不織布マスクや布マスクも許可されています。しかしながら、マスクの苦手なオーストリア人は、基本的に着用義務のある場所以外ではノーマスク。ソーシャルディスタンスを取る義務もなくなり、コロナ禍を忘れさせるほどの活気が戻るウィーンに在住の筆者が、ケルントナー通りの現在の様子をお伝えします。
去年は商店や飲食店の休業が続き、閑散としていたウィーン旧市街の目抜き通りケルントナー通りは、今夏は活気であふれています。特に夏休み期間中の現在は家族連れの観光客が目立ち、ガイドブックやカメラ、夏の風物詩であるジェラートを片手に街歩きを楽しむ姿が見られます。
ウィーンでは数ヵ月に渡るロックダウンが解除された後も、商店や飲食店、そしてサービス施設の営業時間は限られていました。現在では営業時間の制限がなくなり、夜もにぎやかな夏の再来に、ウィーンでは皆喜びを噛みしめています。
いつもの観光シーズンに比べるともちろん少ないですが、宿泊施設や飲食店を利用する人は徐々に増える傾向にあります。名物だったカフェザッハー入り口の行列はまだ見られませんが、テラス席でザッハートルテに舌鼓を打つ人の姿が少しずつ戻ってきています。ホテル及びカフェ利用時にも3-Gルールが適用されるため、証明書をお忘れなく。また、利用時には個人情報の登録が義務付けられています。多くの場合はQRコードを読み取って簡単に登録することができます。
長らく休業を強いられていたみやげ物店も徐々に再開し始め、今ではウィーン観光の思い出の品を探し求める旅行者であふれています。店内でのマスク着用義務はありますが、FFP2マスクに限られなくなったため、以前のようにユニークな柄の布マスクにお目にかかれます。
今の時期はウィーン市内のいたるところでサマーセールが開催されているため、お値打ち品を求める地元民もマスクを着けてショッピングに夢中です。
高級ブランドショップが軒を連ねるグラーベンも、とてもにぎわっています。立ち止まって写真撮影に夢中になる人、両手いっぱいに紙袋を下げて次のショップへと足を運ぶ人等、長らく見られなかった光景にコロナ収束を期待する人たちも。
ウィーン1区の旧市街が一斉ににぎわいを見せ、それと同時に観光産業も再び活性化。シュテファン広場の名物フィアカーやリキシャにも人が集まり、数年前と同じ夏の風景がコロナ禍を忘れさせます。
8月のウィーン国立歌劇場はシーズンオフとなっているためオペラの公演がありません。シートで覆われている位置にあり、コロナ禍で、去年末に30年の歴史に幕を下ろさざるを得なくなったアルカディアオペラショップは現在改修工事中。
地元民も観光客も利用頻度の多い公共交通機関内でも、FFP2マスクに限定されることがなくなりましたが、いずれかのマスクは必ず着用しなければなりません。とは言え日本と違い、マスクに不慣れなオーストリア人やヨーロッパの人々は、文字通り公共交通機関内のみマスク着用。乗車直前にマスクを着け、下車すると同時に外す人がほとんどです。
アフターコロナという新時代に向けて、ライフスタイルやビジネスモデルをいかに進化させるかという課題に、世界中が取り組まなくてはいけないこのご時世。でもとりあえず今はあまり深く考えずに、ルールを守りながら大好きな夏をいかに有意義に過ごすかがオーストリア人の課題です。
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※当記事は、2021年8月5日現在のものです
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
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◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html