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非日常が詰まったモナコは、ハネムーンにもぴったり。世界で2番目に小さい国ですが、ロマンテッィクな体験が目白押し。その裏で、地球環境の未来を考える「レスポンシブル・ラグジュアリー」の概念も浸透。カップルにおすすめの体験とともに、サステナブル・ツーリズムの取り組みも覗いてみましょう。
カップルのみならず、モナコを訪れるすべての人におすすめしたいのがモナコの夜景鑑賞です。ヨットハーバーを見下ろすこの絶景は、モナコ=ヴィル地区にある大公宮殿テラスのすぐ近く、大砲や砲弾の見本が置かれたアポテオサ・モナカから眺めたもの。手前のコンダミーヌ地区から奥のモンテカルロ地区までモナコの街並みが一望でき、日が暮れてからの景色は息を飲むほどの美しさ! モナコの夜景は安全面や観光的な取り組みが評価され、長崎市、上海と並んで世界新三大夜景(世界夜景コンベンションビューローにより2021年に認定)に数えられています。
ちなみにモナコでは、年間晴天日数が300日以上という気象条件のよさを生かし、ホテルや学校、道路脇などに「太陽光発電パネル」「太陽熱発電パネル」を設置。2021年に発表された「サステナブル・ツーリズムに関する白書」には、2025年までにモナコ国内の電力消費量の50%を再生エネルギーでカバーすることを目標に掲げています。この明かりのひとつひとつが実は、再生可能な太陽エネルギー活用によるものだと知ったら、さらに美しく見えるのではないでしょうか。
富裕層が多く訪れるモナコには、ガストロノミーなレストランが自然と多く集まり、世界最高峰の美食体験を味わうことができます。おすすめをひとつに絞るのは難しいのですが、中でも「ル・ブルー・ベイ」はぜひカップルで訪れていただきたい店。地中海の絶景を目の前にしたロマンティックなロケーション、そしてミシュラン2つ星に輝くシェフ、マルセル・ラヴァン氏による素晴らしい地中海料理がおすすめの理由ですが、この店が世界中から注目を集める訳はそれだけではありません。
レストランの入るモンテカルロ・ベイ・ホテル&リゾートには400平方メートルのエコロジーガーデンが設けられ、レストランはその畑で採れた有機野菜を使用。実はこの取り組み、スイス人女性モデルのジェシカさんとアルベール2世財団との共同プロジェクト「テラエ」と呼ばれるもので、現在ではモナコのさまざまな建物の屋上やバルコニーを野菜畑として活用し、有機野菜や果物を生産。ピクニックやお子様教室を開催したり、区画の一部をレンタルしたり、農産物をコンダミーヌ市場で販売したりと、モナコ住人たちと一緒になってこの取り組みを進めています。またモナコのレストランの多くは、「ミスター・グッドフィッシュ」というプログラムに署名。継続的に漁獲が可能な魚介類のみをオンリストし、絶滅に瀕している魚は料理で提供しない姿勢をとっています。環境先進国のモナコらしい、エシカルな美食体験をカップルでお楽しみください。
■ル・ブルー・ベイ
・URL: https://www.montecarlosbm.com/fr/restaurant-monaco/le-blue-bay
真っ赤なコンバーチブルのフェラーリ(カリフォルニアT)で、モナコや南仏コート・ダジュールを颯爽とドライブ──。そんな夢のような体験を叶えてくれるアクティビティに参加するのも、ハネムーンの素敵な思い出になることでしょう。慣れない左ハンドルでも心配無用。ツアーにはプロのインストラクターが同行してくれますし、運転に自身のない方はドライバーに運転を任せて、助手席や後部座席でリラックスして車窓を楽しむこともできます。モナコ国内のF1コースを走ったり、またフランスのキャップ・フェラやヴィルフランシュ=シュル=メール、エズ村などを巡ったり、数々の映画の舞台にもなってきたコード・ダジュールの絶景を満喫するドライブ体験。あなたが運転している様子のビデオ映像を購入することも可能です(有料)。
■フェラーリ・ドライビング・エクスペリエンス
・URL: https://livenupexperience.com/
Monacair(モナケアー)社のヘリコプターを1機貸し切って、上空からモナコやコート・ダジュールの絶景を眺めるというエクスクルーシブなプランもおすすめです。モナコのヘリポートを出発してイタリア方面に向かい、国境の町マントン付近で旋回。その後、山側のサンタニェス村やゴルビオ村を上空から眺め、モナコへ戻ってくるコースは所要時間約10分。貸し切りとはいえ費用は1機あたり€390ほどで、機内には同時に6名まで乗れるので、もし友人・家族がいたらひとりあたりわずか€65で一生忘れられない思い出を手に入れることができます。モナケール社ではこちらのコース以外にも、西はエズ村やフィルフランシュ=シュル=メール、キャップ・フェラ上空まで飛ぶ20分コース(€690)と、ニースやアンティーブ、さらにその先のカンヌまで飛ぶ30分コース(€900)、計3コ―スを朝の9時から日没まで毎日催行。8種類、30機以上を保有し、平均年数も4〜5年と最新機材が揃うのが特徴です。
■モナケアー社
・URL: https://monacair.mc/
モナコを語る上で欠かせないのがカジノ。1861年にフランス・モネガスク条約によって主権を認められたモナコですが、当時はまだ漁業しか産業のない国でした。そこでモナコはカジノ産業を中核にした観光立国へシフトチェンジ。カジノがきっかけで富裕層からの税収が増え、今のモナコの礎があるのです。そんなモナコには現在数軒のカジノがありますが、訪れたいのはやはり「カジノ・ド・モンテカルロ(通称グランカジノ)」。1863年、シャルル・ガルニエの設計で開業したモナコ最古のカジノで、広々としたフロアや煌びやかなステンドグラスなど、内部はまるで宮殿のような佇まい。午後2時からのオープン前にはツアーで内部見学だけすることも可能です。バカンスシーズンのカジノは、次から次へとVIPを乗せた高級車がエントランスに到着し、ヨーロッパの社交界を連想させます。カジノのベット(賭け金)額自体はそれほど高くなく、ルーレットやブラックジャック、スロットマシンなどおなじみのゲームが揃っているので、旅の思い出に気軽にプレイしてみてはいかがでしょうか。
■カジノ・ド・モンテカルロ
・URL: https://www.montecarlosbm.com/en/casino-monaco
DIRECTION:篠原優花
TEXT:伊澤慶一
※当記事は、2022年8月16日現在のものです
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年8月16日現在、国によってはいまだ観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。