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ユースホステルは老若男女問わずひとり旅を楽しみたい人、宿泊費をおさえて自由に旅行を楽しみたい人におすすめの選択肢だ。相部屋(男女別が基本)に世界各国の旅行者が集まるため、ツアーなどでは味わえない出会いがあるのも魅力のひとつで、卒業旅行などで使えばきっと特別な思い出になるに違いない。この記事では”ユース”のかしこい利用方法と魅力をお伝えする。
目次
ユースホステルを利用するには、会員証を発行する必要がある。元々ユースホステルはドイツで生まれ、世界80か国に4000以上の施設を有する、世界最大を誇る宿泊施設のネットワークだ。日本では国際ユースホステル連盟(Hostelling International)に加盟している日本ユースホステル協会本部が運営している。ユースホステルの会員登録方法は以下の通りだ。
ウェブからの申し込みの場合日本ユースホステル協会の公式サイトの会員証ご登録ページhttp://www.jyh.or.jp/membership/index.htmlから登録する。会員証の期限は発行から1年単位で、年齢や家族で使う、団体で使うなど、使用スタイルによって会員証の種類が違う。
会員登録には、身分証明書(健康保険証、運転免許証、学生証など)と会員登録費が必要だ。各会員証の種別は以下の通り。
会員証種別 | 該当年齢 | 新規登録会費 | 継続登録会費 |
少年パス | 満4歳~中学生 | ●1,500円 | ●1,000円 |
青年パス | 中学生修了年齢~満19歳未満 | ●1,500円 | ●1,000円 |
成人パス | 満19歳~ | ●2,500円 | ●2,000円 |
家族パス | 券面記載の代表者と続柄・年齢を問わず8名までの同行者(*1) | ●3,500円 | ●3,000円 |
団体パス | 10名以上の団体・機関の引率責任者(満18歳以上) | ●5,000円 | ●4,500円 |
終身パス | 満26歳以上、有効期限は登録の日から終身 | ●49歳まで 50,000円 ●50~59歳まで 35,000円 ●60~69歳まで 20,000円 ●70歳以上 10,000円 *2 |
1 海外で利用する場合には代表者とその配偶者および15歳以下の実子。配偶者パスは不要になりました。
2 希望者には配偶者分の終身パスを無料発行
このほかに、アウトドアブランドのモンベルとコラボしたカードがある。こちらはモンベルの会員組織であるモンベルクラブの年会費も含まれているカードで、両方の組織の特典が受けられる。モンベルでアウトドアグッズを購入する人にはお得なシステムだ。申し込みはモンベルの公式サイトからになるので、参照したい。http://club.montbell.jp/aboutcard/youth/
入会は他にもユースホステルで直接入会する方法や、郵送で入会する方法がある。詳細は日本ユースホステル協会本部のサイト http://www.jyh.or.jp/ を確認しよう。
筆者はスペインのバルセロナに旅行した際にユースホステルを利用した。(2022年現在はそのホテルは加盟していないようだが、近くに別のホテルが登録されている)バルセロナの繁華街、ランブラスストリートの至近にあるホテルで、当時で1泊2、3千円台で利用できる手軽さが魅力だった。施設にもよると思うが、同じ部屋になったのは同世代のフランス人男性、アメリカ人男性、ブラジル人女性。それぞれまったく旅の期間も出身も違う状態で、1,2泊目はあいさつ程度のやり取りしかなく、それぞれの旅を楽しんでいた。別の街に移動する最後の晩に数人でバルに飲みに行くことになり、どんな場所をこれまで旅してきたか、それぞれの国の魅力について語りあった。それは、ヨーロッパを初めて旅する当時の私には、ひと晩だけだがとても記憶に残る体験だった。
正直、安いだけのホテルなら、利用施設の数が限られるユースホステルはそこまで魅力的ではないかもしれない。(相部屋の目メンバーに恵まれなかったら他人のいびきで寝られない、なんてこともあるかもしれないし…)しかし、まったく出自も違い、同じ街の感じ方や行先が違う人々とコミュニケーションが取れるのは大きな魅力だ。将来、世界を相手に仕事をしたい、語学に興味があるような旅行者にはぜひ利用をお勧めしたい。
注意点としては、ドミトリーの相部屋、基本施錠はせず開けっ放しという特性上、ホテル気分で利用するのは危険だということ。鍵つきのセキュリティボックスのあうホステルも多く、私も一度もトラブルに見舞われたことはないが、危機意識、安全管理が必要であることを申し添えておきたい。また、筆者は男性だが、女性の場合は、男女別のホステルを選択したり、ホステルでも個室のあるホステルを選ぶなど、安全に考慮したホステル選びをしたい。