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【オーストリア、魅惑の5都市】旧市街が美しいオーストリア第二の都市、グラーツ

sponsored by オーストリア政府観光局

地球の歩き方観光マーケティング事業部

地球の歩き方観光マーケティング事業部

更新日
2022年12月28日
公開日
2022年12月28日
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「セピア色の町」、グラーツ。そう呼ばれる理由は、町を上から眺めると一目瞭然。旧市街は美しい赤瓦屋根に覆われ、ハプスブルク家の時代に建てられた王宮や大聖堂など、歴史が薫る街並みが広がります。温暖な気候で知られ、人々の気質にも明るさを感じるグラーツ。農業が盛んで、「食の都」と呼ばれるほど食材に恵まれているのも特徴です。

城、そして旧市街。世界遺産巡りが楽しい町

©︎GrazTourismus/HarrySchiffer 旧市街の中心、ハウプト広場。トラムが走るのはメインストリート、ヘレンガッセだ

グラーツとその周辺には、趣の異なる史跡が集まっています。「グラーツの旧市街とエッゲンベルク城」は、1999年に先に旧市街が世界遺産登録され、2010年になって城が拡大登録。町の中心、ハウプト広場やヘレンガッセと呼ばれる目抜き通りを歩くと、ファサードを覆うように漆喰壁やフレスコ画で装飾された美しい建物が並び、見上げすぎて首が疲れてしまうほど。ホーフガッセあたりにはフリードリヒ2世が建てた王宮(現存するのは二重らせん階段のみ)や大聖堂、皇帝フェルディナント2世が眠る霊廟マウソレウムなど、グラーツが最も華やかだった頃の歴史的遺産が残っています。

グラーツ中央駅を挟んで旧市街とは反対側に位置するエッゲンベルク城は、皇帝フェルディナント2世の重臣エッゲンベルク公が建てたお城。時間や暦の概念を重んじた設計で、門は12、部屋数を24、建物全体の窓の数を365に合わせて造られています。四角形の城の角は東西南北の方位に一致させ、四季と4つのエレメント(火、水、風、大地)を象徴。建物全体で、17世紀当時の最先端の宇宙観が表現されています。

城内には「日本の間」があり、そこの壁紙には、もともと高さ 182 ㎝、幅 480 ㎝あった『豊臣期大坂図屏風』が分解され、装飾として組み込まれています。これは豊臣時代の大坂を描いた屏風絵で、豪奢な大坂城だけではなく、町屋や神社仏閣、500人もの武士や町人が生き生きと生活する様子が色鮮やかに描かれています。歴史学においても非常に貴重なもので、大坂城は大坂夏の陣で焼失してしまいましたが、この屏風絵がエッゲンベルク城に残されていたことで、豊臣期の姿が確認でき、研究が進んだと言われています。こちらの屏風絵が縁となり、2009年に大阪城とエッゲンベルク城は姉妹城郭提携を結びました。

©︎️GrazTourismus/HansWiesenhofer 王宮の二重らせん階段。2つの階段が離れては近づくことから「仲直りの階段」とも呼ばれる
©︎GrazTourismus/HarrySchiffer 宇宙の神秘を追究して建てられたエッゲンベルク城。広い庭ではクジャクが遊ぶ
©︎UniversalmuseumJohanneum/AngeloKaunat 壁紙に組み込まれた『豊臣期大坂図屏風』。17世紀頃に当時の城主が入手した記録が残っている。

グラーツのシンボル、時計塔から市街を眺めてみよう

©︎GrazTourismus/HarrySchiffer 4面それぞれに時計を配した時計塔。夜間はライトアップされる

グラーツのシンボルといえば、標高473mの丘シュロスベルクにある時計塔です。かつてここには小さな城(スロヴェニア語で「グラデク」。グラーツの名前の由来になったとされる)が築かれていましたが、今では13世紀に完成した時計塔と鐘楼のみが残る公園になっています。時計の文字盤は直径5m以上、面白いのは普通の時計とは逆で、長針が時間を、短針が分を指している点。これは13世紀、時計塔ができた当時は長針で時間さえわかればよいというのが常識だったからだそうで、あとで短針を加えた結果、あべこべな時計となりました。

時計塔まで階段を登ると260段ありますが、ケーブルカーのシュロスベルク・バーンや、エレベーターのシュロスベルク・リフトに乗れば誰でも気軽に上ることができます。ちなみに下りの際には、トンネルをスライダーで滑り降りるシュロスベルク・ルッチェという選択肢も!高さ64m、全長175m。寝袋のようなソリに乗り、チューブ型のトンネルを約40秒で一気に降下。気になる人は、シュロスベルクから下る際に体験してみてはいかがでしょうか。

時計塔から街並みを眺めると、ムーア川沿いになまこのような、海洋生物のような、奇妙な建物を見つけることができます。これはクンストハウスというミュージアムで、夜間はライトアップされ、さらに未来的な姿に変身します。設計者のコリン・フルニエ自らが「フレンドリー・エイリアン」と呼ぶとおり、宇宙からきた巨大生物のような異色の存在です。また旧市街のハウプト広場に立つ、ドーム型の屋根と多角形の塔を備えた立派な建築物は市庁舎。毎年8月にはこの市庁舎の前でオープンテーブルのダイニングイベント「ロングテーブル・オブ・グラーツ」が開催され、大変人気のイベントとなっています(コロナ禍のため2023年は開催なし。次回は2024年に開催予定で、チケットの発売は2023年11月頃の予定)。

©︎️オーストリア政府観光局/JuliusSilver 2003年、グラーツが欧州文化首都に指定されたのを機に建設されたクンストハウス
©︎️GrazTourismus 中には現代アートや写真作品を展示。クンストハウス・カフェでは夜、お酒も楽しめる
©︎GrazTourismus/HarrySchiffer 19世紀末に建てられた、グラーツの顔ともいうべき市庁舎。クリスマス時期のプロジェクションマッピングが人気
©︎️GrazTourismus/WernerKrug 市庁舎前の広場で毎年8月に開催される「ロングテーブル・オブ・グラーツ」

世界最大級の武器庫と言われる「武器博物館」

©︎GrazTourismus/HarrySchiffer 1階から4階まで、ところ狭しと武器が並ぶ武器博物館

市庁舎の隣、州庁舎のさらに隣にあるのが武器博物館です。グラーツはかつてオスマン帝国との戦いにおける要衝で、戦闘にそなえて集められた武器が今でもそのまま残っています。武器博物館があるのは、実際に使われていた世界最大級の武器庫。それまでは市庁舎の屋根裏に格納されていましたが、1644年に横に武器庫を建築し、現存するものでは世界最大級と言われています。15~18世紀の兵器(鎧甲冑、刀剣、鉄砲、火薬など)が約32,000点収められており、その展示は圧巻。今すぐにでも出陣できるほど完璧に手入れがされており、整然と並べられている様子は誰もが圧倒されること間違いありません。当時キリスト教国の東の砦として君臨していた15世紀のグラーツの様子が鮮明に浮かぶ、大変興味深い博物館となっています。

©︎GrazTourismus/HarrySchiffer 馬用の鎧(写真左)なども展示。錆防止のため、展示物に触るのは厳禁

「食の都」グラーツで、おすすめのグルメ&おみやげは?

©︎GrazTourismus/HarrySchiffer 多くの生産者が出店するカイザー・ヨーゼフ広場のファーマーズ・マーケット

グラーツのあるシュタイヤマルク州は肥沃な土地と温暖な気候に恵まれ、「オーストリアの緑の心臓」と呼ばれるほど緑地面積が多く、農業が盛んになっています。各地で採れた農作物は州都グラーツに集められ、採れたての野菜や果物、また加工品を販売するファーマーズ・マーケットが町のいたるところで開かれています(日曜以外、毎日開催)。

特に特産品として有名なのが、炒ったカボチャの種から抽出する「パンプキンシードオイル」。オーストリアではどこの家にも必ず1本はある定番のオイルですが、シュタイヤマルク産のものは厳しい品質管理がされ、フタのところに緑と白のシュタイヤマルク州旗を模したシールが貼ってあるのが目印です。オーストリアのスーパーマーケットならどこにでも売っていて、サラダの上にフライドチキンを乗せた「バックヘンデルサラダ」の上にかけて食べると絶品です。

またシュタイヤマルクの土着品種ヴィルトバッハーから作られるロゼワイン「シルヒャー」も有名。シュタイヤマルク産のワインのみに名乗ることが許された登録名称で、発酵初期段階のためアルコール度数が低く、スルスルと飲みやすいのが特徴です。また、発酵途中で微発泡性のものを「シルヒャー・シュトゥルム」と呼び、秋の味覚としてオーストリア人に愛されています。9月下旬から、新酒が出る11月初旬までの限られた時期に、レストランやワイナリーでしか味わえない希少な飲み物です。

前述の「ロング・テーブル・オブ・グラーツ」以外にもグラーツは食のイベントがとても多いの特徴。グラーツ市観光局のイベントカレンダーには「グルメ(Culinary Events)」というカテゴリーが作られているほどです。渡航の前にこちらのカレンダーをチェックして、美食巡りをしてみてはいかがでしょうか?

©︎️GrazTourismus/WernerKrug 「黒い黄金」とも呼ばれるシュタイヤマルク産のパンプキンシードオイル
©︎GenussRegionOesterreich オイルはバックヘンデルサラダのほか、パンに付けたり、スープやバニラアイスにかける食べ方も美味
©︎︎iStock 濃いピンク色で、豊かな酸味が特徴のロゼワイン「シルヒャー」

・アクセス: ウィーンからrailjet特急で約2時間35分。

※当記事は、2022年12月2日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年12月2日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
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