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リゾート地として絶大な人気を誇るハワイ。景色や雰囲気がよいだけでなく、料理もおいしいのでレストランやカフェに行くのを楽しみに旅行する方も多いかもしれません。ハワイの料理というと、パンケーキやアサイーボウル、ロコモコ、スパムむすびなどがイメージしやすいと思いますが、ハワイ料理を語るうえではハワイアンフード(ハワイの伝統郷土料理)も欠かすことができません。ハワイアンフードは、素材本来のうま味を生かしたものが多く日本人の口にもよく合います。今回は、ハワイ在住の筆者がハワイアンフードとはどのような料理なのか、どこで食べられるのかをご案内します。
目次
現在、ハワイで食べられているハワイアンフードには、ポリネシア人がカヌーでハワイに移動した時代から受け継いでいるポイ(タロイモをすりつぶしたもの)や、日本からやってきた移民が持ち込んだ醤油を使ったポケ(マグロの漬け)などがあります。
ハワイの食材を使って、蒸したりマリネしたりといったシンプル方法で調理されるハワイアンフードは、なかなかヘルシーで滋養豊かな料理です。
ハワイ語で「ルアウ」と呼ばれる野外での宴では、地面に穴を掘って「イム」というオーブンを作り、豚を丸焼きにした「カルア料理」も振る舞われます。古代ハワイから続くルアウは、もともと、戦いの勝利や結婚式、子供の1歳の誕生日などを祝うものでした。伝統を大切にしている人は今でも、ルアウで子どもの1歳の誕生日を盛大に祝います。
ハワイアンフードはハワイでも貴重になりつつありますので、ハワイ旅行の際にはぜひハワイアンフードをお試しくださいね。それでは、筆者おすすめのハワイアンフードを7つ紹介します。
ラウラウは、ハワイアンフードを代表する料理といっても過言でないかもしれません。豚肉や鶏肉そして魚の切り身をルアウリーフで包み、香り付けと形状保持のためにさらにティーリーフやバナナの葉で包んでから蒸します。ルアウリーフは、タロイモの葉です。柔らかく、苦味のないホウレン草のような味と食感。ルアウリーフは食べられますが、外側のティーリーフやバナナの葉は食べられませんのでご注意ください。
日本人の主食がご飯であるように、古代ハワイの人々の主食はポイでした。ポイは、タロイモをすりつぶしたものです。栄養価も満腹感も高いので、赤ん坊に飲ませると夜泣きすることなくひと晩中ぐっすりと眠ると聞いたことがあります。
できたてのポイは少し甘みを感じますが、何日か経つと発酵が進み酸味が増します。甘いポイか酸っぱいポイかは個人の好みで、レストランでわざわざ「Day Old Poi(日にちの経った酸っぱいポイ)」を頼む人もいるそうです。
見た目は少しインパクトがありますが、ぜひおすすめしたいのがこのスクイッド・ルアウです。ルアウリーフとココナッツミルク、そしてイカの小さな切り身を一緒に煮込みます。草原を思わせるルアウリーフの香り、そしてココナッツミルクのほんのりとした甘味がなんともよくマッチしています。筆者は、メニューにスクイッド・ルアウを見つけると、必ず注文するほど。日本からの旅行者の皆さんにもぜひお試しいただきたいひと品です。
豚を丸ごとイム(かまど)で蒸し焼きにしたカルアピッグは、熱した石を使って地中で6時間以上ゆっくりと時間をかけて焼き上げます。低温調理なので、肉汁たっぷりの柔らかい豚肉になります。味付けはハワイアンソルトだけというシンプルな料理ですが、ポイと一緒に食べると、なおいっそうカルアピッグを楽しめます。
今では男女問わず賞味できるカルアピッグですが、昔はカプと呼ばれる禁止事項によって、1819年以前は男性しか食べられなかった料理なのです。
ロミサーモンは、基本は塩漬けにしたサーモンを小さく切ったトマトと玉ねぎに混ぜ合わせたものです。玉ねぎは甘みの多いマウイ・オニオンを使用するのがよいようです。簡単に調理できるので、家庭でも作れます。その場合は、塩漬けサーモンの代わりにスモークサーモンを使って、ハワイアンソルトを加えます。冷製サラダのようなさっぱりとした軽い料理。塩味がきいているので、ポイと一緒に食べるのがおすすめです。
さまざまな人種が集まるハワイでは、伝統料理も異文化の影響を受けています。中国発祥の春雨が使われるチキンロングライスもそのような料理のひとつです。春雨と鶏肉を生姜やニンニクと一緒にチキンブロスで煮込みます。生姜風味なので、さっぱりとしていて食べやすい料理。
ハウピアは、ココナッツミルクをふんだんに使ったプリンのようなハワイのデザート。もともとは、ココナッツミルクに凝固剤としてタシロイモを加えて作っていましたが、今はタシロイモの代わりにコーンスターチを使うことが多いようです。食感はプリンより少し固めですが、大変人気のあるデザートです。ハワイで沖縄芋と呼ばれている紫芋は、自然のほんのりとした甘みなので、甘すぎることがありません。
今のハワイでは、ハワイアンフードのレストランよりも和食レストランの方が多いという状況です。ハワイアンフードが貴重になりつつありますが、その中でも、厳選の3店をご紹介します。
ハイウエイ・インは、日系移民のセイイチ・トグチさんと妻のナンシーさんが1947年に創業しました。現在は、カカアコとワイパフに店を構えています。人気のカカアコ店は、15:00頃に行っても、お客さんがひっきりなしにやってきます。おすすめは、上記でご紹介したハワイアンフードのほぼすべてを網羅している「シグネチャー・コンボプレート」です。
ハイウエイ・イン
詳細をみるカロ・ハワイアン・フード・バイ・チャイは、タイ料理のシェフとして名高いシェフ・チャイが、「旅行者にもハワイアンフードをぜひ食べてほしい」と、ワイキキにオープンしました。ワイキキのどのホテルからも徒歩圏内です。バーもあり、おしゃれな佇まい。
100年以上前に建てられたポイ工場跡地にオープンしたワイアホレ・ポイ・ファクトリーでは、近くの畑で採れたタロイモを蒸して、すべて人の手で丁寧にすりつぶしています。ワイキキからは車で40分ほどの場所で、ノスタルジックな雰囲気が漂っています。
ハワイでハワイアンフードを楽しむなら、やはり一度はルアウを体験してみてください。夕暮れ時、屋外でハワイの風に吹かれながら、カクテルを片手に、イムで焼いた豚の丸焼きのプレゼンテーションを見たり、ハワイの文化に触れたりできます。
ワイキキでピンク色がひときわ青空に映えるホテル、ロイヤル ハワイアン ラグジュアリー コレクション リゾートでは、「アハ アイナ(食事のための集まり)」を開催。ハワイ伝統のカパ作り(樹皮で作られた布)、ポイ作り、ナ・ラワイア(釣り道具)などのアクティビティもあります。
ロイヤル ハワイアン ラグジュアリー コレクション リゾート
詳細をみる毎週金曜日の花火が有名なヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾートの「ワイキキ・スターライト・ルアウ」では、入場時にレイ(花飾り)を首にかけてもらい、フラ・カヒコ・ダンサーや3人のアクロバティック・ファイヤー・ダンサーの舞、そしてハワイ料理を楽しめます。ショーの前にはフラ・レッスンも実施。
ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾート
詳細をみるほら貝の音で始まる壮大なポリネシアンショーなら、ジャーメインズ ルアウショーです。ワイキキから車で40分ほどのカラエロアのビーチは人も少なく、古きよき時代のハワイを彷彿とさせます。伝統的なハワイ王朝時代の王族行進やカルアピッグのイムを見られますので、カメラをお忘れなく。
ハワイアンフード(ハワイの伝統郷土料理)は、ポリネシアからカヌーに乗ってやってきた古代ハワイの人々が食べていた料理です。何百年も前から続く、ハワイ産の食材を生かした素朴な料理を今も食べられるって、ロマンを感じませんか。ハワイにいらした際には、ぜひハワイアンフードをお試しください。レストランやルアウで食べるハワイアンフードもいいですし、ハワイアン・プレートランチを手にビーチでピクニックするのもおすすめです。
監修:地球の歩き方