LCCのAir Asia Xのプレミアムフラットベッドに乗ってみた
2016.1.27
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ひと昔前に比べてすっかり認知度も上がり、路線によっては国内で特別な意識もせず使えるようになったLCC。ほんの数年前までは日本発着の国際線ではそのチケット価格の安さを背景に全体の旅客数の25%以上を占めていました。しかし、コロナ禍を経て旅客数は激減。いまだ回復への道は程遠い状態です。円安や原油高、インフレなど、旅行にかかるすべての負担が増している日本人旅行者にとって、LCCの重要性はより重要になってくるはず。そこでこの記事では、LCCの歴史を振り返り、海外旅行での賢い利用の仕方、LCCのウェブサイトでチケット手配をする方法をおさらいします。
目次
LCCの正式名称はローコスト・キャリア。字のまま、格安航空会社のことですが、ノンフリル・キャリアno-frills carrier(飾り気のないの意味)などとも呼ばれています。一般的には、機内食は有料、預入荷物の重量は従量課金制など“コスト削減を徹底することで、格段に安い航空券を提供しているエアライン”のことを指しています。そのため、会社によってはLCCにカテゴライズすべきかどうか、人によって判断がわかれているエアラインもあります。
LCCが登場したのは、1960~70年代のアメリカでした。現在もアメリカで最大のLCCであるサウスウエスト航空Southwest Airlineがそれです。既存の航空会社(レガシー・キャリア)との攻防などを経て、日本に就航するようになったのは2007年のこと。そこからは撤退や別会社による吸収や、LCC同士の合併など、各社、さまざまな経緯をたどっています。(日本語版ウィキのサウスウエスト航空の項目は読み物として一読の価値があると思います。また、世界の航空関係ニュースサイトの記事も参考になります。)
どれくらい安いのかは、路線、時間帯、季節などによっても異なりますが、たとえば、東京-台北便の、それぞれの往復料金を比べてみると、レガシー・キャリアのエコノミー・クラスの正規料金が10万円程度なのに対して、LCCはその半額程度。また、割引を利用した最安価格を比較しても、やはりLCCは、レガシー・キャリアの半分程度の料金で済むことがあります。
では、安価な料金をウリにするLCCにデメリットはないのでしょうか?
LCCとレガシー・キャリアでの価格差はどのような部分で出てくるのでしょうか? そのひとつは後者で普通に受けていた無料サービスが、前者で有料になることが多いことでしょう。例えば、機内食、毛布などのメニューが有料になります。また、空港で手荷物を預ける際にも、無料で預けられる重量制限枠が最初から無かったり、あるとしても軽めで、追加料金が発生してしまうことがあります。(その課金額がバカにできない金額になることも…)
また、シートピッチが狭くて座席が多少窮屈だったり、座席モニターが搭載されていないなど、機内の設備面でも見劣りする部分があります。さらに、1日あたりの便数を増やすため、そして空港での駐機時間を節約するため、かなりタイトなフライトスケジュールが組まれており、フライト時間に遅延が生じやすいのもデメリット。そして、他社の飛行機から乗り継ぐ想定などはされていないので、フライトの締め切りは非常に厳格です。
筆者もスコットランドを旅した折に、日本からロンドンまでの飛行機が2時間以上遅れ、グラスゴー、さらにその先のアイラ島への飛行機乗り継ぎができなかったことがあります。ただ、やはり安い便(2便合わせて1万円程度)でしたので、財布へのダメージというよりかは、当日中に目的の街へたどり着けない残念さと、違う便で到着したグラスゴーでの当日の宿への不安の方が大きかったです。(結果的にグラスゴーはとてもいい街でした…)
もちろん、LCCが就航している路線でも、レガシー・キャリアを選ぶ人も多いと思います。それは料金は高くとも、レガシー・キャリアにメリットを見出しているからでしょう。それは席の広さやサービス、遅延、キャンセル時の対応が安心材料になっていると思われます。LCCは渡航先によっては都市部と遠い空港にしか飛んでいないこともありますが、レガシー・キャリアは都心に近い第一空港を利用しているケースが多いので、アクセスが便利という点もメリットに挙げられます。