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南アフリカへの渡航の際の注意点

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南アフリカといえば2010年にサッカーワールドカップが開催され、近年ではアフリカ諸国の中ではリーダー的存在になっています。近年、アジアやアフリカ、中南米の途上国を指してグローバルサウスという言葉がよく使用されていますが、今後グローバルサウスは世界経済の中で存在感を高めることから、日本企業の間でもグローバルサウス、とりわけ南アフリカへの関心が拡がっているように思います。今後、ビジネス目的で南アフリカへ渡航する日本人も増える可能性もありますが、実際同国の治安情勢はどうなっているのでしょうか。

南アフリカの治安の実情

南アフリカの治安は極めて悪いのが実状です。たとえば、現地にある日本大使館が現地政府の犯罪統計を引用した形で発表したところによれば、昨年の10月から12月だけでも、1日平均で殺人が82件、殺人未遂が76件、住宅を狙った強盗が68件、性犯罪が169件、誘拐が45件などと発生しており、日本と比較すれば大きく状況が異なります。また、昨年7月から9月に発生した誘拐事件は警察が把握しているだけでも4000件を超え、昨年から倍増したとの指摘もあります。日本人の犯罪被害も日常的に報告されており、昨年だけでも強盗や窃盗など32件の被害報告が現地日本大使館に入っています。犯罪はケープタウンやダーバン、プレトリアなど各都市で日常的に発生していますが、やはり最大都市ヨハネスブルグで最も多くあらゆる犯罪が発生しており、渡航の際には注意が必要です。ヨハネスブルグでは、特にダウンタウン地区、ヒルブロー地区、アレキサンドラ地区などで犯罪が多く横行しているようです。犯罪に遭わないためにも、そもそも犯罪多発地帯には行かない、高級品を身に付けない、むやみに夜一人で外出しない、人気のない道は避けるなどを意識づける必要があります。

大きなテロ活動は少ないが・・・

近年世界的に生じる物価高騰も犯罪増加に拍車を掛ける恐れがあります。南アフリカでは経済格差も大きな社会問題で、物価高騰によって生活必需品を買えない市民らの不満が高まっており、物価高騰の長期化によってあらゆる犯罪が増加する可能性があります。

一方、南アフリカでは大きなテロ活動は見られません。ケープタウンのアスロンを拠点とするイスラム過激派組織キブラ、西ケープ州を拠点とする過激派組織パガド、白人至上主義を提唱する右翼勢力などの過激派組織が存在していますが、近年目立った活動は行われていません。また、複数の南アフリカ国籍者がモザンビークなどイスラム過激派の活動に加わっているとする報道もあり、南アフリカ当局は国内でのテロ攻撃を警戒していますが、実際テロが起こる可能性は極めて低いと思われます。昨年10月には現地にある米国大使館がヨハネスブルグで外国権益を狙ったテロの恐れがあるして警戒アラートを発信しましたが、それ以降何も起こりませんでした。

やはり、南アフリカではテロやクーデター、抗議デモ以上に一般犯罪に注意する必要があります。現地に駐在員として派遣されている人から話を聞くと、ボディガードを雇ったり、自宅では鉄条網やエレクトリックフェンスなど侵入防止設備が必要な場合もあるとされます。

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