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この日は砂漠の中の都市であるリヤドを離れ、国内外から多くの観光客を集めるサウジ南部の高原避暑地・アブハーに移動します。
この地域はアシール(アスィール)地方に属しています。サウジアラビアは13の州に分かれており、州の長は全員王家出身者が務めています。元々多くの部族に分かれていたアラビア半島、現在のサウジアラビア王国が成立するまではこの地方を統治していた首長国がありました。現在では各州の知事はサウジ王家の出身者が務めていますが、現在でもアシール地方や、サウジアラビアの各地方では独自の文化が息づいています。
南部の高原地帯であるアブハーは前日40度超えのリヤドと打って変わって20数度と明らかに過ごしやすいです。この日は地元のガイドさんに、アブハーを案内していただきました。
リヤドでもうすうす気づいていましたが、中東の料理は全体的にとても日本人の口に合う料理が多いです。特にヤギ肉は流通量が多いのか、どの街で食べた料理もまったく臭みがなく、沖縄・名護エリアの農連で食べた、やはり臭みがなかったあのヤギ刺と同じ感動がありました。
アスィール料理は特に(辛くない)スパイスが効きつつ、塩味主体ではじめて訪れた旅行者も違和感なく食べられる優しい味でした。
※こちらのレストランは個別での利用が制限されている可能性があるので、現地ガイドの方に調べていただくのがよいと思います
40度オーバーの日もあるサウジにあって、標高2000メートルを超える場所もあるアブハーはとても涼しくて快適です。隣国、イエメンなど他の国からも多くの観光客が訪れるそうです。
高原の雰囲気を味わった後は、アブハー郊外にある郷土資料館で電気が発達する前の人々の暮らしがわかる郷土資料館を訪れました。
我々はグループで移動していたのですが、当時のスタイルで供されるアラビアンコーヒー、遊牧民だった当時の人々が使用していた道具を実演で見せてくれるなど、洗練されたリヤドの雰囲気とは違った良さを見せてくれました。
個人的に「アサシンクリード」という中東を舞台に始まったゲームのシリーズが好きなのですが、気分はゲームの登場人物です。くつろぐ際、カーペットと壁際に並んだクッションに同行者と一緒に座るという行為が、時代は違えど中東の暮らしをとても身近なものにしてくれたし、主人とゲストの関係性もプチ・ワビサビ感が漂ってきて、“同じアジアの逆サイドだな”と勝手な親近感を感じる時間でした。
町のマニアックな場所を縦横に移動したため、あっという間に夜になってしまいました。
アブハで一度訪れたいのがスーク(市場)でのショッピングです。リヤドのスークと比べて比較的安くモノが手に入るため、お土産探しにちょうど良いです。
普段のお客さんは地元の方が中心なのか、お土産屋ばかりが並んでいるわけではなく、陶器や料理用の小物などの日用品から、洋服、スパイス、ハチミツなどの食材、香水・香木類、などラインナップが雑多で見ていて飽きません。楽しくなってしまったので、服やコーヒー、サフランなど色々と購入してしまいました。(※サウジのお土産記事はこちらをご覧ください)
このアブハーの火曜市場(سوق الثلاثاء الشعبي / suq althulatha' alshaebii)が面している川沿いの道はart streetと呼ばれており、オシャレなカフェが並び、地元の方たちの憩いの場として親しまれています。道行く人を眺めていたらすぐに時間が経ってしまいました。
この日はアブハーから沿岸の都市・ジャザンへと移動します。ステイしたBlue innを後にして、まず向かうのは山岳地帯の独特の建築が残り、サウジでは“もう少しで世界遺産?”との呼び声も高いリジャール・アルマ村へ向かいます。
ここでは、前日の郷土資料館と同じく衣服や家具など、伝統的なアシール地方の文化を見ることができます。ずっと車に乗っていると飽きが来てしまいますが、ちょうどいい位置にあって、デザインもかわいく日本人にとっては目新しいものが多くいので、おススメです。(どうでも良いですが、博物館の向かいにあるHOT & COLDというカフェのコーヒーが美味しかったです)
次に訪れたのはおなじリジャール・アルマ村の特産品のハチミツを扱うお店。ここでは様々な花から取れる蜂蜜(30種以上ありました)を試食して購入することが可能です。
車は段々と高度を落としながらジーザーンへと向かいます。サウジの道は舗装されているので、快適なのですが、次に立ち寄った農場だけは違いました。
ランチで立ち寄ったのですが、ここではヤギの肉を丸ごと一頭蒸し焼きにしたワイルドな料理が出ました。
繰り返しますが、潰したてのヤギの肉は臭みもなく、とてもおいしいです。(塩の効かせ方もちょうどよい)食事体験としては、この旅一番のハイライトでした。
一般的な旅行では正直ハードルが高いかな…という印象でしたが、愛すべきサウジ人のサービス精神が面白い方向に行っちゃうとこうなるのかなというちょっとした不思議スポットでした。
帰りも崖の道で車がスタックするなどのトラブルがあり、さすがにもうアドベンチャー成分はないかな、と思ったのですが、まだ終わってはいませんでした。
サービス精神満載のガイドが近くに名所があるから行こうと近くのワジ(渓谷)に連れて行ってくれました。
車が再び動き出し、なんとかジャザンに着き街灯の明かりが溢れた時には軽く泣きそうになってしまいました。
この日はホテルの部屋につくなり、すぐ寝てしまいました…。