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【サウジアラビア取材日記DAY 3-4】サウジの高原リゾート、アブハーでアドベンチャー体験

地球の歩き方上原

地球の歩き方上原

更新日
2023年8月15日
公開日
2023年8月15日
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この日は砂漠の中の都市であるリヤドを離れ、国内外から多くの観光客を集めるサウジ南部の高原避暑地・アブハーに移動します。

アシール地方とは?サウジアラビアの13の州

この地域はアシール(アスィール)地方に属しています。サウジアラビアは13の州に分かれており、州の長は全員王家出身者が務めています。元々多くの部族に分かれていたアラビア半島、現在のサウジアラビア王国が成立するまではこの地方を統治していた首長国がありました。現在では各州の知事はサウジ王家の出身者が務めていますが、現在でもアシール地方や、サウジアラビアの各地方では独自の文化が息づいています。

カワイイ猫の壁絵。背景の模様や色使いが地方ごとにそれぞれ異なる

【Day3】周辺国からも観光客が訪れる行楽地・アブハー

南部の高原地帯であるアブハーは前日40度超えのリヤドと打って変わって20数度と明らかに過ごしやすいです。この日は地元のガイドさんに、アブハーを案内していただきました。

2000メートル近い高所にあるアブハ

アシール料理の体験、実食

食事の時に御馳走で出てくるハチミツたっぷりの甘いパン(というよりは小麦粉で作った餅に近い)を一緒に作る。バターで焼き固めて激熱の状態のパンを餅のようにこねていく
地元でとれたヤギの乳で作ったヨーグルト(クセなくおいしかったです)と、上写真で作った甘いパンにハチミツを大量に入れ、デーツを飾る
ヤギ肉や、野菜とレーズンの混ぜご飯、煮込み料理など、正直ここまで日本人の私に合う味だと思わず、少々食べ過ぎてしまいました…

リヤドでもうすうす気づいていましたが、中東の料理は全体的にとても日本人の口に合う料理が多いです。特にヤギ肉は流通量が多いのか、どの街で食べた料理もまったく臭みがなく、沖縄・名護エリアの農連で食べた、やはり臭みがなかったあのヤギ刺と同じ感動がありました。

アスィール料理は特に(辛くない)スパイスが効きつつ、塩味主体ではじめて訪れた旅行者も違和感なく食べられる優しい味でした。

アル・アサス評議会Al-AsasCouncil/مجلسالعساس

※こちらのレストランは個別での利用が制限されている可能性があるので、現地ガイドの方に調べていただくのがよいと思います

近隣国からピクニックに訪れる人も多いアブハー

男性グループや家族が絨毯を敷いてお弁当を食べているのんびりした雰囲気

40度オーバーの日もあるサウジにあって、標高2000メートルを超える場所もあるアブハーはとても涼しくて快適です。隣国、イエメンなど他の国からも多くの観光客が訪れるそうです。

持ち込まれた圧力鍋にはしゃいだ空気を感じました

小さな郷土資料館で人々の暮らしに触れる

高原の雰囲気を味わった後は、アブハー郊外にある郷土資料館で電気が発達する前の人々の暮らしがわかる郷土資料館を訪れました。

電気が来る前のこのエリアがどういう暮らしだったかがわかります
当時使っていた大量の銃や弾薬ベルトなどの展示も。ベドウィン(砂漠の民)の生活への憧れがふつふつと湧いてきます

我々はグループで移動していたのですが、当時のスタイルで供されるアラビアンコーヒー、遊牧民だった当時の人々が使用していた道具を実演で見せてくれるなど、洗練されたリヤドの雰囲気とは違った良さを見せてくれました。

個人的に「アサシンクリード」という中東を舞台に始まったゲームのシリーズが好きなのですが、気分はゲームの登場人物です。くつろぐ際、カーペットと壁際に並んだクッションに同行者と一緒に座るという行為が、時代は違えど中東の暮らしをとても身近なものにしてくれたし、主人とゲストの関係性もプチ・ワビサビ感が漂ってきて、“同じアジアの逆サイドだな”と勝手な親近感を感じる時間でした。

材料を潰し、湯を沸かす姿にアジアを感じます

GenerationsHeritageMuseumمتحفالأجيالالتراثي

チューズデイスーク(火曜市場)でお土産を物色

町のマニアックな場所を縦横に移動したため、あっという間に夜になってしまいました。

リヤドと同じで夕方くらいから皆さん外に出始めます。安心感が凄い…

アブハで一度訪れたいのがスーク(市場)でのショッピングです。リヤドのスークと比べて比較的安くモノが手に入るため、お土産探しにちょうど良いです。

家族連れが車で続々と訪れます

普段のお客さんは地元の方が中心なのか、お土産屋ばかりが並んでいるわけではなく、陶器や料理用の小物などの日用品から、洋服、スパイス、ハチミツなどの食材、香水・香木類、などラインナップが雑多で見ていて飽きません。楽しくなってしまったので、服やコーヒー、サフランなど色々と購入してしまいました。(※サウジのお土産記事はこちらをご覧ください)

このアブハーの火曜市場(سوق الثلاثاء الشعبي / suq althulatha' alshaebii)が面している川沿いの道はart streetと呼ばれており、オシャレなカフェが並び、地元の方たちの憩いの場として親しまれています。道行く人を眺めていたらすぐに時間が経ってしまいました。

公園には多くの家族連れやグループが思い思いの時間を過ごしていました

【Day4】アブハーから沿岸の都市・ジーザーンへ

リジャール・アルマー村へ

この日はアブハーから沿岸の都市・ジャザンへと移動します。ステイしたBlue innを後にして、まず向かうのは山岳地帯の独特の建築が残り、サウジでは“もう少しで世界遺産?”との呼び声も高いリジャール・アルマ村へ向かいます。

玄武岩で作られたという石造りの伝統的な建築。石造りの外側に木の囲いがあるが、ここは当時の浴室だったそう。雨が降るエリアだと人の生活も変わることを実感できる

ここでは、前日の郷土資料館と同じく衣服や家具など、伝統的なアシール地方の文化を見ることができます。ずっと車に乗っていると飽きが来てしまいますが、ちょうどいい位置にあって、デザインもかわいく日本人にとっては目新しいものが多くいので、おススメです。(どうでも良いですが、博物館の向かいにあるHOT & COLDというカフェのコーヒーが美味しかったです)

村特産のハチミツ屋でアボカド蜂蜜を買う

蜂蜜を絞るための風車(世界最大だそう)が目印

次に訪れたのはおなじリジャール・アルマ村の特産品のハチミツを扱うお店。ここでは様々な花から取れる蜂蜜(30種以上ありました)を試食して購入することが可能です。

色とりどりのハチミツが並び、すべてが試食可能。アカシアやオレンジなど我々にも馴染みのあるものから、アルファルファなんて変わり種も…。味がそれぞれ違うので、ついつい色々試食してみたくなります
アボカドのハチミツは見た目で言うと日本のソバ蜜に近かったのですが、そこまでこってりではなく爽やかな味わいだったので購入。販売は500グラムか1キロ単位

BeesTowerHoneyRefinery/كوخالعسل

農場でプチアドベンチャー

車は段々と高度を落としながらジーザーンへと向かいます。サウジの道は舗装されているので、快適なのですが、次に立ち寄った農場だけは違いました。

なぜクルマがすべてSUVだったのかが分かる瞬間。牛とすれ違ったり、崖の横でタイヤが空転したりとこの旅一番のアドベンチャーでした…
舗装路から20分ほど外れると、岩山の麓にある農場に到着

ランチで立ち寄ったのですが、ここではヤギの肉を丸ごと一頭蒸し焼きにしたワイルドな料理が出ました。

これが
こうなって
こうなります

繰り返しますが、潰したてのヤギの肉は臭みもなく、とてもおいしいです。(塩の効かせ方もちょうどよい)食事体験としては、この旅一番のハイライトでした。

一般的な旅行では正直ハードルが高いかな…という印象でしたが、愛すべきサウジ人のサービス精神が面白い方向に行っちゃうとこうなるのかなというちょっとした不思議スポットでした。

動きがワイルド過ぎる新しい農場のリーダー(話すといい人)

帰りも崖の道で車がスタックするなどのトラブルがあり、さすがにもうアドベンチャー成分はないかな、と思ったのですが、まだ終わってはいませんでした。

サービス精神満載のガイドが近くに名所があるから行こうと近くのワジ(渓谷)に連れて行ってくれました。

そろそろ日が落ちるタイミングで、谷の上からはサルがこちらを威嚇する音が響き、とても神秘的な雰囲気。地元の方ともひと通り盛り上がりここまでは良かったのですが…
ワンボックスカーが水没しスタック。この後地元の人とガイドさんと1時間ほど格闘することに…

車が再び動き出し、なんとかジャザンに着き街灯の明かりが溢れた時には軽く泣きそうになってしまいました。

この日はホテルの部屋につくなり、すぐ寝てしまいました…。

サウジアラビア取材日記DAY 1の記事はコチラ

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