キーワードで検索
ニース取材の後編では「食」に注目!おいしい地元グルメとの出合いは旅の楽しみのひとつですが、今回はレストランで食べるだけでなく、現地の先生に習って本場のニース料理を作ります。レッスンに挑戦するのはフランス親善観光大使の大野均さん。レシピを学んで自宅で再現できれば、帰国後も旅の余韻に浸れますね。日本からの旅行者も事前予約で参加できるので、新しいニース旅行の楽しみ方として参考にしてください。
地中海に面した豊かな自然に育まれた南仏は新鮮食材の宝庫。料理は素材を生かしたシンプルなものが多く、国境を接しているイタリアの食文化の影響も大きく受けています。ニースの代表的な郷土料理としては「サラダ・ニソワーズ(ニース風サラダ)」「ラタトゥイユ」「ピサラディエール(アンチョビ入りのタマネギピザ)」「ファルシ(野菜の肉詰め)」などが挙げられます。野菜やフルーツ、オリーブオイルやハーブがふんだんに使われることも特徴のひとつ。野菜不足になりがちな旅先ではありがたいヘルシーな料理が揃います。
伝統的な本物のニース料理を提供する店には、上の写真のような認証マークが与えられます。レストランだけでなく市場に並ぶ総菜屋などでも見つけられるので、お店選びの参考にこのマークを覚えておきましょう。
ニース料理を教えてくれるのは「レ・プティ・ファルシ」クッキングスタジオのローザ・ジャクソンさん。カナダでフードライターとして働いたあと、1995年にフランスに移住。当初はパリで働いていましたが、地中海料理の独特な食文化に魅せられてニースに移り住み、食の研究を重ねて、現在はローカル食材で作るニース料理をたくさんの生徒に教えています。
ローザさんの料理レッスンは市場での買い出しから始まります。待ち合わせはニースで一番大きなサレヤ市場。青果を中心にたくさんの店が並ぶなか、トマトはこの店、ズッキーニはあの店……と忙しく移動するローザさん。市場では生産者が直接販売していることが多いので、店主と会話しながら食材ごとに状態のよいものを見極めていきます。スーパーマーケットのようにひとつの店でまとめ買いするのではなく、作り手と会話しながらいろんなお店で買えるのが市場の醍醐味。旬の野菜の特徴やどういう調理に向いているかなど説明しながら歩いてくれるので、食材に関する知識がどんどん増えていきます。
サレヤ市場では食べ歩きにぴったりなおやつやドリンクも売られています。巨大なクレープにも見える「ソッカSocca」に出合ったらぜひトライしてみてください。ひよこ豆の粉でできたおやきのようなもので、ニース名物のひとつです。こちらのソッカは少し酸味のある味わいでした。
市場での買い物を終えてキッチンスタジオに戻ったら、さっそく調理開始!今回の献立はこちら。
・ラタトゥイユ(野菜のトマト煮込み)
・ピサラディエール(アンチョビ入りのタマネギピザ)
・仔羊のグリル
・ラベンダーのクレーム・ブリュレ
ラタトゥイユの作り方はいたってシンプル。ざく切りにしたトマト、さいの目に切ったナスやズッキーニ、タマネギ、パプリカなどを塩とオリーブオイルで炒めて混ぜ合わせるだけ。ただし決してひとつのフライパンでまとめて炒めてはいけません。食材ごとに別々のフライパンで炒めるのが本場流。思わず自宅のフライパンの数を思い返してくじけそうになりますが、この手間のかけ方がおいしいニース料理を作るコツなのだそう。
生のイーストを使って生地から作るピサラディエールPissaladière。生地の上にはあめ色になるまで炒めたタマネギとアンチョビがのっています。タマネギの甘みとアンチョビの塩味が相性抜群の逸品。
デザートのクレーム・ブリュレには夏の南仏らしく食用ラベンダーのお花入り。自分のブリュレは自分で炙りましょうということで取材陣もトライ。まんべんなく火を当てていくのが意外と難しい! なんとか無事完成したクレーム・ブリュレは、ラベンダーのアロマ感がほんのり香るやさしい味わいでした。
できあがった料理はワインとともに参加者みんなで試食します。「ラタトゥイユは野菜をぶち込んで煮込めばいいだけと思ってましたが、教わらなければわからない本場の作り方やコツを学べて楽しかった」と大野さん。
ローザさんの料理教室はWEBから予約可能(1クラス2~8名、1人€210)。ぜひ本場のレシピを覚えて帰ってください。
レストランには事欠かないニースですが、リゾート地らしく海辺でワイワイやりたい気分のときはプロムナード・デザングレの海側のお店へ。今回訪れた「ボッカ・マール」は、雰囲気からして南仏リゾート感満点。潮風が気持ちいいテラス席で、種類豊富な前菜をシェアするスタイル。グループ旅行にもぴったりです。
取材レポート前編では、ラグビーW杯日本対イングランド戦の舞台となるニースのスタジアムやスポーツ関連情報をお届けしています。
TEXT & PHOTO:地球の歩き方 由良暁世 Akiyo Yura
取材協力
フランス観光開発機構 Atout France www.france.fr/ja
プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局 Provence-Alpes-Côte d’Azur Tourisme
www.provence-alpes-cotedazur.com
メトロポリタン・ニース・コートダジュール観光局 Office de Tourisme Métropolitain Nice Côte d’Azur www.explorenicecotedazur.com
東芝ブレイブルーパス東京 Toshiba Brave Lupus Tokoyo www.bravelupus.com
A06 地球の歩き方 フランス 2024~2025
ヨーロッパ 地球の歩き方 海外
2023/07/13発売パリを満喫したら、“その先のフランス”も旅してみたい。パリとフランスの各地方を旅するための詳細マップと徹底ガイド。
パリを満喫したら、“その先のフランス”も旅してみたい。パリとフランスの各地方を旅するための詳細マップと徹底ガイド。
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
(関連記事)https://www.arukikata.co.jp/web/catalog/article/travel-support/