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普段は甘えてばかりの子どもでも、旅先では、日常とは違う環境やはじめての体験に普段とは違う表情を見せてくれることも多く、そんな子どもの新たな一面や好きなものと出会ったときの嬉しそうな表情を見れるのは嬉しいものです。
2022年12月にオープンした「星野リゾート リゾナーレ大阪」は、”創造力を遊びこむ”をコンセプトにした子どもが主役になれるホテル。世界で最も先進的な乳幼児教育のひとつといわれる「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れ「こういうのにも興味があったんだ!」と親も学びが多く、素晴らしい体験となりました。5歳の息子と家族3人で訪れた様子をご紹介します。
地域の魅力や特色を味わえるアクティビティや客室で知られ、ファミリーに人気の「リゾナーレ」。
「リゾナーレ大阪」は他の施設とは異なり「グランドプリンスホテル大阪ベイ」とのコラボホテルでもあります。一体、中はどうなっているのか…?と不思議に思っていたのですが、23、24、26 階にある全 64の客室と最上階 28 階にあるアトリエから構成されており、「リゾナーレ大阪」の宿泊者は「グランドプリンスホテル大阪ベイ」のレストランやクラブラウンジなども利用可能。両ホテルの“イイトコどり”が叶うのです。
一番の見どころは「リゾナーレ大阪」宿泊者専用でもある日本最大級のアトリエスペース。
こちらでは、イタリア発の乳幼児教育「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れた表現活動を体験することができます。
子ども自身が主体的に学ぶことが大切にされており、枝や木の実、貝殻といった自然のものをはじめ、歯車やアクリル板など地域のもの作りで生まれた部品、砂や陶芸用の土、なかなか触れないような電気製品の部品など、子どもの感性やワクワクする気持ちを引き出すマテリアル(素材)が数えきれないほど用意されています。
一歩足を踏み入れると、色鮮やかな空間が広がり、息子が大興奮!「今日はここでたくさん遊べるの?」と、目をキラキラさせながら、あちこち歩き回り、お気に入りのスペースを見つけると、紐やコースターを使った“ピザ屋さんごっこ”に熱中していました。
探究のパートナーである芸術の専門家「アトリエリスタ」が何名も在籍しており、子どもの表現のサポートをしてくださるのですが、ガラスの窓にお絵描きができたり、砂を思い切りいじったり、家ではなかなか体験ができないようなことを楽しんで、創造力を発揮できる空間となっていました。
息子が遊んでいると、男性スタッフの方がやさしく話しかけてくださったのですが、よく聞いてみると、なんとこの方、総支配人の福本博隆さんでした。普段から、アトリエによく顔を出し、子どもたちと接しているそうで……
福本さんが「子どもの表現は面白いですよね。お芋を描いていたのに新幹線になったり、またお芋に戻ったり……きっとその子の中では思考がどんどん回っていたんでしょうね。そういう風に見ているのか!と日々驚きがあり、色々な表現を見せてくれるので、その瞬間に立ち会えるのは、とてもうれしいです」と笑顔で話す様子が印象的で、普段から愛情たっぷりに子どもたちと接しているのが伝わります。
ぜひ体験していただきたいのが人気の「『アトリエリスタ』とのプロジェクト活動」。こちらは、「アトリエリスタ」との対話を通して、創造力を引き出し、自分の表現を深めることに没頭できるプログラム。
息子は、虫メガネが気に入り、ずっと握りしめながら花や水の中に浮かぶ植物を熱心に研究していました。すると、アトリエリスタの方がデジタルマイクロスコープを出してくださり、大喜び。植物をもっと詳しく観察でき、肉眼では見えない未知の世界を垣間見る貴重な体験となりました。
子どもの興味や好奇心に向き合い、対話してくださる様子、そして息子の楽しそうな顔を見て、うれしくなりました。最後には、子どもの写真と共に行った体験の内容をフィードバックしてもらえ、楽しく過ごした様子を知ることができます。
こちらの体験料金はアトリエ利用料に含まれているため、追加料金不要。人気のため、事前に予約することをおすすめします。
「リゾナーレ大阪」の宿泊者は、有料でグランドプリンスホテル大阪ベイの28Fクラブラウンジを利用することができます。
料金は大人一人当たり6,215円(税サ込)で、アフタヌーンリフレッシュメントやイブニングカクテル、朝食も利用可能に。子ども歓迎なのもうれしいポイントです。
総支配人の福本さんは「シティホテルは非日常を体験できる特別な場所だと思っているんです。小さいお子様連れになると、利用しづらくなってしまうと思いますが、それだとお父さんお母さんはリフレッシュできないですよね。なので、乳幼児がいてもたのしめる都市型ホテルを目指しています」と話してくださいました。
子どもがプロジェクトに参加している間に、大人もラウンジでのんびり過ごすのも良いですよね。
客室は全64室。特に人気の「アトリエルーム デラックス」は、天井から張り巡らされたネットに登ったり、寝ころんだり、全力で遊べるお部屋。朝起きたら、すでに子どもがネットの上で遊んでいた…!なんて声も。
「子どもにたのしんでもらえるお部屋を作りたいという想いから“お部屋にネットとかあったらすごいよね”“壁にお絵描き出来たらたのしいよね……”とデザイナーさんと相談しながら現在の形になりました」と総支配人・福本さんから「アトリエルーム デラックス」ができたきっかけについて教えていただきました。
様々なモチーフが施された大きなアートウォールが広がり、壁や窓は色鉛筆でお絵描きOK!子どもがワクワクする夢のようなお部屋です。
乗り物好きの息子は部屋の大きな窓から見えるモノレールや船にも興味津々でした。
地下1階にあるオープンキッチンスタイルのイタリアン・トラットリアレストラン「Basilico」では、子ども向けのコース料理も提供しています。もともとは大人向けのメニューが多かった中、料理長に相談したところ「食事もコース仕立てで食べることができたら、お子様にとっても素敵な体験になるのでは?」と提案し実現したのだそう。前菜、スープ、4種の中から選べるメイン、デザートまで、本格的なコース料理に子どももちょっぴり緊張しながら楽しんでいました。
結局、滞在のほとんどの時間をアトリエスペースで過ごすほど、息子は本当に楽しかったようで「また遊びに来たい!」と何度も口にしていました。アトリエでさまざまな素材や表現に触れる中で、どんどんアイデアが広がる様子は、見ている親もたのしく「息子はこんなことに興味があったのだ」という発見につながりました。
ここまで子どものワクワクする姿を見ることができる旅先は他にはありません。年齢によって遊び方も異なるので、また時期を変えて訪れてみたいと思っています。