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1泊2日の週末を利用して、宮島と出雲大社というふたつの最強パワースポットを一度に周遊してみませんか?広島では絶品グルメ&かわいらしい手みやげをチェックして、島根ではアクティブにハイキング&サイクリング。絶景をカメラに収めながら、広島&島根の2県を効率的に巡るモデルプランをご紹介します!
目次
旅の始まりは、宮島から!古くから「神が宿る島」と崇められ、松島や天橋立と並んで日本三景に数えられるこの島は、広島観光には外せない見どころです。宮島口旅客ターミナルからフェリーに乗ること約10分。島に降り立ったら、さっそく嚴島(いつくしま)神社に向かいましょう。
嚴島神社は593年に創建した由緒ある神社で、1996年には世界文化遺産として登録されています。なかでも特に写真に収めたいのは、2022年に改修工事が完了した大鳥居。満潮時には海中に浮かんだようにも見え、晴れた日には夕焼けに染まって美しく、そしてまた日が暮れてからライトアップされた姿も迫力満点です。大鳥居を正面に捉えることができるのは、平舞台から海の方に突き出た火焼前(ひたさき)と呼ばれる部分。さらに、西廻廊から見える能舞台越しもシャッターチャンス!参拝ルートを進みながら、さまざまな角度で大鳥居を堪能しましょう。
参拝後は、高台にある豊国神社へ。豊国神社(通称:千畳閣)は、かの豊臣秀吉公が建立を命じたものですが、秀吉の死後、なんと現在に至るまで未完成のままという歴史をもちます。入母屋造りの建物で、857畳の畳を敷くことができるという広さから、「千畳閣」と呼ばれるようになったといいます。国の重要文化財にもなっていて、秋には紅葉越しに嚴島神社を望むこともできるおすすめのスポットなんです。ぜひ嚴島神社とあわせて、千畳閣にも訪れてみてくださいね。
歩き疲れたら宮島表参道商店街でランチ。「まめたぬき」は、創業100年を超える旅館に併設されているレストランで、国産食材にこだわった料理を提供しています。なかでも「あなごめし」(2480円)は1日約500食出る日もあるそう。だしを入れてご飯を炊いたあと、ご飯の上に煮穴子を乗せ、さらに蒸し焼きにするという手間ひまかかった一品です!アサリの味噌汁や県内産のひじきを使用した小鉢なども付いてきて、ボリューミー。また、あなごめしに牡蠣フライが付いた「穴子と牡蠣フライの共演セット」(2980円)も人気メニューのひとつだそう。
商店街では広島みやげもチェックしてみましょう。宮島杓子や宮島彫りなどの民芸品・工芸品のほか、宮島発祥の「もみじまんじゅう」店や焼き牡蠣&生牡蠣がいただける専門店などが軒を連ねます。近年、もみじまんじゅうは王道のあんこが入ったタイプだけではなく、進化系も登場!クロワッサン、アイスクリームがサンドされたもの、パイ生地を使ったものまで……本当にさまざまな種類があるんですよ。気になったものを少しずつ食べ歩きしてみるというのもおすすめです。
続いて訪れたのは、宮島の徳寿寺にある「okeiko japan」。好きな着物を選んで着付けてもらえる着物レンタルをはじめ、初めての人でも楽しめるミニ茶道、宮島の特産品である「しゃもじ」に文字を書くしゃもじ書道体験などができ、現在では海外からの観光客もたくさん訪れる日本文化体験施設です。今回チャレンジしたのは、ミニしゃもじのお札に願いごとを書く「お守り作り体験」。お守り袋は着物をほどいて作ったもので、常時300種類以上。10色以上の組みひもと合わせれば、自分だけのオリジナルのお守りを作ることができちゃうんです。
作り方はカンタン!お守り袋と組みひもからお気に入りのものをひとつずつ選んで、願いごとをしゃもじのお札に書きます。「恋愛成就」や「商売繁盛」などスタンプも用意しているので、かなえたい内容を選んで押してもOK。また、自分の名前やその日の日付を入れることもできます。袋にひもを通して組んだら完成。完成後は、お守りを徳寿寺の御本尊にお供えし、お参りをして終了。約30分程度で作ることができちゃいますよ。
「カップルで来て、作ったものを交換するなんて方もいらっしゃるんですよ」と話してくれたのはokeiko japan代表の橋口さん。着物をリメイクして作ったお守りは、過去に広島そごうの物産展などでも販売し、好評を得ているのだといいます。もともと徳寿寺では、地元の子供たちが通う寺子屋や茶道教室を開催するなど、地域に密着しながら幅広い人々に門戸を開いていたお寺だったそう。橋口さんが受け継いでからも、徳寿寺の精神性が引き継がれているのも素敵な点ですね。
ここでも注目のおみやげを発見!それは、okeiko japanオリジナルの「宮島チョコレート」。牡蠣醤油やレモン焼酎といった広島県内の名産品の味に、しゃもじや鳥居などのモチーフが描かれたチョコレートは全9種類。広島の人気ショコラトリーの協力を得て開発されたもので、6個入り2400円、9個入り3200円と2サイズ用意されているので、ぜひ宮島みやげとしてお持ち帰りしてください♪
宮島を離れ、JR宮島口から車を走らせること約30分。2023年3月に開館したばかりの「下瀬美術館」は、日本を代表する建築家のひとり、坂茂氏による建物が話題を集めるミュージアムです。「アートの中でアートを観る」のコンセプトどおり、エントランス棟に入ってまず目を引くのはガラス越しに見えるカラフルな可動展示室。水盤の上に8棟並んだ展示室は、水位を調整することで配置を変えられるという画期的な造りになっているんです。展示室越しには一面の海景色!水盤に面しているカフェのテラス席からは、瀬戸内の美しい風景=多島美(たとうび)が眼前に広がります。
驚くべきはコレクションの豊富さ!可動展示室にはピカソやシャガールなどの版画に加えて、ミレーやマティスといった巨匠たちの油彩画が並びます。また、企画展は約3ヵ月に1度のペースで行われ、2024年1月21日からは、開館1周年を記念して「下瀬美術館のひな祭り」を開催中です。
ちなみに、下瀬美術館の木立に囲まれた「森のヴィラ」と水盤に面した「水辺のヴィラ」と呼ばれるふたつのエリアには、坂茂氏が手がけた10棟の家が点在していて宿泊することができるんです!レストランも併設しているので、閉館後も心ゆくままアートに浸る時間が過ごせます。アール・ヌーヴォーを代表する工芸家・エミール・ガレの作品に登場する草花を中心とした「エミール・ガレの庭」や建物の屋上「望洋テラス」も散策してみてくださいね。
そして、広島のもうひとつ新しいニュースといえば2023年9月に誕生したローカルキャラクター・ひろくまの存在!瀬戸内広島レモンが大好物で、レモンを食べ過ぎて身体が黄色になってしまったというエピソードを聞いたら、好きにならずにはいられません。そして、近くに寄ると身体からレモンのいい香りがするんです!HIT広島観光大使としてデビューしたばかりですが、愛嬌たっぷりのひろくま。カメラを向けると近づいてきてポーズを決めてくれます。ひろくまに出会うとトレーディングカード「ひろくま大図鑑カード」がもらえるので見かけたら声をかけてみてください。
また、LINEスタンプが発売になりました。ぜひこれから応援してください!
【公式】ひろくま|HITひろしま観光大使 (hirokuma.site)
2日目は島根をとことん遊びつくします!朝イチで訪れたのは、2007年に「鉱山遺跡」としてはアジアで初の世界遺産に登録された石見銀山。正確には「石見銀山遺跡とその文化的景観」の名で登録されていて、その古きよき町並み地区にも注目です。
江戸時代に形成された大森地区の町並みは、もともと武家屋敷や商家があったところだといいます。その名残を感じさせる木造の建物には、全国に店舗をもつライフスタイルブランド「群言堂」の本店やカフェや本場・ドイツで修業したオーナーが作るドイツパンとお菓子の「ベッカライ コンディトライ ヒダカ」、200年以上続く老舗菓子屋「有馬光栄堂」などときめくショップがずらり! ちなみに、Uターン・Iターン者や移住者も増えていて、年々地元の学校の生徒が増えているのだそう。時間が許すならば、銀山地区とあわせて1日がかりでゆっくり回るのもよいかもしれませんね。
さて、いよいよ銀山地区へ足を踏み入れてみましょう。私たちが通年を通して観光できるのは「龍源寺間歩」と呼ばれる坑道。「間歩(まぶ)」とは銀鉱石を採掘するための坑道のこと。石見銀山には大小合わせて600ヵ所以上あるといいますが、龍源寺間歩はそのなかでも江戸時代前期から昭和初めまで稼働していた大坑道でした。間歩の壁面には、鉱脈に沿って掘り進んだ穴や排水のために垂直に掘られた坑道など当時の採掘した跡が残されていています。出口付近には絵巻の展示もあり、当時の人々の生活もうかがい知ることができます
石見銀山で用いられた技術が日本全国に発展して、東アジアなど海外諸国との経済的・文化的交流のきっかけとなったこと、そしてまた、伝統技術や坑道跡など銀を生産するための全体像と豊かな緑が共存しながら残っていることが、世界遺産に登録された理由のひとつ。銀を採掘・製錬して高品質の銀を大量生産していた鉱山、というのはおぼろげながら知ってはいても、世界遺産としての価値や、その生産方法まで理解している人は少ないのかもしれません。
今回の旅では、「石見銀山ガイドの会」会長の安立さんに、町並みから銀鉱石を採掘するための坑道「間歩(まぶ)」を案内してもらったのですが、歴史はもちろんのこと、ひとりで歩いていたら見落としがちな製錬跡までたっぷり話を聞くことができました。ワンコインガイドもあるので、ぜひ石見銀山を訪れた際には専門ガイドを付けて回ってみてください!
たくさん歩いたあとは、お腹ペコペコ!町並み地区に戻ってきたら、Café住留(ジュール)でランチをいただきましょう。ここは築100年の古民家を活用したカフェレストランで、地元の野菜を使った料理を楽しむことができます。この日は数量限定の「ジュールランチ」を注文。柔らかく煮込んだ牛すじがたっぷり入ったハヤシライスに、付け合わせのサラダや小鉢など盛りだくさんの内容です!牛すじトロトロハヤシやハンバーグカレー、カツカレーなども人気。食後には温かいドリンクを飲んでひと息つきましょう。
晴れた日には、サイクリングに出かけてみませんか?体力に自信がない人でも、電動アシスト付きのE-BIKEなら、坂道もラクラク!サイクリングの魅力はなんといっても、景色を楽しみながら立ち止まって好きなタイミングで写真を撮ったり寄り道したり、ひと休みできること。国民宿舎さんべ荘が行う自転車ツアー「さんべ旅」では、三瓶山周辺を巡りながら地元のガイドさんが三瓶の魅力を教えてくれるプランがあるんです。どこまでも田園が続く絶景を横目に風を切って走るのは、とっても気持ちがいい体験!
里山風景を楽しむコースや三瓶山をぐるっとまわる長距離コースなど、いくつかのプランを用意していますが、自分たちの体力や希望の時間、行きたい場所に応じてカスタマイズできるのもうれしいポイントです。季節折々の風景を楽しむもよし、飲食店に立ち寄ってテイクアウトグルメでピクニックするのもよし、思い思いに三瓶の魅力を感じてください。ツアー後は、日帰り入浴可能なさんべ荘の温泉で身体を癒やしましょう。
サイクリングでぜひ訪れてほしいスポットが浄善寺。境内にある大イチョウの木は秋になると黄金色に美しく色づき、多くの人々が訪れる隠れた穴場スポットなんです。例年見頃を迎えるのは11月中旬から12月上旬。木にはブランコがあり、童心に帰ったつもりでこんな素敵な写真が撮れますよ。公共交通機関ではアクセスしにくい場所に位置していますが、さんべ荘では自転車レンタル(要事前予約)のみも受け付けているので、お寺に行くだけでも利用する価値あり!
三瓶をあとにして、旅の最後は「縁結びの神様」、「福の神様」として名高い出雲大社に参拝しましょう。ちなみに島根の空港はここ出雲市にあり、出雲大社の正門前から出雲空港まではリムジンバス(所要時間約40分)が出ているので、観光してから直接空港に向かって最終便に乗る!なんてプランも立てることができます。取材したのは11月下旬でしたが、陽が少しずつ傾いてく境内も趣があってなかなか素敵なんですよ。
ちなみに、宇迦橋(うがばし)の大鳥居から出雲大社の正門まで続く約700メートルの表参道沿いには、出雲そばの店やみやげもの屋がずらりと軒を連ねています。夕方には閉まってしまう店も多いので、グルメ&ショッピングを楽しみたい人は早めに訪れましょう。また、その昔に神職の屋敷が建ち並んでいた社家通りにも足を運んでみてください。落ち着いた木造建ての建物が多く残る場所です。
さて、出雲大社では戦後最大の木造神社建築といわれる拝殿や、御祭神に最も近い門で御本殿を望める八足門などを参拝。出雲大社ではすべての社で2礼・4拍手・1礼がお作法です。境内では、地面に赤い色で3つの丸が示されている場所を発見できるはず。かつてここには、3本の大木を束ねて1本の柱とし、高さが48メートルもの御本殿があったとされています。赤い丸印はその大木の柱跡。2000年には、境内から柱が発掘されたといいます。
御守所は境内に点在しているので、参拝を終えたら御朱印や御守りを手に入れたり、おみくじを引いたりしてみましょう。
今回の旅では、島根県江津市にある「温泉リゾート 風の国」に宿泊。周辺は森に囲まれたリゾート施設で、グランピング施設で、ツリーハウスや球体テントでグランピングもできちゃいます。もちろん、ホテル棟もあり、北欧テイストの照明に和のぬくもりも感じられる部屋では、靴を脱いで快適に過ごすことができます。ディナーや朝食も絶品!美肌の湯に浸かりながら、旅の疲れを癒やしてください。
週末の1泊2日で回る広島&島根周遊プラン、いかがでしたか?もう1日あれば、広島で下瀬美術館のヴィラに泊まるというのもひとつのアイデアかもしれませんね。ぜひ欲張りに楽しい旅に出かけてみてください!
●島根県公式観光情報サイト「しまね観光ナビ」
https://www.kankou-shimane.com/
●ひろしま観光公式サイト「Dive!Hiroshima」
https://dive-hiroshima.com/
●ひろしま観光アプリ KINSAI
https://dive-hiroshima.com/news/news-41431/
TEXT:水野千尋(ART LOVE MUSIC)
PHOTO:遠藤麻美
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◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
(関連記事)https://www.arukikata.co.jp/web/catalog/article/travel-support/