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2021年7月、日本で5番目の世界自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」に登録された奄美大島。島に生息する生き物たちの多様性が評価され登録にいたりました。今回はその奄美大島の自然をはじめ、島の魅力をめいっぱい楽しむ方法をご紹介します。
奄美大島観光に出かける際、まず訪れてほしいのが島の真ん中あたりに位置する「奄美大島世界遺産センター」。ここで事前に知識をインプットしてから山や海のアクティビティに出かけるのがおすすめです。2022年7月に開館した奄美の自然について学べる施設で、館内には奄美の自然が巨大なスクリーンやジオラマなどを用いて臨場感たっぷりに展示されています。フィールドスコープをのぞいて森に潜む動物を発見したり、降り注ぐ雨の音や鳥のさえずりに耳を澄ませたりと、本当に奄美の森を探検しているみたい。自然について学べるだけでなく、時間とともにうつろう森の美しい景色も見所です。
館内には「frat」というミュージアムショップがあり、Tシャツやマグカップ、ケンムンのぬいぐるみなどを扱っています。特に夜行性の奄美の生き物たちが暗闇で浮かび上がるオリジナルTシャツは大人気。ここだけの限定品なのでぜひチェックしてみて。
奄美大島世界遺産センターのあとは、隣にある黒潮の森マングローブパークへ。一帯は日本で2番目の広さを誇る住用町のマングローブの群生地。このマングローブのなかをカヌーで探検することができます。
所要約1時間の気軽なツアーで、最初に漕ぎ方のレクチャーもあるので初めてでも大丈夫。2人乗りのカヌーもあり、小さな子供連れにもおすすめです。
カヌーツアーは1日に数回実施されていますが、干潮と満潮の時間によって見られるものが違うので要注意。マングローブのトンネルのなかをくぐり抜けられるのは満潮時のみ。干潮時は、干潟にすむ生き物たちを観察することができます。
奄美にすむ多くの生き物が夜行性。奄美大島の自然の特徴である「生物の多様性」はナイトツアーに参加することで、より強く体感することができます。
例えば、人気のアマミノクロウサギはナイトツアーでしか会うことができない夜行性の動物。臆病で警戒心の強いアマミノクロウサギですが、それぞれの個体がお気に入りの場所をもっているため、周辺の環境を熟知しているガイドと一緒に訪れれば比較的高確率で見ることができます。
そのほかにも野鳥や昆虫、カエルやヘビ、夜だけ花を咲かせる植物など、さまざまな生き物で夜の森はとってもにぎやかです。ただし真っ暗な森は迷いやすく、また希少な生き物が生息するエリアの一部は通行が制限されています。猛毒をもつヘビ、ハブと遭遇する危険もあるため、ガイドツアーに参加して訪れるようにしましょう。
名瀬市街地から車で20分ほどのところにある奄美海洋展示館もおすすめです。幅約3mの中央水槽にはウミガメや奄美の海に生息する熱帯魚などが展示され、間近でウミガメを見ることができます。ウミガメを見たあとは、ウミガメに餌をあげることも。
奄美の海の成り立ちや生息する生き物たち、また保護されたアカウミガメ・アオウミガメの赤ちゃんなどを見ることもできます。水族館は屋内なので、雨の日のアクティビティにもぴったり。
また屋外にある大浜ビーチは、ウミガメの産卵地となっています。ビーチに出てみて旗が立っていたらそれはウミガメの卵がある目印。やがて大海原に旅立つ赤ちゃんガメのことを思うと心が浮き立ちます。
おなかが空いたら、水族館併設のカフェへGO! ウミガメの形をしたバンズで白身魚フライやチーズなどを挟んだ人気の「うみがめバーガー」をどうぞ。
かわいいウミガメの姿にすっかり魅了されてしまったのでは? それなら次はウミガメと一緒に泳いでみるのはいかがでしょうか。
奄美大島北部には、ウミガメが餌を食べに来るビーチがいくつかあります。そのなかでも波が穏やかで泳ぎやすいビーチで、ウミガメと一緒にスノーケリング!
ツアーにはウエットスーツやスノーケリングギアが含まれているので水着だけで参加OK。スノーケリングの基本を学んだら、いざ、海へ。しばらく浅瀬をスノーケリングしていると、早速ウミガメ発見! 驚くほど近くを悠々と泳ぐ姿に感動です。
ウミガメスノーケリングは4歳から参加OK。スノーケリングができなくても、のぞき穴が付いたフロートの上に乗ってウミガメを観察することができます。野生のウミガメと一緒に泳ぐ感動体験。水族館で見るのとはまたひと味違った姿を見せてくれます。
奄美の魅力は自然だけではありません。大島紬やシマ唄、黒糖焼酎など、奄美独自の文化や食文化も奥深く魅力的。自然のなかでめいっぱい遊んだら、伝統文化にも触れてみましょう。
およそ1300年の歴史をもち、世界三大織物のひとつに数えられる大島紬について知りたければ大島紬村へ。亜熱帯植物に囲まれた庭園で、大島紬の製造工程を知ることができます。大島紬ができあがるまでの工程は実に複雑で緻密。大島紬村では、泥染めを体験したり紬製品を購入することもできます。
奄美の島々で古くから歌い継がれてきたシマ唄。行事やお祝いの場で歌われるほか、島では男女が即興を交えながら掛け合いで歌って心を伝え合う「唄遊び」の伝統がありました。
独特の裏声歌唱と、リズミカルで時に哀愁漂うメロディは初めてでも深く心に響きます。シマ唄の魅力を体感するいちばんの方法はシマ唄ライブに行くこと。名瀬には数軒、シマ唄ライブを開催する店があり、奄美の郷土料理を味わいながら、シマ唄を生で聞くことができます。最後は唄者もお客さんも一緒に歌い踊り大盛り上がり!
奄美の魅力は、アクティビティに参加してみるとより深く感じることができます。できれば2泊か3泊滞在して、さまざまなアクティビティに参加してみてください。
海・川・山の自然と独自の島文化が楽しめる奄美大島は、春休みになる3月くらいからが旅行のベストシーズン!
ぜひ『島旅 奄美大島 喜界島 加計呂麻島』を片手に、島を巡ってみてくださいね!
気に入ったスポットを見つけたら、巻末のアンケートフォームから教えていただけるとうれしいです。
TEXT:澄田直子(アトール)
02 地球の歩き方 島旅 奄美大島 喜界島 加計呂麻島(奄美群島1) 4訂版
島旅
2023/12/07発売ようこそ! 絶景スポットから遊び方、カルチャーまで、島の人たちが教えてくれた奄美大島の魅力を1冊に凝縮。さあ、島旅へ。
ようこそ! 絶景スポットから遊び方、カルチャーまで、島の人たちが教えてくれた奄美大島の魅力を1冊に凝縮。さあ、島旅へ。