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地球の歩き方 W29 世界の映画の舞台&ロケ地
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「地球の歩き方的『デューン 砂の惑星』ガイド~前編:基本情報を押さえよう~」で、砂に覆われた惑星アラキス(通称デューン)の基礎知識を身に着けたところで、後編では公開よりひと足早く、冒険の旅へ出かけましょう。
※本表紙は、WEB記事限定企画となります
「地球の歩き方的『デューン 砂の惑星』ガイド~前編:基本情報を押さえよう~」のあらすじでも書きましたが、PART1ではアトレイデス家とハルコンネン家の対立が、PART2ではハルコンネンの追手から逃れたポールがアラキスの砂漠の民フレメンの救世主となっていく最終決戦が描かれます。PART2の見どころは数多くありますが、ポールが救世主としての能力を発揮していく様は注目すべきポイント。中でも最もインパクトがあるのは、ポールが砂虫(サンドワーム)に乗るシーンです。PART1でもラストシーンで出てきましたが、砂虫って乗りこなせるんですね。
アラキスの砂漠に生息する巨大な砂虫(サンドワーム)。中には400メートル級の超巨大な個体もあるようですが、ポールが挑んだのはまさにそのレベル。ここまで大きいものでなくても乗りこなすにはかなり準備が必要です。まずは砂虫を熟知するフレメンの知り合いを作り、その生態を教えてもらうと良いでしょう。
◆命
これがなければ始まらないし、実際に落とすかもしれないほど危険。
◆起震杭(サンバー)
規則的な振動を起こして砂虫を呼び寄せる道具。
◆保水(スティル)スーツ
フレメンが着用する砂漠を生き抜くためのスーツ。熱交換システムを搭載し体を冷やし、汗や尿や涙など体内から排出された水分をろ過して飲料水に変える機能をもつ。身体の動きそのものが動力源となる。
◆産砂フック
折り畳み式で、2本セットで使用するのが基本。先端のフックを砂虫の背に引っ掛け、柄に仕込まれたロープを伸ばして使用する。ちなみに産砂フックの“産砂”とは、砂虫のこと。背中にフックを差し込まれた砂虫は、皮下の敏感な部分に砂が入らないようにするため砂の中に潜らず砂漠上に現れたままとなる。
◆保命(フレム)キット
砂漠で生き延びるための道具が入っている。保水テントや超磁性(パラ)コンパス。もしも砂虫から振り落とされて砂漠で迷子になった時のために。
◆絶対に乗りこなせるという強い意志と度胸
砂虫が近づいてくるだけでも恐怖だが、乗りこなそうとなるとよほどの強い意志と覚悟が必要となる。
1)砂虫が生息する砂漠の奥地へと向かう。
2)砂歩きで歩行のテンポを崩しながら砂丘の真ん中に起震杭を打ち込む。
(砂歩きのテンポは「トン・トン・サー・トン・サー」)
3)砂虫が近づいてきたら砂煙が見えるので到達までの間に覚悟を決める。
4)砂虫が起震杭を飲み込んだら砂丘が崩れるので、そのタイミングで砂虫の背中に向かって一気に滑り降りる。ちなみに背中までの到達距離は、ポールの場合で30メートルほど。雪崩に乗って滑り降りるスキーヤーのイメージで行くのがコツ。
5)産砂フックを砂虫の皮膚に引っ掛ける。この時、振り落とされないように注意して。
6)フックのロープを伸ばしてバランスをとりながら操縦する。
これが一発でできたらあなたも救世主候補になれるかもしれませんね。
さて、砂虫に乗ったポールたちは、その後、岩石砂漠が広がるアラキス南部へと向かいます。そこは人が住むには厳しい荒廃した場所ですが、宗教への情熱を育む土地でもあり、レディ・ジェシカは息子の救世主としての道を拓くために向かいます。たどり着いた先のフレメンの神殿では、命をかけたさらなる試練が待ち受けているのですが…。詳しくは本編をご覧ください。
砂虫に乗って南部へたどり着いたポールたちは、フレメンの神殿に連れていかれます。そこでは、フレメンの精神を学んだり、食事をあてがわれたり、ポールが本物の救世主であると妄信されたり疑われたり試されたりと、様々な体験をします。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、いろいろなことが起こる神殿の内部を、予習を兼ねてまとめてみました。それぞれの場所の用途が見えると、きっとストーリーも理解しやすくなるはず!
◆死者の間
フレメンの遺体を運び体内の水分を抜くための部屋。
◆ドームの間
食事などをする部屋。
◆魂の貯水池
フレメンの遺体から取り出された聖水で満たされている、シエチの洞窟にある大きな貯水池。この水はいつかアラキスを緑豊かな惑星にするために集められている。
◆産砂の神殿
「命の水」(砂虫から抽出される毒)を使った儀式で使用される毒を取り出すために、砂虫の幼虫を育てる場所。
◆住窟(ヤリ)
フレメンの各世帯が暮らす場所。
デューンの世界から2024年の地球に戻っても、あの冒険の旅が忘れられないという人もいることでしょう。そこで本作の撮影が行われた場所をいくつかご紹介します。
アラキスのロケが行われたのは、ヨルダンのワディ・ラム砂漠やアブダビのリワ・オアシス、そしてその周辺の砂漠だといわれています。また、PART2でとりわけ印象的な、予言書の通りにいつかアラキスに水が戻ってきたら…とイメージされた風景は、ナミビアの港町スワコプムントの大西洋を望む砂丘で撮影されたそう。デューンの世界を地球で感じたいなら、ぜひそれらの場所を旅してみてくださいね。
『デューン 砂の惑星PART2』
■監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
■撮影:グリーグ・フレイザー
■脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ジョン・スペイツ
■出演:ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリン、オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、デイヴ・バウティスタ、クリストファー・ウォーケン、スティーブン・ヘンダーソン、レア・セドゥ、ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリング、ハビエル・バルデム
時間:166分
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/dune-movie/
※3月15日(金)より全国ロードショー
『ドゥニ・ヴィルヌーヴの世界 アート・アンド・ソウル・オブ・DUNE / デューン 砂の惑星』(DU BOOKS)
『ドゥニ・ヴィルヌーヴの世界 アート・アンド・ソウル・オブ・デューン 砂の惑星PART2』(DU BOOKS)
『デューン 砂の惑星[新訳版][上][中][下]』(ハヤカワ文庫)
TEXT:『地球の歩き方 W29 世界の映画の舞台&ロケ地』編集担当 清水真理子