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日本も運営協力している大エジプト博物館がグランドオープン!2025年にすべての展示が公開予定

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2024年7月12日
公開日
2024年7月12日
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世界が注目する「大エジプト博物館(GEM)」が2024年に順次オープン!

エジプト・ギザのピラミッド近くに建設された「大エジプト博物館(GEM)」は、単一文化を展示する博物館として世界最大級の規模を誇ります。古代エジプト文明の秘宝が一堂に会し、これまで一般公開されていなかった貴重な品々も含めて、その極端な展示が人々を惹きつけています。注目の展示のひとつは、ツタンカーメン王の秘宝です。約5000点に渡り展示品が収蔵され、そのなかには象徴的な「黄金のマスク」も含まれています。しかし、すべての展示品が公開されているわけではなく、博物館20241016日より順次オープンし、一部の展示室が先行公開されている状況です。ラムセス2世の巨大な像が迎える大ホールや、最先端技術を語り続けた展示空間が訪問者を魅了しています。

ピラミッド観光と合わせて訪れることで、古代エジプトの歴史と文化をより深く楽しめる、新たな世界の観光スポットとして期待されています。 正式な全館オープン日程は未定ですが、2025年にすべての展示が公開される予定です。 歴史好きや旅行者にとって、エジプトを訪れる際には絶対に外せないスポットとなります。

エジプト概略

行き方
エジプト航空が週1便直行便を運航している。所要12〜14時間。経由便はドーハ経由のカタール航空、ドバイ経由のエミレーツ航空、アブダビ経由のエティハド航空など。
観光シーズン
夏は暑いため冬が観光シーズンとされるが、欧米の旅行ブームで1年中賑わっている。
通貨
エジプトポンド(2024年7月現在1エジプトポンド=約6円)。
物価
国民食コシャリは1食100円程度と総じて安いが、外国人料金が適用される遺跡や博物館の料金は高い。
カード
遺跡や博物館の入場チケットはVISAまたはMasterCardのクレジットカード払いのみ。ただし機器の故障に備えてエジプトポンドの現金も持っておくこと。
宗教
カイロには古いモスクが林立し世界遺産の景観をつくっている。イスラム教徒が多いがイエスや聖家族ゆかりの地でもありコプト教徒もいる。それぞれの習慣を尊重したい。

なぜエジプトの博物館に日本語が?その秘密は国際協力にあった!

その巨大さゆえ大エジプト博物館の工事中に設置されたラムセス2世像。現在は内部もきれいに完成している

エントランスホールでまず目に飛び込んでくるのはラムセス2世の巨像だ。かつて中央駅前に立っていたカイロを象徴する像で、そこからラムセス広場の名が広く使われるようになった。大エジプト博物館へ真っ先に運び込まれ、プレオープンであってもラムセス2世像が見学できる。大階段の展示などを含め45分ほどの解説ツアー(アラビア語、英語)もある。

ラムセス2世像のほか大階段には座像などが運び込まれた。運搬には美術品の移送に実績のある日本通運が協力、エジプトにそのノウハウを伝えた。

注目してほしいのは博物館の名が刻まれたプレート。博物館の表札のような存在だが、ここにアラビア語と英語のほかに日本語も彫られている。大エジプト博物館建設には日本のODA(政府開発援助)が活用され、JICAを通じた各方面の協力で遺物の移動、修復、博物館運用のノウハウなどが技術供与された。そのためプレートへの日本語表記のほか、ツタンカーメンの展示解説板にも日本語が併記されることになっている。ツタンカーメンに日本語解説! これはぜひ現地で確かめねば!

日本語で「博物館」と書かれたプレート

大エジプト博物館GrandEgyptianMuseum

開館
大エジプト博物館施設の営業時間:8:30~18:00、展示施設:9:00~17:00
休館日
不定休
料金
大人1200エジプトポンド、子供・学生600エジプトポンド
URL
https://visit-gem.com/en/home

古代エジプトへいざなうバーチャル技術

博物館のメイン展示は4000〜3000年前の古代エジプト。黄金のマスクをはじめ現代でも色褪せない宝物の数々だが、なかには壊れてしまったり、欠けてしまったりしたものもある。

たとえばチャリオットという馬に繋げる戦車は、今回の修復で屋根が付いていたことがわかった。しかし実際に取り付けることは難しいので、バーチャルリアリティの映像で当時の姿がわかるようにする。最新技術をプラスして、展示物を見る人がさらに古代エジプトを深く想像できるような工夫も検討されているのだ。

宇宙人っぽいツタンカーメン。没入型体験の撮影はスマホのみ(カメラ不可)

プレオープン期間には、ツタンカーメンやエジプトの観光地をテーマに没入型の企画展が行われた(2024年7月現在終了)。これを発展させれば古代エジプトの時代にタイムスリップするかのような体験が可能かも。ますます期待が高まるではないか!

古代エジプトの展示、考古学博物館と文明博物館も必見!

フランスの協力で100年前に建築されたピンクの外観がかわいらしい考古学博物館

これからグランドオープンとなる大エジプト博物館は、ツタンカーメンの秘宝が展示の中心となる。現在カイロの中心部には考古学博物館The Egyptian Museum in Cairo (EMC) があり、ツタンカーメンの展示が移動した後も、古代エジプトの展示は行われる予定。たとえば教科書にも載っている「書紀座像」やツタンカーメンの父アクエンアテン時代の「アマルナ美術」など、重要な遺物は見逃せない。

文明博物館のミイラ室は、王家の谷をイメージしたスロープ。入口はミイラや棺が投影されている

また、エジプト文明博物館National Museum of Egyptian Civilization(NMEC)が2020年にグランドオープンしており、ここにはラムセス2世をはじめとする、王家の人々22体のミイラが眠っている。

考古学博物館TheEgyptianMuseuminCairo(EMC)

開館
9:00〜17:00
休館日
なし
料金
550エジプトポンド、学生275エジプトポンド
URL
https://egyptianmuseumcairo.eg/#

エジプト文明博物館NationalMuseumofEgyptianCivilization

開館
9:00〜17:00(金曜は18:00〜21:00まで夜間鑑賞あり)
休館日
なし
料金
500エジプトポンド(約3000円)
URL
https://egymonuments.com/locations/details/NMEC

TEXT:大和田聡子(どんぐり・はうす)
PHOTO:大和田聡子、山崎育子、スカイバードトラベル

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