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世界が注目する「大エジプト博物館(GEM)」が2024年に順次オープン!
エジプト・ギザのピラミッド近くに建設された「大エジプト博物館(GEM)」は、単一文化を展示する博物館として世界最大級の規模を誇ります。古代エジプト文明の秘宝が一堂に会し、これまで一般公開されていなかった貴重な品々も含めて、その極端な展示が人々を惹きつけています。注目の展示のひとつは、ツタンカーメン王の秘宝です。約5000点に渡り展示品が収蔵され、そのなかには象徴的な「黄金のマスク」も含まれています。しかし、すべての展示品が公開されているわけではなく、博物館2024年10月16日より順次オープンし、一部の展示室が先行公開されている状況です。ラムセス2世の巨大な像が迎える大ホールや、最先端技術を語り続けた展示空間が訪問者を魅了しています。
ピラミッド観光と合わせて訪れることで、古代エジプトの歴史と文化をより深く楽しめる、新たな世界の観光スポットとして期待されています。 正式な全館オープン日程は未定ですが、2025年にすべての展示が公開される予定です。 歴史好きや旅行者にとって、エジプトを訪れる際には絶対に外せないスポットとなります。
目次
エントランスホールでまず目に飛び込んでくるのはラムセス2世の巨像だ。かつて中央駅前に立っていたカイロを象徴する像で、そこからラムセス広場の名が広く使われるようになった。大エジプト博物館へ真っ先に運び込まれ、プレオープンであってもラムセス2世像が見学できる。大階段の展示などを含め45分ほどの解説ツアー(アラビア語、英語)もある。
注目してほしいのは博物館の名が刻まれたプレート。博物館の表札のような存在だが、ここにアラビア語と英語のほかに日本語も彫られている。大エジプト博物館建設には日本のODA(政府開発援助)が活用され、JICAを通じた各方面の協力で遺物の移動、修復、博物館運用のノウハウなどが技術供与された。そのためプレートへの日本語表記のほか、ツタンカーメンの展示解説板にも日本語が併記されることになっている。ツタンカーメンに日本語解説! これはぜひ現地で確かめねば!
博物館のメイン展示は4000〜3000年前の古代エジプト。黄金のマスクをはじめ現代でも色褪せない宝物の数々だが、なかには壊れてしまったり、欠けてしまったりしたものもある。
たとえばチャリオットという馬に繋げる戦車は、今回の修復で屋根が付いていたことがわかった。しかし実際に取り付けることは難しいので、バーチャルリアリティの映像で当時の姿がわかるようにする。最新技術をプラスして、展示物を見る人がさらに古代エジプトを深く想像できるような工夫も検討されているのだ。
プレオープン期間には、ツタンカーメンやエジプトの観光地をテーマに没入型の企画展が行われた(2024年7月現在終了)。これを発展させれば古代エジプトの時代にタイムスリップするかのような体験が可能かも。ますます期待が高まるではないか!
これからグランドオープンとなる大エジプト博物館は、ツタンカーメンの秘宝が展示の中心となる。現在カイロの中心部には考古学博物館The Egyptian Museum in Cairo (EMC) があり、ツタンカーメンの展示が移動した後も、古代エジプトの展示は行われる予定。たとえば教科書にも載っている「書紀座像」やツタンカーメンの父アクエンアテン時代の「アマルナ美術」など、重要な遺物は見逃せない。
また、エジプト文明博物館National Museum of Egyptian Civilization(NMEC)が2020年にグランドオープンしており、ここにはラムセス2世をはじめとする、王家の人々22体のミイラが眠っている。
TEXT:大和田聡子(どんぐり・はうす)
PHOTO:大和田聡子、山崎育子、スカイバードトラベル
監修:地球の歩き方
E02 地球の歩き方 エジプト 2025~2026
Eシリーズ(中近東 アフリカ) 地球の歩き方 海外
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