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単位はポンド£(Pound。正しい発音は“ パウンド”)とペンスp(Pence)。紙幣は£5、£10、£20、£50(スコットランドとチャネル諸島のみ£1紙幣もある)。一般に£50紙幣はあまり使用されない。硬貨は1p、2p、5p、10p、20p、50p、£1、£2。スコットランドや北アイルランドなどでは独自の紙幣を発行しているが、イングランドでも通用する。ただし、チャネル諸島発行の貨幣は、イギリスでは使えないので注意。
また、スコットランドと北アイルランドの通貨は帰国後は換金できないので、使いきってしまうか、早めにイングランドの通貨に替えてしまおう。
イギリスの大切な輸出品のひとつとして「コイン(硬貨)」が挙げられる。ロイヤル・ミント(造幣局)では、合計80数ヵ国を対象にコイン、またはブランクと呼ばれる、金額などを彫り込む直前の状態のものを輸出しており、政府に属しながらも、旧植民地を中心に世界規模でしっかりビジネスを行っているのだ。
日本の硬貨に比べて重いイギリスのコイン。これでも、5ペンス、10ペンス、50ペンスはそれぞれ小型化&軽量化が実施された。1998年に登場した2ポンドは、イギリス初の「2色」デザイン。いうまでもなく、1ポンドより重くて大きいが、あまり出回っていないように感じる。日本の2000円札のように、不人気なのかもしれない。また、1ポンドについては、なかなか軽量化が進まなかったが、偽造が多いなどの問題で、2017年から12角形2色の新デザインの硬貨が登場した。
さて、コインがロイヤル・ミント作であるのに対し、紙幣はイングランド銀行の管轄。コインの場合、表に女王陛下の横顔が必ず彫られているが、紙幣にはやや斜め向き正面から描いた肖像画が印刷されている。5ポンド、10ポンド、20ポンド、50ポンドと4種類(スコットランドでは、いまだに1ポンド札を見かけることもある)。紙幣のデザインに関しては、独自で印刷しているスコットランド、北アイルランドでは異なるものの、イングランドとウェールズ版に関しては次のとおり。
5ポンド札
ウィンストン・チャーチル(1874 〜1965)。軍人、政治家、作家。第2 次世界大戦中に首相を務めた。
10ポンド札
2017年発行の新紙幣では、女流作家ジェーン・オースティンが10ポンド札の顔。
20ポンド札
アダム・スミス(1723 〜1790)。「経済学の父」と呼ばれる学者。『国富論』を著し自由貿易を支持するなど、現代経済の礎を築いた。2020 年2 月から画家ターナーの新紙幣に変更される予定。
50ポンド札
産業革命のパイオニアとして知られる、発明家ジェームズ・ワット(1736 〜1819)と起業家マシュー・ボルトン(1728 〜1809)のふたり。2021年には映画『イミテーション・ゲーム』で知られる天才数学者アラン・チューリングのものになる予定。
なお、5 ポンド札と10 ポンド札はポリマー(プラスチック)紙幣で、20 ポンド札と50 ポンド札も順次変更される。ポリマー紙幣は、通常の紙幣と同様折りたたむこともできるしATM でも使用可能。旧札は、イングランド銀行で新紙幣に交換できる。
また、スコットランドや北アイルランドのお札(日本での換金は不可)も、イングランドでの貨幣価値は1対1。理論上はイギリスのどこでも使えるのだが、それを知らない店員がイングランドには多い!イングランドの銀行各支店では手数料なしでイングランドの紙幣に交換してもらえる。
情勢の変化によっては、一旦公示された相場も変わる場合がありますので、両替の際は必ず店頭にてご確認いただきますようお願い申し上げます。