キーワードで検索
鹿児島県と沖縄本島のほぼ中間の洋上に位置する亜熱帯性気候の島、奄美大島。島の大部分は森林に覆われ、実に多くの生物が生息しています。自然だけでなく、島独自に発展した文化体験も奄美大島の魅力のひとつ。今回は奄美大島をめいっぱい楽しむための過ごし方をご紹介します。
目次
はじめに、奄美大島への行き方を確認しておきましょう。
奄美大島に行くには飛行機が便利です。奄美空港があるのは島北部の笠利町。羽田、成田、伊丹、那覇などから直行便が出ています。最寄りの空港から奄美大島へのフライトがなければ、鹿児島空港で乗り継ぎましょう。鹿児島空港と奄美空港の間は1日8~10便フライトがあり、所要時間は1時間10分ほど。
また、鹿児島~奄美大島~徳之島~沖永良部島~与論島~沖縄を結ぶフェリーも運航しているので、時間に余裕がある人はアイランドホッピングを楽しむのも手です。
02 地球の歩き方 島旅 奄美大島 喜界島 加計呂麻島(奄美群島1) 4訂版
島旅
2023/12/07発売ようこそ! 絶景スポットから遊び方、カルチャーまで、島の人たちが教えてくれた奄美大島の魅力を1冊に凝縮。さあ、島旅へ。
ようこそ! 絶景スポットから遊び方、カルチャーまで、島の人たちが教えてくれた奄美大島の魅力を1冊に凝縮。さあ、島旅へ。
2021年7月、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として日本で5番目の世界自然遺産に登録された奄美大島。「世界遺産」という言葉にひかれて奄美大島を旅先に選んだ人も少なくないかもしれません。まずは島の真ん中あたり、住用町にある奄美大島世界遺産センターを訪れ、奄美大島が世界自然遺産に登録された理由を学びましょう。
学ぶといっても小難しい話はなく、奄美大島世界遺産センターの展示は奄美大島の自然を体感できるのが魅力です。フィールドスコープをのぞいて森に潜む動物を発見したり、降り注ぐ雨の音や鳥のさえずりに耳を澄ませたりと、本当に奄美の森のなかにいるみたい。順路に沿って歩くと、奄美大島の自然の豊かさ、特異性をわかりやすく学べる仕組みになっています。
奄美大島世界遺産センターで奄美大島の生き物についてちょっと詳しくなったら、実際に自分の目で見てみたくなったのではないでしょうか? 有名なアマミノクロウサギをはじめ、奄美にすむ多くの生き物は夜行性。動物たちに会いたければ、夜の森を探検するのがいちばんです。
しかし、夜の森は迷いやすいし、素人がいきなり訪れて動物や昆虫、植物を見つけるのは至難の業。しかも森には猛毒をもつヘビ、ハブもいるのです! なので、夜の森へ行く際はナイトツアーに参加するのが必須。臆病で警戒心の強いアマミノクロウサギですが、それぞれの個体がお気に入りの場所をもっているため、周辺の環境を熟知しているガイドと一緒に訪れればかなりの高確率で見ることができます。
そのほかにも野鳥や昆虫、カエルと夜の森はとってもにぎやか。奄美の森にしかいない固有種も見ることができるかもしれません。
もちろん、昼間のアクティビティも豊富です。実は奄美大島の住用町に広がるマングローブの群生地は、西表島に次いで日本で2番目の広さを誇ります。このマングローブ原生林はカヌーで探検することができます。
所要1時間ほどのツアーで、最初に漕ぎ方のレクチャーもあるので初めてでも大丈夫。2人乗りのカヌーもあり、子供連れにも人気です。
ここで気をつけなくてはならないのが、満潮と干潮の時間。カヌーツアーは1日に数回実施されていますが、干潮と満潮の時間によって見られるものが違うのです。よく写真で見るようなマングローブのトンネルのなかをくぐり抜ける体験ができるのは満潮時のみ。一方、干潮時はミナミコメツキガニなど干潟にすむ生き物たちを観察することができるので、生き物好きにはオススメです。
忙しく動き回らなくたって、ビーチでぼーっと過ごすだけでも幸せ。奄美大島には美しいビーチが点在しています。少し車を走らせれば、ほぼプライベートビーチ状態。お気に入りのビーチを見つけて1日のんびりするのもいいでしょう。
笠利町にある土盛海岸は白砂と遠浅のクリアブルーの海が美しいビーチ。奄美空港から北に10分ほど車を走らせたところにあるので、飛行機で到着してすぐ直行する人もいる人気のビーチです。
また、湾のなかにあり波が穏やかな崎原ビーチや、倉崎海岸もおすすめ。
市街地に近いところではシャワーや売店などの設備も整っている大浜海浜公園が人気です。しかも、このビーチはウミガメの産卵地! ビーチに旗が立っていたらそこに卵があるので注意してくださいね。
そうそう、奄美の海にはウミガメがたくさんいます。なんとウミガメとシュノーケリングをすることができるんですよ。個人で訪れてもばったり会うことはあると思いますが、高確率で会いたいならツアー参加がおすすめです。海で悠々と泳ぐウミガメの姿は、水族館で見るのとはひと味もふた味も違う感動がありますよ。
奄美大島ならではの郷土料理も外せません。いちばん有名なのは鶏飯。ご飯に鶏肉、ネギ、錦糸卵などをのせ、鶏で取ったスープをかけていただく郷土料理で、奄美に来たら何が何でも食べておきたい逸品です。
いくつか専門店がありますが笠利町にある「元祖鶏飯 みなとや」が有名です。売り切れ次第終了なので、なるべく早めに訪れましょう。
豚足やヤギなどもよく食べるので、居酒屋などで見かけたらオーダーしてみて。また、スーパーに行くと、夜光貝や奄美産のマグロやカンパチ、島豚や鶏刺しなども並んでいます。キッチン付きの宿を借り、島ならではの食材を手に入れて料理してみるのも楽しいですよ。
伝統文化も多様で奥深い奄美大島。大島紬や独特の裏声歌唱が印象的なシマ唄、黒糖焼酎など、奄美独特の文化が数多くあります。
およそ1300年の歴史をもち、世界三大織物のひとつに数えられる大島紬について知りたければ大島紬村へ。亜熱帯植物に囲まれた庭園で、大島紬の製造工程を知ることができます。複雑で緻密な製造工程に驚きます。
夜は民謡酒場へ繰り出しましょう。郷土料理を食べたあとは、シマ唄ライブのスタート。お店にもよりますが、ラストはみんなで立ち上がり、歌い踊り多いに盛り上がります。
奄美大島は周囲およそ461km、離島では沖縄本島、佐渡に次いで3位の面積を誇る意外にも大きな島。島の中心地である名瀬市街地までは奄美空港から50分、古仁屋までは1時間40分〜2時間ほどかかります。公共交通機関は少ないので自由に移動したいならレンタカーがベスト。奄美空港の周辺にはレンタカー店が点在しているので、到着後ここで借りるのが便利です。レンタカーは軽自動車で1日7000円くらいから。もちろん、時期や保険の条件により値段はさまざまなのでニーズに応じて選んでください。
レンタカーを借りない場合は、公共交通機関を利用することになるので、時刻表をよくチェックしてスケジュールを組みましょう。
リゾートホテルに滞在する場合は、空港からの送迎が可能な場合も。またアクティビティに参加する場合も送迎してもらえることがあるので問い合わせてみるといいでしょう。
奄美大島は見どころが多いので、できれば2泊か3泊して、島の魅力を満喫してくださいね。さらに島らしさを感じたければ、加計呂麻島や喜界島に足を延ばしてみるのもおすすめです。
今回ご紹介したアクティビティ以外にも、奄美大島には魅力的な体験、スポットがもりだくさん。現在発売中の『地球の歩き方 島旅 奄美大島』で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
02 地球の歩き方 島旅 奄美大島 喜界島 加計呂麻島(奄美群島1) 4訂版
島旅
2023/12/07発売ようこそ! 絶景スポットから遊び方、カルチャーまで、島の人たちが教えてくれた奄美大島の魅力を1冊に凝縮。さあ、島旅へ。
ようこそ! 絶景スポットから遊び方、カルチャーまで、島の人たちが教えてくれた奄美大島の魅力を1冊に凝縮。さあ、島旅へ。
TEXT : 澄田直子(Atoll)
PHOTO:吉川昌志、PIXTA