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オランダのシンボリックな存在である風車やチューリップはもちろん、首都アムステルダムを中心に、名画が並ぶ美術館から歴史を感じる建築、自然が織りなす絶景まで、オランダの文化と自然を堪能できる名所が多く点在している。自転車文化も魅力のひとつで、オランダの美食を求めて自転車で探索する体験もまた一興。今回は、そんなオランダで訪れるべき10のスポットを紹介する。
オランダ美術の宝庫である国立美術館は、歴史とアートを愛する者にとって見逃せない国内最大級のミュージアム。ここには、レンブラントの『夜警』をはじめ、黄金期ともいえる17世紀のオランダ絵画が所蔵されている。建物自体も壮麗で、設計者はアムステルダム中央駅と同じペトロス・カイバース。広大な館内には、絵画だけでなく、歴史的な工芸品や絵画が展示されており、オランダ文化の豊かさを感じることができる。また、アムステルダムの町並みを一望できる屋上テラスからの眺めは絶景だ。音声ガイドやアプリを利用すれば、作品の背景や作者の意図を詳しく知ることができ、より深く鑑賞を楽しめるのでおすすめ。
アムステルダムには数多くの美術館があるが、ゴッホ美術館はそのなかでも人気の高い場所。天才画家フィンセント・ファン・ゴッホの作品を集めたこの美術館には、『ひまわり』や『寝室』など彼の生涯を彩った名作が揃っている。作品だけでなく、彼の手紙やスケッチ、収集していた浮世絵なども展示されており、ゴッホの思想や感情に触れることができる点も魅力。常設展だけでなく、ゴッホに影響を与えた画家や、彼の影響を受けた現代アーティストの特別展が開催されることも。心に強く訴えかけるゴッホの絵は、アートファンはもちろんのこと、ゴッホの人生に興味をもつ人にとっても、必見のスポットだ。
歴史に深く刻まれたアンネ・フランクの家は、アムステルダムで訪れるべき場所のひとつ。第2次世界大戦中、フランクフルトから逃れてきたアンネ・フランクとその家族が隠れ住んでいた場所であり、彼女が『アンネの日記』のもととなる日記を執筆した場所でもある。フランク一家が潜んでいた隠し部屋に通ずる回転式本棚や、彼女が日記を書き続けた部屋などを見ることができ、平和について深く考えさせられるだろう。歴史を学び、過去の過ちを繰り返さないために、アンネ・フランクの家を訪れることは非常に意味深い。予約制のため、事前にオンラインでチケットを購入しておくこと。
アムステルダム中央駅は、都市の玄関口として機能するだけでなく、その壮麗な建築美で多くの人々を魅了している。1889年に完成したこの駅舎は、国立美術館と同じペトルス・カイバースがデザインを担当し、ゴシック・リヴァイヴァル様式の影響を受けた壮大なデザインが特徴的だ。観光地としての機能も充実しており、レストランやショップが軒を連ね、訪れる人々にとって便利で楽しめるスポット。ヨーロッパ各地からの鉄道が乗り入れ、世界中の観光客を迎えてくれる。
17世紀のオランダを代表する画家レンブラントのかつての住居であり、彼の作品制作の場でもあったこの場所は、現在はレンブラント博物館として公開されている。館内はアトリエや住居スペースが当時のように再現されており、生活空間や創作の現場を間近に感じられる。また、250点を超えるエッチングやスケッチが展示され、エッチング画家としての一面も垣間見ることができる。レンブラントの生涯と作品を深く知ることができる歴史的な価値の高い場所であり、その独自の世界感に引き込まれるはず。
リッセに位置するキューケンホフ公園は、オランダの春を象徴する場所だ。広大な敷地には、チューリップをはじめヒヤシンス、アイリスなど約700株以上の花々が咲き誇り、その美しさで世界中から訪れる観光客を魅了している。公園内には色とりどりの花畑が広がり、絵のように美しい景色を楽しむことができる。また、テーマごとに異なるデザインが施されたガーデンや、花に関する展示も見どころだ。家族連れには園内にある動物園や迷路も人気で、1日中楽しめるスポットとなっている。チューリップの開花シーズンは非常に短いため、訪れる際はタイミングに注意が必要。オランダらしい風景を満喫するなら、外せないスポットだ。
オランダ第3の都市デン・ハーグにあるマウリッツハイス美術館は、フェルメールの名画『真珠の耳飾りの少女』をはじめ、オランダ黄金時代の傑作を所蔵する美術館だ。17世紀に建てられた宮殿のような優雅な雰囲気が漂う美しい建物自体も見どころのひとつ。館内には、レンブラントやルーベンスといった巨匠たちの作品が展示されており、美術館の規模は比較的小さいがその分じっくりと鑑賞できる点がうれしい。公式無料アプリを利用すれば、作品の背景や画家の人生についても深く学ぶことができるため、美術館を訪れる際には利用してみよう。
ユトレヒトで最大の博物館のセントラル・ミュージアムは、幅広いコレクションを誇っている。ここでは、中世から現代にいたるまでのユトレヒトに関連する美術品や工芸品が展示されており、特にディック・ブルーナのミッフィー関連の展示は世界中のファンに愛されている。展示は多岐にわたり、古代からの宗教画や彫刻、ファッションにいたるまでさまざまなジャンルのアートを網羅している。ユトレヒトの歴史や文化についても学ぶことができるので、地域を深く知りたいという旅行者にぴったりの場所だ。
キンデルダイクの風車群は、オランダの風車文化を代表する場所だ。1997年にユネスコ世界遺産に登録され、今なお19基の風車が保存されている。ネーダーヴァールト(ネーデルワルト)とブロックヴェアというふたつの風車が博物館になっており、風車内部を見学したり、当時の技術や生活について学んだりすることができる。周囲には水路や牧草地が広がり、休館中でも風車軍を眺めることができるので、オランダらしい風景を満喫するなら必見。フォトジェニックな風車のある風景を求めて、日々多くの観光客が訪れている。
ロッテルダムにあるキューブハウスは、現代建築の象徴であるユニークなデザインで観光客を魅了する。1980年代に建築家ピート・ブロムが設計したこの住宅群は、まるで幾何学的なパズルのような外観をもち、斜めに傾いた立方体の形が印象的。内部も斬新な設計で、家具や生活スペースが効率的に配置されている。その不思議を探りたい人のために公開されている一室では、実際に部屋に入ることができる。周囲にはカフェやショップも点在しており、散策しながら楽しめるのもうれしいポイントだ。ロッテルダムの町はこのような近代的な建築が多く、建築に興味がある人はぜひ訪れてみよう。
オランダは、歴史やアート、自然の美しさが見事に調和した魅力的な国。アムステルダムの美術館で世界的名画に触れ、キューケンホフ公園では春の彩りを満喫し、キンデルダイクでは風車のある風景に心を癒やされる。それぞれが異なる魅力をもちながらも、オランダの文化と歴史を深く感じさせてくれるだろう。訪れる季節や時間帯によって異なる表情を見せるため、何度でも訪れたくなること間違いなし。オランダの豊かな魅力を余すことなく体験し、心に残る旅の思い出を作ってほしい。