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フランクフルトはドイツの金融の中心地でありながら、歴史と文化が交差する町だ。超高層ビルが林立する一方で、中世の趣を残す旧市街や、ゲーテにゆかりのある文学スポット、名高い美術館など見どころが数多く存在する。観光客にとっては、伝統と現代が融合した独特の風景が魅力となる。今回は、そんなフランクフルトで訪れるべき観光スポット10選を厳選して紹介する。古き良きヨーロッパの雰囲気に浸りながら、近代的な町並みも楽しめるフランクフルトの魅力を感じてほしい。
フランクフルトの旧市街にあるレーマー広場は、中世の風情が色濃く残る場所だ。歴史的な建物が並ぶこの広場は、冬は伝統的なクリスマスマーケットが開かれ、町全体が輝きと温かさに包まれる。広場の西側面する切妻屋根の3軒の建物は、ドイツの古い町並みを代表するファサードが特徴で、その中でもレーマー(市庁舎)は、フランクフルト市民の誇りとされる場所だ。広場周辺にはカフェやレストランが多く、コーヒーを片手に景色を楽しむのもおすすめだ。
フランクフルトで文学に触れるなら、ゲーテハウスとドイツ・ロマン派博物館は見逃せない。ゲーテの生家であるゲーテハウスは、彼が過ごした幼少期から青年期の生活を垣間見ることができ、当時の家具や書物が展示されている。隣接するドイツ・ロマン派博物館は、ゲーテをはじめとするドイツロマン派の作家たちに関する資料が豊富に揃っており、文学ファンにはたまらないスポットだ。両施設を巡ることで、ゲーテの創作の源泉や、ドイツ文学の歴史に触れることができる。
フランクフルトで文化的な1日を過ごすなら、まず訪れたいのがシュテーデル美術館だ。この美術館は、700年にわたるヨーロッパの絵画を網羅するコレクションを誇り、レンブラントやボッティチェリ、ルーベンスといった巨匠たちの作品が展示されている。特に19世紀から20世紀にかけての絵画が充実しており、印象派から現代美術まで幅広く楽しめる。建物自体も近代的で、洗練されたデザインが訪れる人々を魅了する。
歴史と現代が交差する場所、新・旧市街広場は、レーマー広場から大聖堂へと続く区域。この広場はかつて戦災で破壊されたが、2018年に復元、再生し、新たな見どころとなっている。広場にはカフェやレストランが並び、ゆっくりと時間を過ごすのに最適。また、定期的に開かれるマーケットやイベントでは、地元の特産品や工芸品が並び、訪れる人々を楽しませている。かつてゲーテの叔母が住み、一時期ゲーテも滞在したという館も再建され、シュトゥールヴェルぺータ博物館となっている。
正式には「聖バルトロメウス大聖堂」といい、13~15世紀に建設されたゴシック様式の建物。神聖ローマ帝国皇帝の選挙などがあった教会。王侯の戴冠式が行われた「皇帝の大聖堂」としても知られ、ドイツの歴史において重要な役割を果たした場所だ。高さ95メートルの塔は町のランドマークとなっており、内部のステンドグラスや彫刻が訪れる人々を魅了する。塔の上からはフランクフルトの町並みを一望でき、壮大な景色に感動すること間違いなしだ。
フランクフルトのスカイラインを一望できるスポット。高さ200メートルを超えるこのタワーの展望台からは、町の全景が360度広がり、晴れた日には遠くの山々まで見渡せる。夜になると、町のライトアップが一層美しく、ロマンチックな時間を過ごすのもよし。タワー内にはレストランもあり、食事をしながら絶景を楽しめるのも魅力だ。ビジネス街の中心に位置し、周辺にはモダンな建築物が立ち並ぶため、散策しながら都会的な雰囲気を味わおう。
1880年にパリのオペラ座をモデルとして建設されたこのオペラハウスは、戦後に復元され、現在はクラシックのコンサートやポップス、ロック、ジャズ等のイベント、ミュージカル、バレエの客演などの会場として利用されている。豪華な内装と荘厳な外観は、訪れる人々を魅了し続けている。音響も非常に優れており、クラシック音楽の愛好者にはたまらない場所だ。
ライン川の南岸に位置する博物館群にはこのエリアには10以上の博物館が集中しており、芸術、歴史、映画、建築など、様々なテーマをもつ施設が並ぶ。特に、ドイツ映画博物館や建築博物館は専門的な展示が充実しており、マニアックなテーマにも深く切り込んでいる。毎年開催される「博物館ナイト」では、夜通し各館が開館し、特別なプログラムやイベントが楽しめる。博物館好きには1日中過ごせる場所であり、文化に浸りたい人には絶好のスポットだ。
フランクフルトの現代アートシーンを代表する施設が、モダンアート美術館。この美術館は、世界的に有名な現代アーティストの作品を数多く所蔵しており、ユニークな展示方法や大胆な建築デザインが特徴的だ。館内では、絵画や彫刻だけでなく、インスタレーションやビデオアートなど多彩な表現が楽しめる。現代アートに触れたい人や、新しい感覚を刺激したい人にとっては、訪れる価値のある場所だ。
フランクフルト中心部に位置するカタリーナ教会は、町の喧騒から逃れて静かな場所に建つ。このバロック様式の教会は、戦火を乗り越えてきた歴史を持ち、その静謐な雰囲気は訪れる者の心を落ち着かせる。教会内部には、精巧な装飾や美しいステンドグラスがあり、特に日差しが差し込む時間帯には幻想的な光景が広がる。1970年にはモーツァルトがオルガンを弾いたことで知られる。
フランクフルトは歴史と現代が絶妙に融合した町。美術館や博物館でアートに浸り、歴史的建造物や広場を歩けば時代を超えた旅が楽しめる。さらに、摩天楼からの眺望や音楽の響き渡るオペラハウスなど、都会の魅力もしっかりと味わえる。ビジネス都市としての一面を持ちながら、フランクフルトは訪れる者に多様な体験を提供してくれるだろう。