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パリ大会での感動が記憶に新しいフランス。秋も深まり、美しい旅行シーズンを迎えています。そんなフランスへの旅、直行便で行くのもいいけれど、気になる都市にトランジットで立ち寄ってみてはいかがでしょう。例えば台北を経由するエバー航空なら、台北周辺、パリ両都市の魅力を味わえて、楽しみ倍増!
2024年に日本就航30周年を迎えたエバー航空。スターアライアンスの一員であり、就航地は世界50ヵ国以上。日本からは、東京、大阪、札幌などと結ぶ定期便はもちろん、その先の世界各地へと、多くの乗客を運び続けている人気エアラインです。ヨーロッパでは、パリ(CDG)、ミュンヘン(MUC)、ミラノ(MXP)、ウィーン(VIE)、ロンドン(LHR)、アムステルダム(AMS)の6都市に就航しており、東京発台北(桃園国際空港)で、同日乗り継ぎ可能な便も多く運航しています。エバー航空のチケットとともに、ドイツ、イタリアなどヨーロッパ提携鉄道(フランス国鉄は含まれない)の乗車券も購入できる”Rail & Fly”サービスもあり、ヨーロッパを周遊したい人にも利用価値の高いエアライン。その質の高いサービスと安全性は、国際的な品質評価組織SKYTRAX社から長年にわたり5つ星エアラインと認定されているほど。世界が認めるクオリティを実際に体験すべく、台北経由パリ行きのフライトに搭乗しました。
エバー航空のチケットを予約したら、まずやっておきたいのは、公式アプリのダウンロード。エバー航空の運航状況がわかるほか、必要な情報をこまめに知らせてくれます。搭乗口の変更については、どのエアラインでもオンタイムで通知されますが、預け荷物の運搬状況まで知らせてくれるなどサービスが細やか。待ち時間も心穏やかに過ごすことができます。出発の24時間前にはオンラインチェックインが可能です。搭乗券は印刷する必要はなく、スマートフォンの画面に提示される2次元コードをかざせば搭乗できます。
■エバー航空公式ウェブサイト
フライトへの搭乗は出発時刻約30分前に開始されます。座席のゾーンごとに搭乗するので、搭乗券に記載されたゾーンを確認しておきましょう。今回利用した機体B787は、グレーを基調としたファブリックの座席など、落ち着いた雰囲気。トイレは蓋や便座に直接触れなくてよいよう取っ手が付いているなど、衛生面での配慮もされています。何より感動したのは、トイレに備えられたアメニティにパリブランドの「パイヨPayot」が使われていたこと。自然由来の成分をおもに使用したコスメブランドで、乾燥する機内でも、しっかり肌を守ってくれそうです。
成田から台北までは約3時間40分のフライト。途中1回機内食のサービスがありますが、ワゴンサービスが始まる前、個別に食事を受け取っている方もいらっしゃいました。24〜72時間前までに申し込めば、宗教上の理由やアレルギーに配慮した特別メニューへの変更が可能なのだそう。例えば同じベジタリアンミールでも、中華風か西洋風、卵・乳製品の使用有無など、細かく指定することができ、しかもおいしいとあって、制限の有無に関わらずオーダーする人もいるのだとか。フルーツプレートもあり、台北でのトランジット時間に現地グルメを堪能すべく、おなかに余裕を持たせておきたい方におすすめです。
通常の機内食は2種類から選べます。この日のメニューは、海鮮焼きそばもしくは牛丼。杏仁豆腐とフルーツも付いてボリュームたっぷり。白ワインとともにいただきました。
台北には、桃園(タオユエン)国際空港と松山(ソンシャン)空港のふたつの空港があります。今回は国際線が多数発着する桃園空港着。入国せずに乗り継ぐ場合は、「トランスファー」と書かれた表示に従って、搭乗ゲートへと向かいましょう。荷物は、入国の有無に関わらずパリまで運ばれるので、ピックアップして再度チェックインする必要はありません。
乗り継ぎ時間に余裕があるなら、台湾のプチトリップを楽しみたいもの。ビザは必要ありませんが、機内で配られる入国カードが必要です。降機前に記入しておきましょう。また、飛行機を出たところに置かれているカードをもらうのを忘れずに。これは、家畜の伝染病汚染国発の便を利用していないことを証明するカードで、もらい忘れると再度荷物チェックを受けなければなりません。カードがあれば、検疫をそのまま通過でき、時間のロスを防げます。
入国審査を終えたら、そこはもう台湾。空港ターミナルビルにいるだけでも、アジアを旅している気分に。乗り継ぎ便の出発時刻まで6時間以上ある場合は、町に出ることも可能です。空港ターミナルビルと市内はメトロMRTで結ばれており、市内まで約40分。台北名物の「夜市」を体験できます。MRT駅から比較的近い「寧夏夜市」などで、市場ならではの熱気や風情を感じながら、屋台グルメを満喫しては。ただし、楽しみすぎて時間を忘れることのないように! 出発の2時間前には空港に戻って来られるよう、時間配分に気をつけましょう。トランジットの時間がたっぷりある場合は、エバー航空がMyTaiwanTourと提携して企画している「トランジット旅行体験ツアー」を利用しても。4種類のツアーがあり、貴重な文化財を展示している「故宮博物院」、小籠包で有名な「鼎泰豊」、高層ビル「台北101」などを訪れる充実した内容で、エバー航空のウェブサイトから予約が可能です。
今回はトランジットの時間を考慮して空港に留まり、ターミナルビルを探検してみることにしました。この場合も入国の必要があります。入国カードには台湾での滞在先(ホテル)を記入する欄がありますが、「トランジットTransit」と書けばOK。
桃園空港のターミナルビル内で楽しみたいのは、やっぱり台湾グルメ。4階にもレストラン街がありますが、おすすめは地下にあるフードコートです。麺やスイーツなどさまざまな店が並び、購入したら好きなテーブルでいただけます。たくさんあって迷いましたが、台湾らしい一品として牛肉麺(ニューローメン)をセレクト。八角の香りに包まれた濃厚なスープと細めの麺をいただくと、町なかの屋台にいるような気持ちに。台湾の伝統的スイーツ「豆花(トウファ)」の店もあり、ハシゴして楽しめるのも魅力です。
食事のあとは、ふたつある展望デッキへ。夜の空港風景は旅情たっぷり。発着する飛行機を眺めていると、新たな旅へと誘われます。ターミナルビルを散策しているうち搭乗時間の2時間前になったので出国審査場へ。対面式で1時間近くかかった入国審査と異なり、出国審査は顔認証であっという間にパス。ただ、桃園空港はとても広く、搭乗ゲートまでかなり歩くこともあるので、時間には余裕をもちたいもの。ゲート近くにはウエイティングスペースがあり、搭乗時刻までの待ち時間を過ごすことができます。森の中をイメージした個性的なスペースも。空港内はフリーWi-Fi、テーブルには電源やUSBポートが設置されているので、SNSのチェックや充電も可能です。
台北からパリへのフライトは23:30発、パリまでの飛行時間は約14時間30分。到着するのは翌朝なので、機内で長〜い夜を過ごす感覚です。パリ行きの機体は、成田〜台北間とは異なり大型のB777になりましたが、トイレのアメニティは台北行きと同じフランスブランド。座席前のスクリーンの背景もパリの風景に変わり、いよいよフランスに向かうんだなと、わくわくしてきます。飛行中の機内食サービスは2回あり、離陸後、1時間ほどでディナータイムに。メイン料理は2種類から選ぶことができ、この日のメニューは牛肉のソテーとローストチキン。エスニック風味も感じさせる味で、ワインとともにおいしくいただきました。スクリーンの下にはUSBポートが備えられているので、休んでいる間、スマートフォンやスマートウオッチの充電ができます。
長年国際線を利用してきましたが、今回初めて体験したのが、機内でのインターネット接続。エバー航空は2024年12月31日まで、「30分間無料Wi-Fi体験サービス」を行っており、さっそく試してみました。手続きは簡単。スクリーンに表示された2次元コードを撮影して、メールアドレスを入力するなど、表示のとおりに進めていくと無事接続。さっそくSNSでポストして、空の上で「いいね!」をもらいました。もう少し長い時間利用したい、画像をダウンロードしたいといった方には、機内で購入できる有料プランもあります。
パリ到着2時間ほど前には、朝食のサービスがあります。ちょうどお腹もすいてきた頃、ホットミール付きの、しっかりとしたボリュームの朝食はうれしい限り。ディナーと同じく2種類から選ぶことができ、今回は中華粥もしくはオムレツの入った洋風プレートでした。中華粥は、長旅の疲れを癒やしてくれる優しい味。食事のあとは、ワゴンサービスによる免税品販売があります。フランスのブランドのハンドクリームや香水など、スクリーンでリストをチェックしていると、復路便でのおみやげショッピングも楽しみになってきました。
朝の8:40頃にパリのシャルル・ド・ゴール空港ターミナル1に到着。顔認証による入国審査はスピーディだし、荷物受取りの時間を考慮しても、10:00頃には空港を出ることができます。空港とパレ・ガルニエ(パリ・オペラ座)近くにある停留所まで結ぶロワシーバスなどで市内まで約1時間。ホテルのチェックインタイムは一般的に14:00頃ですが、それまで荷物を預かってくれます。パリは台北より気温が低いので、羽織るものを持って、いざ町へ。
パリ大会の会場となったコンコルド広場など、今も会場の撤去と整備作業が行われている所もありますが、凱旋門もエッフェル塔も普段どおりの観光名所に。ルーヴル美術館にも長蛇の列が。特別なイベントがなくても、世界から愛されるパリの町がそこにありました。
今回のパリ行きで、初めて台北乗り継ぎ便を利用しましたが、「トランジット」は、利用の仕方次第で、「小旅行」になることを実感しました。一度の旅で、アジアとヨーロッパの人気都市を楽しむことができ、ちょっぴり得した気分。トランジットの時間をもう少し長くとって、台北もしっかり観光してみたい、と早くも次の旅へと思いをはせています。