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ハワイ諸島のなかで最も手つかずの自然が残るカウアイ島は、「ガーデン・アイランド」として知られる緑豊かな楽園だ。観光開発が控えめなこの島では、雄大な景観と静寂に包まれた時間が流れる。島を縁取るナ・パリ・コーストの断崖絶壁、ワイメア渓谷州立公園の壮大な景色、そして穏やかなビーチが広がるハナレイ湾など、見どころが点在している。また、カウアイ島はハリウッド映画のロケ地としても有名で、多くの映画にカウアイ島の美しい風景が登場している。この記事では、そんなカウアイ島の魅力を存分に味わえる10の観光スポットを紹介する。
カウアイ島の自然美を象徴する場所といえば、ナ・パリ・コーストだろう。ここは、数100mもの断崖絶壁が連なる海岸線で、その壮大さは一度目にしたら忘れられないだろう。険しい山々が海に向かってそびえ、その間を縫うように滝が流れ落ちる。ハイキング、ボートツアー、あるいはヘリコプターからの空中散歩で、この景観を楽しむことができる。特にカララウ・トレイルは冒険心をくすぐる人気のトレイルで、ハイカーたちに大人気。難易度の違う3段階のコースに分かれていて、初心者向けコース以外はキャンプが必要な長いトレイルだが、終点のカララウビーチからは、頑張った者にしか見られない絶景が広がる。
「太平洋のグランドキャニオン」とも称されるワイメア渓谷は、ハワイ諸島最古のカウアイ島ならではの場所だ。全長16kmにわたって続くこの渓谷では、雨水の浸食で造り出された色とりどりの岩肌と、緑豊かな植生が織りなす景観で構成されている。展望台から望む深さ約1000mの渓谷は、まるで別世界に迷い込んだかのような光景。また、渓谷内にはいくつかのトレイルがありハイキングを楽しむこともできる。特におすすめなのは、プウ・ヒナヒナ望台からの景色。晴れた日には遠くにナ・パリ・コーストの断崖絶壁を望むこともできる。
カウアイ島の北端に位置するキラウエア・ポイントは、海鳥保護区としても知られている。ここは、雄大な断崖絶壁と青い太平洋のコントラストが美しい。特に有名なのはキラウエア灯台で、この白亜の灯台が青空に映え、フォトジェニックな光景が広がる。またキラウエア・ポイントでは、多くの海鳥やハワイアンモンクシール、さらに冬季にはザトウクジラの姿を見ることができ、野生動物の観察にも最適だ。
ワイルア滝は、カウアイ島の象徴的な自然景観のひとつ。この滝は、高さ約24mから勢いよく水が落ちる姿が印象的で、霧状に広がる水しぶきがしばしば虹を作り出す。滝の周囲には展望台が設置されており、間近でその迫力を楽しむことができる。車でアクセスでき、比較的訪れやすいのも嬉しいポイント。また、この滝はハワイの伝説とも深い関わりがあり、古代ハワイアンがこの場所で儀式を行ったともいわれている。
カウアイ島の歴史を感じる場所として訪れたいのが、アレココ・フィッシュポンドだ。ここは、かつてハワイアンが築いた養殖池で、魚を効率的に捕まえて育てるために設計された高度な技術が詰まっている。伝説では、メネフネという小人族が一夜にして築いたという。今日でもその姿を保ち、1973年には国の歴史的建造物として登録。島の文化的遺産として大切にされている。フィッシュポンドは、静かなワイルア川のほとりに位置し、周囲の自然と調和した美しい風景が広がる。訪れる際には、自然散策や写真撮影を楽しみながら、ハワイアンの伝統的な生活や知恵に思いをはせてみよう。
カウアイ島のワイルア川を遡った先にあるシダの洞窟は、かつてハワイの王族や貴族階級だけが訪れることを許された聖域だ。シダが一面に生い茂り緑に包まれたこの洞窟は、古代ハワイアンが神聖な儀式を行った場所としても知られており、今でもその静謐な空気の中に雰囲気を感じ取ることができる。洞窟へは、ボートツアーでのみアクセス可能で、ハワイアンミュージックのライブや、ツアーガイドが語るハワイの伝説や歴史を聞きながら、カウアイ島の自然を満喫できる。ワイルア川をゆったりと進み、洞窟に到着する頃には、まるでタイムスリップしたかのような感覚に包まれるだろう。洞窟へ入ることはできないが、近くに設置されたデッキから見ることができる。
広大なキロハナの敷地を走るカウアイ・プランテーション・レイルウェイは、カウアイ島の歴史を感じながら観光できる家族連れにも大人気のツアーだ。このレイルウェイは、往年の機関車を模した車両でサトウキビプランテーションの跡地を巡り、カウアイの農園風景を楽しむことができる。車窓には、広大な農地や果樹園や熱帯植物園が広がり、途中の牧場では下車して、動物に餌やり体験をすることも可能で、自然との触れ合いを満喫できる。ガイドが農業の歴史やカウアイ島の文化について詳しく説明してくれるため、学びのある楽しいひとときが過ごせる。ゆったりとした島の時間を感じられるユニークな体験だ。
カウアイ島の北岸に位置するハナレイ湾は、穏やかなビーチリゾートとして知られている。緩やかなカーブを描く白砂のビーチと、背後に広がる緑豊かな山々が作り出す風景は、まさに絵画のよう。ここではサーフィン、SUP(スタンドアップパドル・ボード)といったマリンアクティビティを体験できる。ビーチにはピクニックテーブルやバーベキュー施設、トイレやシャワーも整備されており、ビーチ沿いにあるカフェやレストランで地元の料理を楽しむこともできる。
カウアイ島の南部に位置するアラートン・ガーデンは、自然の美しさと人の創造力が融合した植物園であり、野外美術館でもある。ハリウッド映画『ジュラシック・パーク』の撮影地としても有名で、映画のワンシーンを思い出しながら散策するのも楽しい。敷地内には、見事にデザインされた庭園が広がり、さまざまな植物が彩り豊かに咲き誇る。庭園のなかには歴史的な彫刻や建物が点在している。アラートン・ガーデンは基本的にはガイド付きツアーで訪問することになる。植物や歴史について詳しく学びながら、ゆったりとした時間を過ごせる。
カウアイ島南岸に位置するポイプの潮吹き穴は、自然が作り出したユニークな景観のひとつ。潮の満ち引きに合わせて、海水が数ヵ所の岩の間から轟音をたてて勢いよく噴き出す様子は、まるで地球が呼吸をしているかのようだ。波が高い時期には数mの高さまで水が噴き上がり、観光客を驚かせる。周囲には遊歩道が整備されており、ゆっくりと散策しながらこの自然現象を観察することができる。伝説では、潮を吹く音は魔物の叫び声、吹き出す潮は魔物の吐く息だといわれている。夕方には美しいサンセットを楽しむことができるため、デートスポットとしても人気が高い。
カウアイ島はハワイ諸島のなかでも特に自然が豊かで、静けさに包まれた癒やしの島だ。訪れる者を迎えるのは、断崖絶壁が連なるナ・パリ・コーストや、壮大な渓谷が広がるワイメア渓谷州立公園など、長い時間が造り出した大自然の絶景ばかり。ハナレイ湾の穏やかなビーチや、キラウエア・ポイントの灯台から絶景を眺めると、島全体がひとつの巨大な美しい庭園のように感じられるだろう。また、シダの洞窟やアレココ・フィッシュポンドといった歴史的な場所を巡り、島の文化や伝統に触れるのもカウアイ島ならではの観光だ。ハワイを訪れる際にはカウアイ島への訪問もぜひ組み込んでみてほしい。カウアイ島で新たなハワイ旅の思い出を作ろう。