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イランは、豊かな歴史と美しい建造物が魅力。古代ペルシャ帝国の栄華を感じさせる「ペルセポリス」や、イスファハーンの豪華絢爛な「エマーム広場」、そしてシーラーズの幻想的なモスク「マスジェデ・ナスィーロル・モルク」などの観光スポットが点在している。また、イランのホスピタリティも魅力のひとつ。この記事では、そんなイランを訪れるならぜひ足を運びたい10のスポットを厳選して紹介する。これらの場所を巡れば、イランの魅力を堪能できるはず。
ペルシャ建築の傑作として名高いエマーム広場。エスファハーンの中心に広がるこの広場は、サファヴィー朝の王アッバース1世によって建てられた。世界遺産にも登録されており、広場を囲む美しい建築群はどれも壮麗で、特にシェイク・ロトフォッラー・モスクの鮮やかなタイル装飾や、アリ・カプ宮殿から眺める広場が美しい。日が沈む頃に広場を散策すれば、歴史の足跡を感じることができる。夜にはライトアップされたモスクや宮殿が幻想的に輝き、その美しさに酔いしれるだろう。
エスファハーンのイマーム広場に位置するマスジェデ・エマームは、イスラム建築の頂点ともいえる壮麗なモスクだ。このモスクは、17世紀にサファヴィー朝の王アッバース1世によって建立された。その壮大さと青と白のタイルで覆われたドームの美しさに思わず見とれてしまうだろう。モスクの内部は中央で話すとその声が建物全体に響き渡る仕掛けが施されている。このモスクは、イスラム建築の美の極みを体感できる場所である。
エスファハーンを代表するふたつの橋、スィー・オ・セ橋とハージュー橋は、ザーヤンデ川に架かる美しい石造りの橋。スィー・オ・セ橋は、33のアーチが連なる長さ約300mの橋で、昼は川沿いを散策する人々でにぎわう。ハージュー橋は、アーチ型の窓から差し込む光が美しく、川面に映るその姿はまるで絵画のよう。この橋の上から見る日没は息をのむ美しさで、多くの旅行者がカメラを手に集まる。
砂漠のなかにそびえる巨大な石柱群、ペルセポリス。ここは、かつてのアケメネス朝ペルシャ帝国の都であり、王たちの権力と栄光を象徴する場所。紀元前6世紀頃に建てられたこの都市を訪ねれば、当時にタイムスリップしたかのような感覚に包まれるだろう。特に「万国の門」は、その大きさと彫刻の精緻さに驚くはず。また、ペルセポリスのレリーフは、当時のペルシャ帝国がどれほど広大で文化的な影響力をもっていたかを物語っている。
朝の光が差し込むと、まるで万華鏡のなかにいるかのような光景が広がる。それが、シーラーズにあるマスジェデ・ナスィーロル・モルク、通称ピンクモスク。19世紀後半に建設されたこのモスクは、色鮮やかなステンドグラスと壁面を飾る幾何学模様のタイルが印象的。日差しが強まる朝の時間帯に訪れると、光がステンドグラスを通してモスク内を彩り、幻想的な雰囲気が漂う。刻一刻と変化するこの光の魔法は、見ていても飽きがこない。
シーラーズにあるシャー・チェラーグ廟は、イランの宗教的中心地として知られる。廟内に入ると、無数の小さな鏡が張り巡らされた壁と天井が光を反射して幻想的な空間を作り出す。夜にはライトアップされた廟が星空のように輝き、訪れる者をその美しさで包み込む。廟の周囲には広々とした庭園があり、静かな時間を過ごすことができる。ただし、訪れる際は信仰の妨げにならないよう配慮すること。
世界遺産に登録されているエラム庭園は、13世紀にその起源をもち、改築を繰り返しながらもペルシャの伝統的な庭園様式を保ち続けてきた。庭園内には、色とりどりの花々が咲き誇り、中央に配置されたプールを取り囲むように木々が茂っている。また、庭園内にはシーラーズの富裕層の居宅であったとされる豪華な建物がある。
ゴレスターン宮殿は、ガージャール朝時代に建設された宮殿。ペルシャの伝統的な建築様式と西洋の影響を受けた豪華な装飾が融合しており、訪れる者をその美しさで魅了する。大理石の玉座やミラー・ホールは特に見応えがある。また、宮殿内には歴史的な展示物や絵画が数多く展示されており、ガージャール朝時代の王族たちの生活を垣間見ることができる。
ペルシャ文明の歴史を知りたいならイラン考古学博物館は必見。ここには数千年にわたるイランの歴史を物語る貴重な遺物が展示されている。特に、ペルセポリスやスーサの遺跡から発掘された彫刻やレリーフ、古代の陶器や金属製品など、イランの歴史的な深さを物語る展示品を見ることができる。博物館内にはイラン各地から集められた出土品が数多く展示されており、ペルシャ帝国の栄華を感じられるだろう。
ヤズドの郊外にある「沈黙の塔」は、ゾロアスター教の伝統的な葬儀場として知られる。この塔は砂漠のなかにポツンと立ち、静寂に包まれたその姿はどこか神秘的。ゾロアスター教では、死者の遺体を鳥に食べさせることで魂を浄化するとされており、この塔がその儀式の場として使われていた。塔の頂上に登ると、ヤズドの町と周囲の砂漠の広大な景色が広がる。また、塔の下にはかつてゾロアスター教徒たちが住んでいた村があり、その遺跡も見学することができる。
イランは古代の歴史と現代の文化が見事に融合した国だ。ペルセポリスの壮大な遺跡やエスファハーンの美しいモスク、シーラーズの静かな庭園など、どのスポットも訪れる者に深い感動を与える。イランの観光地を巡る旅は、単なる観光以上の体験を提供してくれる。また、イランの食文化や伝統工芸も見逃せない魅力のひとつ。ぜひ、この国の美しさと豊かな文化に触れ、心に刻まれる旅を楽しんでほしい。