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スペインの気候と季節ごとの服装
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世界遺産に芸術に美食に……なにをしても感動間違いなしの旅先スペイン。ヨーロッパの主要国のなかでは比較的物価が安いとされてきましたが、世界的なインフレやユーロ高もあり、近年は旅行コストが上昇しています。でも、せっかくスペインまで行くなら、観光もグルメも目いっぱい楽しみたいですよね。そこで、少しでもお得に賢く旅するためのヒントをご紹介しましょう。
一般的にスペイン旅行に適しているのは、3月末から10月末にかけて。この期間はサマータイムが実施されるため昼間の時間が長く、夜遅くまで観光や町歩きを楽しめます。ただし、3月末~4月のイースター週間(日程は毎年変わるので要確認)は、観光地がたいへん混雑するうえ、ホテル代も高騰するため、できれば避けたほうがよいでしょう。また、バカンスシーズンの7・8月も観光地やリゾート地は混み合います。
旅行費用をなるべく抑えたいなら、11~2月のオフシーズンが狙い目です。この時期は日本からの航空券代が安くなるほか(年末年始を除く)、ホテルもリーズナブルな料金で泊まることができます。またオンシーズンに比べると旅行者が少ないため、混雑を避けて観光できるのもメリット。地中海に面したバルセロナ、スペイン南部のアンダルシア地方は冬でも比較的温暖なので、これらの地域を中心に訪れるのがおすすめです。
近年スペインでは、観光客の増加にともない、人数制限を設ける観光スポットが増えています。なかでも、バルセロナのサグラダ・ファミリア聖堂とグラナダのアルハンブラ宮殿は、オンシーズンともなると1ヵ月以上も前にチケットが売り切れてしまうことも。いずれも窓口でのチケット販売はしておらず、公式サイトでのオンライン販売のみ。せっかく行ったのに入場できなかったということがないように、旅行の日程が決まったらすぐに手配しておきましょう。
窓口でチケットを販売しているところでも、公式サイトでオンライン購入したほうが安くなる場合もあります。たとえば、ガウディ建築のカサ・ミラは通常チケットで€2、カサ・バトリョはチケットの種類によっては最大€15もお得に。行きたい観光スポットがある場合は、まず公式サイトをチェックしてみましょう。
■サグラダ・ファミリア聖堂 Basílica de la Sagrada Família
URL https://sagradafamilia.org/en
■アルハンブラ宮殿 Palacio de la Alhambra
URL https://www.alhambra-patronato.es/en
■カサ・ミラ Casa Milà
URL https://www.lapedrera.com/ja
■カサ・バトリョ Casa Batlló
URL https://www.casabatllo.es/ja
スペインのミュージアムは、特定の日時に無料で一般公開しているところがあります。マドリード3大美術館として知られる、プラド美術館は月~土曜18:00~20:00(日曜と祝日17:00~19:00)、ティッセン・ボルネミッサ美術館は月曜12:00~16:00、ソフィア王妃芸術センターは月~土曜19:00~21:00(日曜12:30~14:30)が無料に。ただし入場を待つ長い行列ができるので、並ばないで入りたい、または時間を気にせずゆっくり鑑賞したいという人は、これら3つの美術館に使える「パセオ・デル・アルテ(Paseo del Arte)」という割引入場券がおすすめ。別々に買うよりも20%お得になります。
また、バルセロナでは多くの美術館や博物館が各月の第1日曜、スペイン全体では毎週土曜の午後と日曜に無料になるところが多いので、日程が合えばうまく活用したいですね。
学生や26歳未満の人なら、国際学生証(ISIC)または国際青年証(IYTC)を日本出発前に作成しておきましょう。これらのカードがあれば、多くの観光スポットやミュージアムに割引料金で入場できます。また、シニア割引(通常は65歳以上)がある施設も多いので、該当する人はパスポートのコピーなど年齢を証明できるものを携帯するとよいでしょう。
■プラド美術館 Museo del Prado
URL https://www.museodelprado.es/en
■ティッセン・ボルネミッサ美術館 Museo de Thyssen Bornemisza
URL https://www.museothyssen.org/en
■ソフィア王妃芸術センター Museo National Centro de Arte Reina Sofía
URL https://www.museoreinasofia.es
■ISIC Japan(国際学生証・国際青年証)
URL https://isicjapan.jp
美食の国スペインでは、食事も旅の醍醐味のひとつ。レストランでの食事は、前菜、メイン、デザートと、通常は2時間ほどかけてゆっくり楽しみます。予算はレストランにもよりますが、ひとり€25~40が目安。またランチなら、€15~20ほどで日替わりセットメニュー(Menú del Día)が食べられます。
軽く食べたいときは、バルでボカディーリョ(バゲットにハムやオムレツなどを挟んだスペイン式サンドイッチ)がおすすめ。飲み物と合わせても€6~10とリーズナブルです。このほか、タパス(小皿料理)やピンチョス(複数の食材を爪楊枝や串に刺したもの)を出すバルもたくさんあります。生ハムやオリーブから、ポテトサラダやマリネなどの冷菜、アヒージョやオムレツの温菜、レストラン顔負けの本格的な料理まで、いろいろな味を少しずつ楽しめるのが魅力。ただし、たくさん頼むとレストランより高くつくことがあるのでご注意を。
市場グルメにも注目。バルセロナのサン・ジュセップ市場では生鮮食品を中心に200店舗以上が並び、見て回るだけでも壮観ですが、生ハムやピンチョス、カットフルーツなどの食べ歩きも楽しめます。また、歴史ある市場をモダンに改装したマドリードのサン・ミゲル市場には、老舗や有名店が集結。シーフードや肉類をはじめスペイン各地から集められた高品質な食材、ミシュラン星付きシェフによるパエリャやアイスクリームなどを手軽に味わえるとあって、いつも観光客で大混雑しています。このほかにもバルセロナやマドリードには個性的な市場がたくさんあるので、お気に入りを見つけるのも楽しいですね。
スペインならではの食材やお菓子などが揃うスーパーは、プチプラみやげの宝庫。またおみやげを買うだけでなく、旅行中の食事やおやつを調達したりと、強い味方になってくれます。数あるスーパーのなかでも、編集室のおすすめはエル・コルテ・イングレスとメルカドーナ。エル・コルテ・イングレスは国内に約80店舗を構える百貨店グループで、洋服や化粧品、日用品などを扱うほか、通常は地下にスーパーがあります。またスペイン全土に1600店以上を展開するメルカドーナは、「低価格で高品質」がモットーで、地元スペイン人の圧倒的な支持を得ています。
旅行中に毎食レストランで食事すると、それなりの費用がかかるもの。ときにはスーパーで食料を買ってきて、ホテルでゆっくり食事を楽しんでみては? パックサラダ、量り売りの生ハムやチーズ、パエリャやオムレツなどの総菜、ワインがあれば立派なディナーになります。また朝食も、ホテルで食べるとブッフェで€10~20ほどかかりますが、スーパーで揃えれば安上がり。メルカドーナには焼きたてベーカリーやオレンジの生搾りジュースマシンがあり、これにヨーグルトやフルーツを足せば、充実した朝食になります。
■エル・コルテ・イングレス El Corte Inglés
URL https://www.elcorteingles.es
■メルカドーナ Mercadona
URL https://www.mercadona.es
大都市ではメトロと市バスを使っての移動が便利。もしひとつの都市に2日以上滞在するなら、回数券を購入するのがおすすめです。バルセロナの「T-Casual」は、メトロとバスのほかトラムや近郊線など市内の公共交通機関のほとんどに使用でき、10回乗車分で€12.15(カード代別途€0.50)。乗車のつどチケットを買うと€2.55なので、5回以上乗ると元が取れます。
マドリードの「10 Viajes」は、メトロとバスに10回乗車でき、€12.20(カード代別途€2.50)。こちらは1枚のカードで同時に3人まで乗車できるので(ひとりが改札を通ったあと次の人にカードを手渡せばOK)、家族や友人と共用することも可能です。いずれの回数券もカードにチャージして繰り返し使用できます。
スペインでは都市間の移動に列車かバスを利用するのが一般的。バスは料金は安いですが、長距離だと時間がかかるので、列車のほうがおすすめです。マドリードとその他の主要都市をスペイン鉄道(Renfe)の高速列車AVEがつないでおり、マドリード~バルセロナ間は所要2時間30分~3時間10分。料金は列車によって異なり、ピークタイムが€100~130、その他の時間帯が€50~80程度です。
2021年には鉄道のLCC(ローコストキャリア)が登場し、イタリア系のイリョ(Iryo)とフランス系のウィゴ(Ouigo)、またAVEの格安版アブロ(Avlo)が運行を開始。旅行者にとっての選択肢が広がりました。イリョとウィゴはマドリードを起点にバルセロナ、バレンシア、セビーリャ、マラガなどに路線をもち、AVEの半額以下で乗れることも。ただし、大きな荷物の持ち込みや座席指定には別料金がかかることもあるので、よく確認してからチケットを購入しましょう。
■レンフェ(スペイン鉄道) Renfe
URL https://www.renfe.com/es/en
■イリョ Iryo
URL https://iryo.eu/en/home
■ウィゴ Ouigo
URL https://www.ouigo.com/es/en
スペイン旅行の予算は、ホテルのランクやどこで食事をするかなどによって異なりますが、中級ホテルに宿泊する場合、だいたい1日€200~300ほどみておけばよいでしょう。これから旅行を計画している人は、ここでご紹介した8つのヒントを参考にして、少しでもお得にスペインを満喫してくださいね!
TEXT:中田瑞穂(シエスタ)
PHOTO:有賀正博
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