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2025年2月16日と22日に、名古屋駅から伊賀上野駅までを直通で結ぶ臨時列車を運行する、三重県「全車指定席名古屋発専用臨時列車で行く関西本線の旅」が開催されました。この取り組みは、関西本線活性化利用促進三重県会議(三重県、亀山市、伊賀市、西日本旅客鉄道株式会社で構成)が主催し、地域の活性化と鉄道利用の促進を図ることを目指して実施されたもの。そんなツアーの2月16日の伊賀上野フリープランを旅した模様をレポートします!
今回使用した車両・JR東海のキハ75形が関西本線のJR西日本区間を走るということで、名古屋から伊賀上野を走る2時間弱の間、往路でも復路でも線路沿いには臨時列車の写真を撮ろうとたくさんの鉄道ファンが駆けつけていました。
伊賀上野駅に着くと、たくさんの駅員さんやゆるキャラ、地元の方々がお出迎え。途中の駅でも駅員さんや地元の方々が手を振ってくださり、終始心がほっこりする旅でした。伊賀上野駅で伊賀鉄道に乗り換えて、上野市駅へ向かいます。
さすが忍者の里・伊賀。伊賀上野駅のロータリーにも、伊賀鉄道のラッピングも街中が忍者だらけ! 忍者列車の車内には、忍者の人形や手裏剣柄の車内灯など楽しい仕掛けがたくさん。さらに上野市駅の駅舎には愛称の「忍者市駅」が駅名になっています。
2月22日はニン・ニン・ニンで忍者の日ということで、2月は忍者月間だそう。その忍者月間を盛り上げるため、上野市駅の駅前広場では2月16日(にんむ)と22日(にんにん)に「忍マルシェ」が開催されていました。
キッチンカーの飲食店や、忍者雑貨のお店、手裏剣の的あてコーナーなどが集まっていて、たくさんのファミリーや地元の方々で盛り上がっていました。
今回の旅で絶対食べる!!と決めていたのが伊賀牛。駅前広場の向かい側に立つハイトピア伊賀の2階にある「ステーキハウス グラツィエ」で「伊賀牛特選赤身ステーキランチ(3,990円税込み)」を頂きました。三重といえば松阪牛というイメージがあるかもしれませんが、三重県にはもう一つのブランド牛・伊賀牛があります。伊賀牛は、松阪牛よりも脂身が少なく、あっさりとしていて160gのステーキもペロリと食べきれました。
伊賀牛は生産量が少なく、あまり全国に出回っていないため、伊賀に行ったからこそ食べられる名産品です。お昼前に予約なしで入れましたが、昼すぎから続々とお客さんでにぎわっていたので、確実に入りたい方は予約がおすすめです。
食後は歩いて5分ほど、駅の反対側にある上野公園へ。伊賀上野城、伊賀流忍者博物館、芭蕉翁記念館などの観光スポットが集結している大きな公園で、春には桜の名所としてもにぎわうそう。伊賀上野城は、築城の名手・藤堂高虎によって造られた別名「白鳳城」と呼ばれる美しい城。高さ約30mの高石垣は大阪城と並んで日本一の高さを誇っているとのこと。
天守閣内には伊賀焼の名品や、甲冑などが展示されていて、最上階の3階からは、伊賀の街が一望できます。ぜひまた桜の時期に訪れたいですね!
上野市の駅前にも像がありますが、伊賀は松尾芭蕉の生まれの地。市内には芭蕉翁生家など芭蕉ゆかりの地が数多くあります。芭蕉翁記念館には、松尾芭蕉の貴重な資料が数多く展示されています。筆者が訪れた際には「俳諧の歴史と芭蕉」という企画展が開催されていましたが、1年を通じてさまざまなテーマで企画展や特別展をやっているそうなので、訪れる際はぜひチェックしてみてください。
続いて世界一の忍術資料を誇る忍者の博物館・伊賀流忍者博物館へ。忍者屋敷では、どんでん返しや隠し階段などさまざまなからくりが仕掛けられていて、実際に体験することもできます。
さらに、忍者体験館、忍者伝承館には手裏剣などの忍具や歴史などの資料が展示されています。からくりの説明文や、資料にも英語が併記されていて、外国の方にも大盛況なんだそう! そして、目玉の忍術実演ショーでは、伊賀忍者特殊軍団・阿修羅が観客の目の前で手に汗握る忍者ショーを繰り広げます。なんと阿修羅は、台湾や韓国、アメリカなど世界で引っ張りだこの忍者軍団で、世界中で出張ショーやテレビ番組出演などをされている人気者! 海外旅行に行った際には、現地の方とここで学んだ忍者の話で盛り上がりたいと思います。
再び駅の反対側、すてきな城下町を散策していると一軒の古民家が。Ninomachi street cookieというおしゃれなクッキー屋さんでした!
ニノマチクッキーは、きび砂糖が使われているので甘さが控えめ。クッキーのほかにも季節限定のケーキやパフェなどを販売しているので、お店のInstagramをチェック!
さらに城下町を散歩していると、今度はおしゃれな町家を発見。そんな築130年の町家「西町や かかん」の中には、あげぱんのお店・HANAMORI COFFEE STANDが。
伊賀産のうるち米ともち米を使用したもちもちとしたあげぱんで、芭蕉ブレンド(コーヒー)との相性バツグン! つい写真を撮りたくなるような店内で、町屋とおしゃれカフェのマッチ具合がすてきでした。
筆者はこれまで三重県の伊勢・志摩には訪れたことがありましたが、伊賀は初上陸でした。忍者、伊賀牛、伊賀上野城、芭蕉、おしゃれカフェ……と、こんなにたくさんの魅力が詰まった街を知ることができて、とっても充実した旅になりました。ぜひ皆さんも関西本線をつかって、のんびり伊賀上野に足を運んでみてくださいね!
TEXT&PHOTO:鈴木優子