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グランドオープン迫る「大エジプト博物館」を先取りチェック!

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2025年3月14日
公開日
2025年3月15日

いまエジプトが熱い。2024年の外国人渡航者数は過去最高の1570万人を記録。一度は訪れたいロマンあふれる国であると同時に、円安&物価高でも比較的リーズナブルに旅ができるとあって、日本人旅行者も増えています。そして待ちに待ったギザの「大エジプト博物館」が7月3日にグランドオープンするというニュースも発表され、今年はさらに注目を集めそう! 今回は2025年1月に訪れたプレオープン中の「大エジプト博物館」の内部をいち早くご紹介します。

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大エジプト博物館GEMとは?

縦書きで記されている「大エジプト博物館」の外壁

大エジプト博物館Grand Egyptian Museum、通称GEM(ジェム)は、エジプトの重要な文化財を各地から10万点以上も集めた世界最大級の博物館として、2012年から建設が始まりました。場所は首都カイロ近郊のギザ。三大ピラミッドのほど近くに立っています。敷地に近づくと目に飛び込んできたのは、外壁に日本語で記された「大エジプト博物館」の文字! 建設にあたっては国際協力機構(JICA)を通じて多大な日本の支援が入っていることから、外壁だけでなく一部の展示物にも日本語が併記されています。これは日本人にとって嬉しいポイントですね。

  • ピラミッドを模した三角形の入口。左奥にはリアルピラミッドが!
  • 関係者名が刻まれたエジプト・日本「友好モニュメント」もある

ラムセス2世像がお出迎え!

高さ11m超、重さ83トンの巨大なラムセス2世像

館内に入ると、目の前にはドーンとそびえるラムセス2世の立像が! メンフィスで発見されたこの像、以前はカイロのラムセス駅前に置かれていましたが、大エジプト博物館のために8時間かけて移送したのだとか。ちなみに立像の左足が一歩前に出ているのは、生きている頃に作られた証。亡くなってから作られた像は両足が揃っているので、見学のポイントとして知っておくとより楽しめるはず。

ラムセス2世は、エジプト史上最も偉大なファラオ(王)として名を馳せた大王。建築王としても知られ、アブ・シンベル神殿など数々の巨大建築物を造らせました。アブ・シンベル神殿の奥にある至聖所の彫像に、年2回(2月22日、10月22日)太陽光が当たることはよく知られていますが、大エジプト博物館のこのラムセス2世像も同様に、年2回同じ日に入口脇から差し込む太陽光に照らされる設計になっていると聞いて胸アツ! この日に行かれる方は忘れずにチェックしてみてください。

CREVIA BASE Tokyoで開催中のラムセス大王展

ラムセス2世についてもっと詳しく知りたい方は、現在東京のラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyoで開催中の「ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金」(2025年3月8日(土)~9月7日(日))へぜひ。この展覧会ではラムセス2世の棺とその蓋が揃って特別に貸与され、約180点の王家の副葬品を見ることができます。エジプト旅行を計画中の方にも、とっておきの予習になること間違いなし!

階段の先にはピラミッドビューが!

上階の展示室に向かう大階段に古代エジプトの彫像がずらり!

巨大なラムセス2世像を拝みながら館内の奥へ進むと、さまざまな神やファラオの像が連なる階段が延びています。その数なんと60点超! 一体一体じっくり見たくなりますが、思いのほかたくさん展示されていますので、ここで体力を使い切ってしまわないように。階段の脇には上下エスカレーターもあるので、上りはエスカレーターを利用して、横目でどんな彫像があるのかチェックしつつ、帰りは階段を歩いて下りながら気になった像を心ゆくまで見学、というプランもおすすめです。

ラムセス2世とメルエンプタハ王のスフィンクス
ラムセス2世と女神の像

入口からあれほどの威光を放っているラムセス2世ですので、やはり行く先々でお目にかかります。なかでも、ラムセス2世を女神が背後から守るように立つ像は、ほかにあまり見ない珍しい構成。この女神が誰かははっきりしていませんが、説明によるとウガリット(現在のシリアあたり)で崇拝されていた戦の女神アナトと考えられているとか。ラムセス2世の肩にそっと添えられた手からはあたたかみのある優しさを感じます。

階段を上り切った先には大きな窓ガラスが広がっていて、ギザのピラミッドを見晴らすことができます。借景のような造りなっているのは日本支援の賜物かしら?などと考えつつ(関係ないかもしれませんが)、ひと息ついたら左手の展示スペースへと進みます。
ちなみに階段を上った右側に、ツタンカーメンの秘宝が展示される予定だそうですよ。

時代別のギャラリースペース

展示の目玉となるのは、「黄金のマスク」をはじめとするツタンカーメンの秘宝と、クフ王の「太陽の船」といわれています。ただ、「黄金のマスク」はエジプト考古学博物館に展示されており、これから移送予定。「太陽の船」はすでに移送されていますが、公開はグランドオープンまでお預けのようです。つまりプレオープン中の現在は、いわゆる目玉作品はありませんが、展示品の数は驚くほど膨大! ギャラリーは時代別に12に分けられ、それぞれの時代の遺物や芸術品をとおしてエジプトの歴史をたどることができます。

  • ミイラの木棺も多数展示されている。棺内部の装飾も見事
  • プロジェクションマッピングやデジタルもうまく活用した展示

見学後はミュージアムショップでおみやげ探し

じっくり見学したあとは、1階のミュージアムショップでお買い物タイム! 置物や食器などの日用品やエジプト綿を使った衣類やストール、おしゃれなデザインのクッションなど、自分用にも家族・友人用にもぴったりな品々が並んでいます。実は最近旅先での物欲がそれほどなくなってきた筆者ですが、センスのよい品揃えとここでしか手に入らないアイテムに買い物熱が高まり、気づけばツタンカーメンのTシャツとエコバッグ、キーホルダーなどを握りしめておりました。Tシャツはしっかりした厚手の生地で着心地もよく、エジプト滞在中に大活躍!

  • 扇子や陶器、エジプト綿を使ったかわいい布バッグやクッションも
  • インパクト大のTシャツ。背中にはツタンカーメンの文字とGEMのロゴ

ニューオープンのGEMへ行こう!

ラムセス2世の名が刻まれた底がのぞけるオベリスクも必見

2025年7月3日にグランドオープン予定の大エジプト博物館(GEM)。ギザのピラミッドとあわせて訪れたいところですが、夏のエジプトは日中屋外を歩き回るには危険な暑さ! できれば冬をおすすめしますが、冬でも昼間の日差しは強いので、帽子やサングラスは必携です。気候対策を万全にして、エジプト観光を楽しんでください。

現在エジプトへは、エジプト航空が東京⇔カイロの直行便を週1便で運航しています(所要約13時間30分)。

大エジプト博物館 Grand Egyptian Museum(GEM)

住所
Alexandria Desert Rd, Kafr Nassar, Al Haram, Giza Governorate
電話番号
+20 2 35317344
開館時間
【月~日】8:30~17:00 
公式ページ(チケットサイト)
https://visit-gem.com/en/home

TEXT&PHOTO:地球の歩き方 由良暁世 AKIYO YURA
取材時期:2025年1月
取材協力:エジプト大使館、エジプト航空

ガイドブックの画像

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ギザの3大ピラミッド、ルクソールの巨大神殿をはじめとする古代遺跡など。歴史・文化も徹底解説したエジプトの旅の完全ガイド。

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