
スペインと日本の時差とフライト時間、時差ボケ対策
2025.5.2
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2025年7月10日に発売する『地球の歩き方 スペイン2026~27』。本誌にも掲載されている世界遺産の街、カセレスとメリダを含めたエストレマドゥーラ州を「地球の歩き方」編集室のスペイン担当が実際に旅してきました。成田からマドリードまでの直行便も復活し、ますます行きやすくなったスペイン。南西部に位置するエストレマドゥーラは、バルセロナやマドリードといった人気都市とはまた違った魅力をもつエリアです。『地球の歩き方 スペイン』には掲載していない場所も含めて、エストレマドゥーラ州のおすすめスポットをご紹介します。
スペイン南西部、ポルトガルとの国境に位置するエストレマドゥーラ州(Extremadura)。スペイン南北を結ぶローマ時代の重要な街道「銀の道」が通ることでも知られ、街道沿いに発展した街のうちカセレスやメリダは、その中世の街並みやローマ遺跡が世界遺産にも登録されています。
最初にご紹介するのは、マドリードから車で2時間30分、城壁に囲まれた美しい旧市街が残るプラセンシア。プラセンシアには、プランセンシア大聖堂、パラドール・デ・プランセシア、マヨール広場などの見どころがあります。
旧市街の中には、ロマネスクとゴシックの建築様式で作られたプラセンシア大聖堂があります。金色に装飾された美しい祭壇は圧巻です。そんな細かな装飾をドローンで撮影された映像で間近に見られるVR体験もできます。
スペインにはパラドールと呼ばれる歴史的な建物を改装した国営のホテルが100近く点在していますが、プラセンシアにもパラドール・デ・プランセシアがあります。15世紀に建てられた修道院をホテルに改装していて、アーチ型の天井や回廊、食堂などは当時の趣を残しています。
プラセンシアのマヨール広場では、毎週火曜日に青空市場「火曜市」が開かれていて、エストレマドゥーラで採れた大きなパプリカやイベリコ豚のソーセージ、バカラオ(タラの塩漬けの干物)などが売られています。
プラセンシアの城壁を出るとヘルテ川Río Jerte沿いに公園が広がっていて、市民の憩いの場となっています。内陸に位置するエストレマドゥーラでは、夏に海の代わりにヘルテ川で水遊びを楽しむ人が多く集まるそう。
「地球の歩き方aruco」公式Instagramでは、プラセンシアのリール動画をアップしているのでぜひチェックしてみてください!
https://www.instagram.com/reel/DJWOe_GS0ZN/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MWQxbGd3eWNrY2E1cQ==
ヘルテ川の上流をたどると、ヘルテ渓谷があります。ヘルテ渓谷はさくらんぼの産地で、3月中旬~4月初旬頃には桜が満開になりお花見も楽しめます。
ヘルテ渓谷は雄大な自然とともに楽しめる、ヨーロッパでも人気のハイキングエリアです。特におすすめなのは、プラセンシアから車で45分ほどのガルガンタ・デ・ロス・インフィエルノス(Garganta de los Infiernos)のハイキングコース。世界の泳げる川にも選ばれたことのある川で、透明度が高く、夏になるとスペイン国内やヨーロッパなどから多くの観光客が訪れます。
スペインの公式観光ウェブサイトでは、そんなガルガンタ・デ・ロス・インフィエルノスの夏の美しい動画を見ることができます。
https://www.spain.info/en/hiking-trails/garganta-de-los-infiernos-hiking-spain/
モンタンチェスは世界的にも有名なイベリコ豚から作られる生ハム「ハモンイベリコ(Jamon Iberico)」の名産地。
小さな街ですが、頂上に位置するモンタンチェス城(Castillo de Montánchez)の隣には、スペインで最も美しい墓にも選ばれたことのある墓地(Cementerio Montánchez)もあります。展望台からは、エストレマドゥーラ州が一望できます。
モンタンチェスには生ハム工房が複数あり、街中のバルでも食べることができます。ぜひ訪れた際にはワインとともにハモンイベリコをご賞味あれ。
「地球の歩き方aruco」公式Instagramでは、モンタンチェスのリール動画をアップしているのでぜひチェックしてみてください!
https://www.instagram.com/reel/DJbVEM8x0Q0/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=dDN4MWp3cTRrdTVo
古代ローマの遺跡が数多く残る街・メリダ。1993年には20以上もの遺跡が「メリダの考古遺跡群」として世界遺産に登録されました。そのなかから代表的な4つの世界遺産をご紹介。
紀元前24年にアウグストゥス帝の娘婿アグリッパによって築かれた古代ローマ劇場。毎年7~8月には古典演劇祭が行われ、現在でも劇やコンサートの会場として使われています。
古代ローマ劇場のすぐ隣には、かつて剣闘士や猛獣が死闘を繰り広げた円形闘技場があります。
スペインではセゴビアの水道橋が有名ですが、メリダにあるロス・ミラグロスの水道橋も保存状態がよく、全長800m以上が残っています。
グアディアナ川に架かるローマ橋は、現存する世界最古のローマ橋といわれています。川沿いは広大な公園となっているので、ローマ橋を見ながらの散歩がおすすめです。
メリダはガイドブック『地球の歩き方 スペイン』にも掲載されています。
「地球の歩き方aruco」公式Instagramでは、メリダのリール動画をアップしているのでぜひチェックしてみてください!
https://www.instagram.com/reel/DJjDoPjx11H/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MTFjcTdtZDJhM2xtcA==
中世に建てられた建造物が数多く残る街・カセレス。城壁に囲まれた旧市街全体が1986年に世界遺産に登録されていて、海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』などさまざまな作品のロケ地にもなっています。
マヨール広場の目の前にあるブハコの塔から旧市街を望むと、教会や宮殿など中世の建造物が集結している様子がよくわかります。
ブハコの塔の横にある星の門(Arco de la Estrella)が旧市街への入口。城壁内に入ると、石畳の狭い道に歴史的建造物がぎっしりと並んでいて、まるでタイムスリップしたかのような気分に。
歴史ある旧市街と新市街の間には2021年にオープンした、入場無料のヘルガ・デ・アルベアル現代美術館も見どころのひとつ。数々の著名な建築賞を受賞した建物の中には、ピカソらの3000点を超える作品が収蔵されています。
カセレスはガイドブック『地球の歩き方 スペイン』にも掲載されています。
「地球の歩き方aruco」公式Instagramでは、カセレスのリール動画をアップしているのでぜひチェックしてみてください!
https://www.instagram.com/reel/DJoU955Sse8/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=cjh2bnhhOWtsbG95
ヨーロッパらしい遺跡や旧市街に、生ハムなどのグルメ、豊かな自然まで楽しめるスペイン・エストレマドゥーラ州。まだまだ日本の観光客が少なくあまり知られていないエリアですが、魅力的な自然と歴史ある街にきっと魅了されるはず。マドリードやポルトガルから足を伸ばして、ぜひ訪れてみてください!
『A20 地球の歩き方 スペイン 2026~2027』は、2025年7月10日に全国の書店&オンライン書店で発売!
https://www.arukikata.co.jp/guidebook/234524/
●取材協力
スペイン大使館観光部(Tourism Section of Embassy of Spain)
エクストレマドゥーラ州観光局(Extremadura Tourist Board)
TEXT&PHOTO:鈴木優子